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里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

コメ作りには欠かせぬ水路や土手の補修

2025年03月01日 | 田んぼ

田んぼに関わる作業は実に地味なものが多い。冬場には土手や水路の補修を行っています。
但し、今年は立春になってから再三の寒波襲来で気温が低く作業は一挙には出来ず遅れました。
自然災害があれば当然のことながら補修する箇所は多くなります。
その最たるものは2011年3月の東日本大震災と2019年10月の台風19号による崩落です。
大災害でなくとも大雨警報の一度や二度は必ずあるので何事もないことの方が珍しい。
コンクリート製の側溝が壊れることはそうないのですが、土の側溝や土手が問題です。
大きく壊れなくとも自然に弱ってくるところが必ずあります。凍結を繰り返すだけで少しずつ崩落してきます。
大きく壊れてからでは手間も経費も沢山掛かることになります。事前の対策こそ大事というもの。
主な作業は土手や水路の崩落を防ぐために杭を打ち、土止めをすることです。
まず補修に使う資材を準備します。それが里山から切り出した栗の木です。
但し、切ったばかりの生木は重く大変です。そこでしばらく放置してから利用します。
自宅に運び込んでストックして置いたものもありますが、そちらを使うのは不足するような場合です。
これは前年の冬に切り出し、近くに放置していた栗の木で太いものは割ってから使います。


杭にするものはチェーンソーで先を尖らせます。


栗の木に匹敵する他の樹木はありません。水に極めて強く耐久性では随一です。
古代遺跡から栗の木の掘立柱が発掘されることでも分かるように大昔から知られていたわけです。
崩落の心配のあるこの場所から補修をします。


まず杭を打ち込みます。


横木を入れて土止めにします。


土を入れ整えて出上がりです。


こちらも自然に緩んで崩れてきました。放置すると大きくなる心配があります。


やはり横木を入れながら杭を打ち込みます。


土を乗せ整えて出上がりです。この後余分な分を切り揃えます。


栗の木は最も長持ちし丈夫ですが、土止めのため打ち込んだ杭も次第に腐ってくるのは避けられません。


新しい杭を打ち直し強化します。


こちらも同様。早いうちに新しい杭を打ち直せば補修も軽くて済みます。


同様に古い杭に変え新しい杭を打ち込みました。


昨年は総じて干天の年だったので大雨になることも少なく例年に比べて補修の箇所は少なくて済みます。
ただ、殆どが狭い場所のため全て手作業で、結構な重労働。
冬期間なので寒風吹きすさぶ日も多い。できるだけ好天日にやるようにしても長時間の作業は難しい。
無理せず日数を掛けて少しずつやるように心がけています。


価値ある安いもの3品「コメ、卵、牛乳」

2025年02月12日 | 田んぼ

昨日、コメの高値について投稿しましたが、若干追記したいと思います。
コメの流通は食管制度の時代からは大きく変わってしまったので一概に比較は出来ないのですが、ウィキペディアで調べてみると50年前1975年の精米10㎏当たり消費者米価は2,495円、1980年3,235円、1985年3,764円、1990年3,865円、1995年3,850円となっています。
その後は、自主流通米主体になったため示されていませんが、どう思われるでしょうか。、
食管制度の時代は生産者消費者双方に悪いようにはしないと政治色の強い米価の決定がなされたためしばしば消費者米価よりも生産者米価の方が高くなるいわゆる逆ざやが生じていました。
それでも消費者米価は3,000円台後半の価格になっており、近年の店頭に並んでいた10㎏価格と比べてもむしろ高いくらいです。
昨年高値になる前はごく一部の高価格米は別として3,500円程度、3,000円くらいの価格帯のものもあったと思います。
一方、玄米60㎏の価格は1990年21,600円、1995年20,976円、2000年17,054円、2005年16,048円となっています。2010年は相対取引価格で12,711円です。その後は相対取引で12,000円から16,000円の範囲で推移しています。
相対取引は集荷団体と卸間の取引価格なので生産者価格はこれより2割程度下がると思われます。つまり30年ほど前の1/2から2/3の水準だったのです。
2024年の高値になる前の20年余りいかにコメの価格が低迷してきたかが分かるでしょう。消費者にとっては価格は安ければ安い方がいいに決まっていますが、少々度が過ぎていたとは思われないでしょうか。

