里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

水墨画「パプリカ」

2024年08月31日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙   

台風10号が大きな爪跡を残し進んでいます。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
これ以上被害が拡大しないことを願うばかりです。
当地は時折雨は降っていますが、大雨とかにはなっていません。
今、パプリカが穫れています。
パプリカはピーマンの一種で、その形からベル型ピーマンとも呼ばれます。
パプリカはピーマンよりも遙かに大きく肉厚です。
赤色や黄色、オレンジ色が代表的ですが、紫、茶、黒などのパプリカも見られます。
そもそもはどのパプリカも未熟のうちは緑色で成熟するにしたがってそれぞれの色に変化していきます。
完熟の状態になるとカラフルなパプリカになるわけです。
普通のピーマンは未熟の状態で収穫されますが、放置して置けば完熟し赤のピーマンになります。
しかし、赤くなっても肉が薄く味も異なりパプリカとは異なります。
昨年試しに作ってみた「鈴なりパプリカ」は普通のピーマンより小さいくらいながら肉厚で味もパプリカと同様でした。
但し、これは商品名で、あくまでパプリカは大型のベル型ピーマンを指すのが一般的なようです。
ところで、あまり知られていませんが、パプリカの生産量は当県が全国1位となっています。
その殆どは農業法人により超大型の温室で高度に環境制御された生産が行われています。
赤、オレンジ、黄のパプリカをイメージし水墨で描いてみました。   

水墨画「とうもろこし」

2024年08月17日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙
  

我が家ではトウモロコシを2回に播いています。
1回目は7月下旬に穫り、2回目がお盆用です。今年は気温が高く何れも想定よりかなり早まりました。
メインはお盆用です。昔から人が多く寄るお盆に食べられるように作ってきたものでした。
昨年もそうでしたが、今年もお盆の頃には良いものは終わってしまい残り物になってしまいました。
もっとも今はお盆だからと言って昔のように人が大勢寄ることもなくなり、さしたる支障もないのですが。
トウモロコシを水墨画で描いてみました。
大粒のトウモロコシになったのはご愛敬。幼少の頃のトウモロコシがこんな感じだったでしょうか。
甘みが少なく歯ごたえのあるトウモロコシでした。今時なら皆がまずいと言うに違いありません。
それでも美味しかった。遠い昔の想い出です。

 

水墨画「ブルーベリー」

2024年07月15日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙
 

当地、今年は空梅雨で連日暑く、ブルーベリーの甘酸っぱい味がひときわ心地よく感じられます。
ハイブッシュ種は重なるように成り、枝がしなって垂れ下がります。
全て生食なので完熟したものだけを穫るのですが、見分けるのはすこぶる容易。
未熟な実が青色から次第に赤っぽく変化し、紫から黒に近いほどの濃い青紫になって完熟します。
早い粒が完熟し穫り始めた頃には遅い粒は全く色付きもしないので、収穫期間はかなり長い。
実は小さく面白みがないように見えますが、先端の花落ちした部分は非常に特徴的です。
但し、実だけでは画になりません。沢山の実が多くの葉に見え隠れしてしなった枝は画になります。
穫り始めた頃のたわわに実ったブルーベリーを水墨で描いてみました。



  

水墨画「そら豆と絹さや」

2024年06月16日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙     


我が家で5月から6月にかけ楽しめる豆類と言えばソラマメとサヤエンドウ。
しかし、ともに同じ食卓に上る期間は長いわけではありません。5月末から半月くらいのものでしょう。
穫ったばかりのソラマメとサヤエンドウを並べて描いてみました。
ところで、記事では作物名を多くはカタカナ表記にしています。
水墨画の題名は様々。普通に見られる表記をメインにしていますが、その時の気分もあります。
ソラマメは漢字なら小生は蚕豆が一番馴染みます。しかし、最近は空豆が一般的らしい。
確かに蚕豆は莢の形が蚕の繭に似るところから付けられた当て字です。
一方、空豆は莢が空を向いて着くからと言うのですが、これは多分新しい当て字でしょう。
着莢したばかりの時は上の方を向いてはいますが、空とつなげるのはしっくりしません。
それなら「そら豆」の方が良さそうな気がします。
サヤエンドウは莢豌豆で異論はないでしょう。そもそもエンドウは実エンドウと莢エンドウに大別されます。
莢エンドウも大莢エンドウと絹莢エンドウがあり、味、香りでは断然絹莢エンドウ。
流通しているのも殆ど絹莢エンドウで、通称「絹さや」で通っています。よって今回は「絹さや」にしてみました。
当地で我々世代から上は専ら三度豆ですが、これではマニアックすぎます。
エンドウにはもう一つ比較的新しいスナップエンドウがあります。
当初、サカタのタネが豆を大きくしてサヤごと食べるスナックエンドウとして発表したのが始まりです。
もともと品種名としてのスナックエンドウだったのですが、普及の兆しを察知した農水省が放置は出来ないと感じたか一般名としてスナップエンドウと定めたのでした。
初めのうちはスナックエンドウしか通用しませんでしたが、次第に慣れてスナップエンドウが一般化、スナックエンドウはスナップエンドウの一品種となりました。




水墨画「さやえんどう」

2024年06月02日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙

サヤエンドウは少々思い入れのある野菜で、5月から6月にかけ心ゆくまで味わうことが大きな楽しみです。
水墨画でも何度か描いています。水墨画の題材になる野菜は多いもののサヤエンドウを取り上げる方は稀でしょう。
サヤエンドウの実は大概の方が知っていると思います。
しかし、花や莢がどのように着いているのか知る方は少ないかもしれません。
おそらく実際に作っていなければ見ることも難しいのではないでしょうか。
サヤエンドウの全体の姿は実に複雑です。
葉には茎に付く大きな葉とその葉の裏から伸びた蔓に付く対の小さな6枚の豆葉があります。
その豆葉の先には巻きひげが伸び、これを支柱に絡めながら生長し昇っていきます。
花は大きな葉の付け根から花梗が長く伸び2花着きます。そしてこれが莢に生長します。
花には赤花と白花があり、我が家のは赤花です。
全体像を描くのは至難ながら、初めての掛軸作品はサヤエンドウと決めていました。
実は小生もじっくりとサヤエンドウの全体像を観察したのはこの時が初めてです。
ちょうど季節なので、虫干しを兼ね床の間に掛けてみました。
作品名は「豌豆」。


もう一昔ほどにもなります。稚拙さは拭えませんが再掲してみました。