これは、以前にも書いていることですが、現在一人当たりのコメの年間消費量は約50㎏と言われています。
小生の場合、朝食はほぼ100%、3食でも米食が90%を超えています。おそらくコメの摂取率では最高クラスでしょう。
昔は1合飯も食べた時代もありましたが、今は1食に白米で0.5合、75gです。


これを仮に価格高騰前の10㎏3,500円で当てはめると26円。我が家の玄米価格で換算すると1食20円です。3食ともご飯を食べることの多い小生でも自家米としては年1俵、月5㎏程度です。
食べ盛りの1合飯を食べる人でも自家では小生と同程度の量でしょう。金額に換算すれば2,000円ほど。
これは失敬して最近スーパーの棚を撮らせて頂いたもの。


確かに8割も高騰するのは異常で何れ修正されるでしょう。しかし、それ以前も異常に安すぎたとは言えないでしょうか。高騰後の棚の価格でも1杯50円程度です。
客寄せにご飯を無料にしたりおかわり自由にしたりするくらいの価値しかコメにはないのでしょうか。小生は主食としてもう少し評価してもらえる程度の貢献はしてきたと思うのですが。
こちらは小生が毎日のように朝食に摂る卵。


これも最近値上がりして困ると言うニュースが流れています。
調べてみると1㎏当たり価格は50年前1975年が304円、1980年305円、1985年271円、1990年223円、1995年184円、2000年189円、2005年204円、2010年187円、2015年228円、2020年171円となっています。そして2023年が306円、直近も300円強で推移しているようです。
Mサイズが60g程度なので16個で1㎏くらいでしょうか。
物価の優等生と言われてきた卵ですが、奇しくも50年前と今が同じ水準と言うことになります。概ね170円から300円の範囲で推移しています。300円を超えると高騰と騒がれるようです。コメとかなり似通った推移になっています。
近年高い傾向にあるのは鳥インフルエンザの発生で出荷数が減ったことによる影響が大きいと言われています。
テレビのインタビューに応じていたご婦人は1個10円くらいでないと高いと言った雰囲気で話していました。1日200個使うというレストランのオーナーシェフは値段に反映できないので大変と話していました。確かに業務用となるとそうなのかもしれませんが、卵の責任にするには重すぎる感じです。
ご飯をサービスに使うのと同様、卵はスーパーの客寄せのため特売品のような扱いになっていました。
当地方にも養鶏場がいくつかありますが、価格低迷と飼料高騰で廃業を余儀なくされたところもあります。かなり大規模な養鶏場も倒産していると聞きます。
10個パックで250円程度ですからこれで高いと言われたら可哀想な気がします。


小生はコレステロール値が高いので卵はあまり良くないと言う人もいますが、ご飯1杯と卵1個がほぼ同額なので少しでも消費して支えたいと思っています。
大急ぎの出がけに卵掛けご飯を食べて、5、60円で済むのです。
そして毎朝飲む習慣にしている牛乳。


年次推移を見る適当なデータが見つかりませんでしたが、近年値上がりしていることは確かのようです。
牛乳の流通と価格形成は単純のようでなかなか複雑。素人には理解するのが難しい。
価格は、乳業メーカーと酪農生産者団体の合意によって決められますが、生乳の需給状況や市場動向、乳業者や酪農家の経営状況など、さまざまな要因を総合的に勘案して決定されると言います。生乳だけでなく加工向けもあり、それらが各メーカーや各生産者団体の事情で異なるため複雑なのです。
1000mlの牛乳の2013年から2023年までの価格推移を見ると1.23倍に値上がりし、232円になっていました。現在もほぼ変わらないものと思われます。
スーパーの棚を見ると220円から300円の範囲にあるようです。


小生は毎朝200ccを飲む習慣にしているのでほぼ50円と言ったところでしょうか。
生産者の手取りは20円に達するかどうかと推測されます。
これが200ccパックになるとすこぶる効率が悪い。パッケージや流通コストが掛かり大部分を牛乳以外に支払っていることになります。
小生は昔は牛乳を飲む習慣はありませんでした。20年程前仕事上で知り合いになった酪農家の方に牛乳は水より安いという嘆きを聞きました。なるほど〇〇の水として売られている飲料水は天然の水をくみ上げるだけ、365日休みなく世話をして1杯10円では嘆き節も言いたくなります。
飼料は年々高くなり人件費も上がリます。多くの酪農家は苦境にあると察します。
小生も高年体質に向かう時期でもあったので、以来牛乳を飲むことにしたのです。それがささやかな応援にも繋がると考えました。20年続けていますが体調の維持に奏功しているように感じます。
「コメ、卵、牛乳」は最近高騰のやり玉に挙げられていますが、これで100円と言ったところ。実は長期間安価にして大きな恩恵を与えてきたと評価すべきと思いますが、どうでしょう。
因みに小生の朝食はこの3品に納豆、野菜、味噌汁と漬物が定番です。

コメ高値の本質

2025年02月11日 | 田んぼ

過日、日経新聞のトップにコメ民間輸入拡大の記事が載りました。しかも2万tと言うレベルは少々ショッキングなものでした。


それ以前にコメ高騰がなかなか収まらないと政府は備蓄米の放出に踏み切ることを発表しました。
昨秋、2024年産米が出荷されればコメ不足の現象は解消されると備蓄米の放出には否定的でしたが、さらに一段の高値になり、備蓄米の放出が明言された後も市場は反応しません。市場は隠れているものはそう簡単には出てこないと判断しているようです。
昨夏コメ不足の事態が生じた折り、小生もコメの供給と価格について投稿しています
小生も備蓄米が放出されなくとも何れ価格は落ち着くだろうと見ていました。そもそも備蓄米放出の手続きには時間が掛かるため速効性がなく、そうこうしているうちに新米が行き渡るだろうと推測しました。
但し、これには前提条件があります。政府が発表しているコメの需要量、2023年産米の在庫量と2024年産米の生産量(作況指数)が正確なことです。
しかし、その後の末端価格の推移は想像を遙かに超えるものでした。
コメ流通の体系は大まかに生産者ー集荷業者(JA・全農グループなど)ー卸業者ー小売業者ー消費者なので流通コスト即ち中間マージンが発生するため末端価格には生産者価格に相当額が加算されます。生産者ー消費者と中抜きが出来れば相当額が圧縮されるとも言えますが、遠方への出荷は少量では資材や輸送費が割高になるのでそう単純ではありません。現代はネットでの購入も出来るので事情に詳しい方も多いことでしょう。
代表的な流通形態であるJA・全農を通すいわゆる系統出荷の場合(我が家もそうですが)出来秋になると前渡金通称概算金が生産者に示されます。いわば手付金のようなものです。昨秋は異例の事態が発生しました。JA以外の集荷業者がJAの概算金より大幅に高い価格で生産者から買い付けたため新米が集まらずJA・全農はあわてて追加の概算金を提示する事態となりました。
もっとも概算金はあくまで前払金なので通年出荷した後追加で精算されます。そのため当初の概算金は低めに設定するのはやむを得ない面もあります。
日経新聞の記事によると12月時点の集荷団体と卸間の相対取引価格は玄米60㎏24,665円と前年同月比6割高で過去最高を記録したとあります。
農水省の発表によるとコメ不足を引き起こしたとされる2023年産米の作況指数は101、そして2024年産米も101で収穫量は18万t増加しているとしています。これらの数値からはコメ不足や価格高騰を引き起こす要素は考えにくい。
一方、一人当たり消費量は9ヶ月連続で前年同月を上回っており外国人客の増加などで流通するコメが不足し価格高騰に繋がっているとしています。
しかし、農水省の発表したデータへの疑問が捨てきれません。
ちなみに本県の2024年産の作況は107の良で過去最高。我が家では辛うじて平年並の範疇で豊作にはほど遠い。だからと言う訳ではないですが、実際の生産量とは解離がありはしないか
現時点では生産者が自家用以外に保有しているコメは僅かで殆どは流通過程にあるはずです。政府は生産量に対し集荷、卸が保有するコメは少なく、把握できないコメが相当数あるという見解です。つまり値上がりを目論む隠れた業者がいると言わんばかりです。
備蓄米を供給することでそれらが市場に吐き出され価格は下がるという見立てです。確かに投機的な価格になっていることは間違いなく今がピークと考えるのが相当でしょう。そこに新たに供給されるとすれば何らかの動きが見られそうなものですが今のところ反応はありません。
冒頭のコメ民間輸入はこれまで実質的に殆ど行われてきませんでした。それが今回実行されるオーダーが二桁違うのに驚かされました。これは殆ど忘れかけていた30年ほど前の貿易自由化交渉ガットウルグアイラウンド合意に基づくものの一つです。
合意に基づき政府はミニマムアクセス米を主食用として10万t輸入しています。ミニマムアクセス米とは合意の結果日本が海外から最低限輸入しなければならない米のことです。それを政府は民間に輸入差益を上乗せして売却するのですが、売れ残ることが多かった。それが2024年は初めて上限の㎏当たり292円上乗せで全量落札されるという事態に。
民間輸入はこれまで実質輸入不可能と思われるように設定されています。関税が㎏当たり341円ですから60㎏にすると関税だけで20,000円を超えます。ですから25,000円以下では完全な赤字になると思われます。精米段階なら10㎏5,000以下では採算が合わないので自信があるということなのでしょう。
今、スーパーなどではごく普通に6,000円を超えているので、このまま推移すれば輸入米も売れる可能性は十分あります。輸入米は実際には業務用向けでしょうからコストも低く抑えられます。
しかし、これはあくまで現状の需給が続くと言うことが前提なので、政府の示すデータが正確なら隠れている流通米がどこかの時点で吐き出され需給のバランスが崩れます。山高ければ谷深しの原則で急落するはずで、誰かがババを引くことになります。
そうならなければ政府のデータの何れかが正しくないと言うべきです。前述したように生産量(作況)、在庫量、需要量への疑問が捨てきれません。

僅か数年前、JAからの概算金が10,000円を割ったことがあります。2024年産米の半値です。
ある程度の規模の生産者にはそれなりのセーフティネットがあるものの我が家のような零細な生産者は正に赤字覚悟、モチベーションは落ちるところまで落ちたと言っていいでしょう。僅かに環境保全と自己生産への拘りが支えになっているというものです。
末端の食堂などではご飯のおかわり自由、大盛り加算なし、果てはラーメン注文でご飯無料までありました。確かにご飯一杯20円くらいならサービスした方が売上増に繋がります。
これはコメ生産者にとっては屈辱以外の何物でもない。
今日の末端価格は確かに異常ですが、誰も長かった安値の時代を語りません。それが当たり前と思っているので当然です。今日では田舎でさえも生産を知る人間は少なく消費者の方が多いからです。
食管制度で米価が決められた時代と違い完全な自由価格になった現在は、コメも投機の対象になり得ます。政府が指摘するように隠れた流通の担い手の存在が価格高騰を招いているとすれば正に投機の対象になっていると言うことでしょう。
生産者は異常な高値など望んでいないのです。しかし、これまでのような異常な安値ももちろん望みません。しかし、多勢に無勢で消費者は安ければ安いほど良いと考えるのが一般的。

50年前、我々の一世代前、大正後半から昭和一桁生まれの世代が主たる担い手だった時代、食管制度の下60㎏20,000円が普通でした。生産者も農村人口も遙かに多く、都会にも農村出身者が多かった。従って選挙になれば集票力があり、コメの価格形成にも影響を及ぼしました。
次世代が我々昭和20年代生まれですが、食管制度から新しい食糧法に移行して様変わり。流通も価格も完全に自由化されました。農村部にも他産業従事者が多くなり、まして都会では農村出身者の陰は甚だ薄くなりました。従って圧倒的に消費者の視点が強くなり、選挙でも集票力は低下しコメの価格へ影響することもなくなりました。
それでも、少数ながらコメの大規模生産者が成立し、我々のような零細な生産者も細々ながら担い手として存在してきました。それは前世代からの意思を受け継ぐ意識があったため採算性が悪くても我慢強く続けてきたわけです。しかし、その担い手の多くが70代になり、次第に人的な生産力が低下していると見るべきです。それが顕在化してきたのが事の本質ではないかと考えています。温暖化や気象災害などの現象だけに目が行っていますが、こちらの方が本丸です。
2023年、2024年の作況指数がともに101ならこのような事態が生ずるとは思えないのです。実態は作況指数のようになっていない可能性がやはり捨てきれません。根拠は薄弱ながら長年の経験から来るカンというやつです。
人的に多い我々の世代は交代期に入っています。あと数年、長くて10年。今後は大規模生産者主体の生産構造に移行するのがメインシナリオですが、それぞれ地域の条件が違いスムーズに移行できるかは不透明です。この度の価格高騰がターニングポイントになりそうです。
政府の数値が正しくこの後理論通りに価格が急落すれば間もなくやってくる世代交代も頓挫するかもしれません。逆に高い価格が続き、コメの民間輸入も好採算となれば他企業からの参入も想定されます。しかし、これらは安くなればすぐ撤退するので価格の乱高下は大きくなるでしょう。
一番は圧倒的多数の消費者の意識と行動です。安ければ安いほどよいのか、生産コストに見合う価格での安定を望むのか、多少の乱高下はかまわないのか。
昨日のニュースで直近の消費調査の結果では価格は下がっておらず前年10㎏3,500円が今年約80%高になっていると報じていました。6,300円くらいでしょうか。売り上げは落ちていないとしています。


今週中に政府は備蓄米の売り渡しの内容について集荷業者に提示し、入札を行うとしています。備蓄米の存在がこれほど注目されるのは初めてでしょう。その存在さえも知らなかった国民も多かったと思います。最初の入札は想定以上の高値が予想されますが果たしてどうでしょう。


老朽化した育苗ハウスの補修

2025年02月05日 | 田んぼ

昔、数棟あったパイプハウスは老朽化し10年余り前までに全て解体。集約して1棟だけ水稲の育苗ハウスにしています。
それも資材は50年以上にもなろうかという年代物なので育苗期間以外はビニールを剥ぎ災害リスクを回避しています。


今やこのような旧式のハウスは殆ど見かけなくなりました。
但し、解体集約する折り、ハウスを強化するため支柱は全て2本にしました。
したがって、老朽化しているとは言えパイプは通常の2倍の本数になっています。
さらに筋交いを入れ、それぞれのパイプを針金で縛り強化を図りました。
それでも弱っていることは間違いないのでこの時期に点検と補修をやるようにしています。
まずパイプ同士を縛っている針金を締め直し、弱っている針金は交換します。


次に妻面の補強している柱をチェックします。
かなり原始的ではありますが、山から切り出した栗の木を強化の柱にしているのです。
栗材は水に非常に強く他に優る木材はありません。しかし、土の中に入っている部分は次第に腐れます。
これは柱を補強している杭が大分腐っているので交換です。


切り出したばかりの栗の木は重く扱いにくいのでしばらく放置し軽くなったものを用います。
新しい杭を打ち込み、太い針金でしっかり縛ります。


このようなものはあと1本だけでした。
次に屋根ビニールを抑えるマイカー線を止める足場用パイプをチェックします。
このような旧式のパイプハウスは屋根ビニールをマイカー線で持たせる仕組みになっています。
したがって、マイカー線を両側で止めている足場用パイプに大きな負荷が掛かります。
これが弱ると暴風時にハウスごと持ち上げられ吹き飛ばされることもあるので最も重要です。
補強杭を縛っている針金の緩みを締め直します。


これは締め直している時に針金が切れてしまいました。


杭は大丈夫なので針金だけ交換です。


これは杭が腐っており交換です。


保管していた適当な長さの栗材を利用します。


杭を掛矢で打ち込み、太い針金でしっかり縛って出来上がり。


数本交換し終了しました。
毎年点検補修していると数年くらいで一巡するようになり、被害を受けるリスクも抑えられ丁度良い。
全て一挙にやるとなると負担が大きく被害を受けるリスクも高まります。
栗材は市販の材料などより遙かに強く補強材として一番。全て自ら山から切り出したもので経費も僅か。
里山の天然資源の有効利用で環境保全にも繋がります。
但し、体力は若干消耗します。そんな時は一服しながら石垣に生えた南天を愉しみます。
これは育苗ハウスのすぐ裏にある日本スイセン。


石垣のそばにあり気温が上がるため1月半ばくらいから蕾が膨らんでいました。
何時も咲き出す前に助っ人が採って行くのでなかなか開花に至りません。
少し離れた別のところで咲いているのを見つけました。






我が家必須のわら集めを終え秋起こし

2024年11月22日 | 田んぼ

我が家では必須の作業となっているのが稲刈り終了後のわら集めです。
しばらく経ってしまいましたが、秋起こしと併せここに記します。
今年は稲刈り後もしばしば雨が降り乾かず全ての作業が遅れました。
ヒコバエがすっかり伸びてしまいました。


西南暖地ではごく普通に見られる風景ですが、これでは秋起こしにも支障を来します。
わら集めと言っているのはコンバインで刈られ刻まれたわらを収集することです。
かなり遅れたものの10月下旬に田んぼも落ち着いて来たのでようやく取りかかりました。
地味な仕事で手間暇が掛かるためなかなか大変な作業ではあります。
今の時代、わら集めをするならヘイベーラーで一気に行うのがごく普通になっています。
近隣でも手作業でわら集めをするような姿はまず見かけません。
しかし、我が家ではこれをやらないと後々困ります。
集めたわらは堆肥にするだけでなく畑へのすき込み、敷きわら、植え溝など様々に用います。
運搬に使用するのはこの年代物の運搬機。40年にはなるでしょう。


一昨年中古のエンジンに交換し、その後もエンジン不調で修理。その後はまずまずの調子です。
しかし、キャタピラには多数の亀裂があり何時切れてもおかしくない状態。
慎重に扱うしかありません。
今年は大型コンバインのキャタピラ跡があまり酷くないことは幸い。
コンバイン作業の後にはわらがまとまって落とされる所が多数出るので、その周辺を中心に集めます。
稲刈り間もなく助っ人が所々に纏めてくれたので大いに助かります。
今年のように長い間放置すると何度も雨に当たり嵩がぐんと少なくなるのはメリットか。
それでもそのままだとこのように嵩張り、効率が悪い。


そこで荷台に上がりわらを踏み固めます。


何度も荷台に上がり降りして繰り返します。これがなかなかの重労働。筋力運動と思ってやっています。
これを繰り返せばがっちり積み込むことができます。


近くの畑の端に運びます。


ぎっしり3台運びました。


昨年より1台少なくなりましたが、わらがペシャンコになったので実質は昨年と同量はあるようです。
運搬機のスピードが遅く、手作業のため時間が掛かります。飽きもくるのでここで1日目は終了。
2日目は別の田んぼ。


こちらも殆ど同じペースで作業しました。


がっちりと積み込み別の畑の端にも3台。こちらも実質昨年とほぼ同量のわらが集まったと思います。


この外に、助っ人が大きな袋にも集めてくれています。それは種播きの時などに使っています。
我が家の大事な年中行事は今年も無事終了。
わら集めが終われば、次は秋起こしに取りかかります。
コンバインで刈り取られた田んぼでは、刻まれたわらをすき込むのは不可欠の作業です。
これほどにヒコバエが伸びてしまったのはこれまでで一番かもしれません。2番穂が出始めてしまいました。


わらのすき込みは早いのに越したことはないと思います。早い年は10月早々に終えたこともあります。
大型コンバインのキャタピラ跡が酷く雨が降ると水が抜けず年々遅くなってきたような気がします。
作業開始。


ヒコバエが伸び過ぎ、我が家の機械の能力では土の反転が不十分です。


最後に田んぼ周囲の枕地を耕耘。


今年は刈り跡のわだちがそれほどでなく、ロータリーへの泥やわらの絡みつきも少なかったので助かりました。
周囲も作業が遅れています。気温が高いのでどこもヒコバエが伸び放題の田んぼが目立ちます。
ただ耕耘作業はわら集めと違って楽勝。田んぼの中では鼻歌交じりでも出来ます。
他の用事もこなしながらだったので2日がかりにはなりましたが、取り敢えずは終了。
これで田んぼの作業は一区切りつきました。