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里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

プール育苗'25~種播き

2025年04月10日 | 水稲プール育苗

プール育苗の種播きをしました。
プール育苗を始めた当時は多少やり方を試行しましたが、もう20年近くは微調整程度で大きくは変わっていません。
すでに育苗箱はプールに並べてあります。
まず早朝に芽出しをしていた種籾をタンクから引き上げ水を切ります。
その後、ゴザに広げてさらに水気を取ります。


完全に乾かす必要はなく手で播きやすい程度に水分が取れれば大丈夫です。
種籾は前日夕方時点でほぼ芽が出ているのを確認し、さらに一晩経っています。
例年よりは若干短めですが、目標通り100%の芽出しになっています。


無加温育苗のため不安なのは発芽。完全な芽出しの状態になっていれば多少条件が悪くとも発芽不良には滅多になりません。
通常の芽出しは鳩胸程度が目安。器械播きなら完全な芽出しは支障があるかもしれませんが、手播きなので大丈夫。
播種量は1箱当たり乾籾で120~130g。催芽籾で約230CC。
我が家では分かりやすいように1升マスで測ります。それで今年は若干厚めの7箱を目安にしました。
田植え時に植え付け本数のセットを少し減らし育苗箱数を節約することを試行してみることにしました。


種播き前に苗箱に軽く散水します。これは土の表面を僅かに湿らせ播き具合を見やすくするため。


種播きは手作業です。
昔、ハウス育苗を始めた頃は手動の器械を使って種播きから覆土まで終わらせ、そして並べていました。
しかし、プール育苗を始める以前の両親が健在だった30年以上前には並べてから播くやり方に変わっていました。
器械を使うには3人は必要になりますが、手播きなら一人でも可能です。
マスで種籾を測り目安の枚数を少し薄めに播き、その後補正して仕上げるようにします。
この程度で目安の播種量です。


手播きなので箱からはみ出る籾も出ますが気にしません。プールで勝手に芽が出て伸びていますが問題になりません。
これで半分。


途中から助っ人が応援に来てくれました。これで播き方は終了。


次は灌水。
これが最も気を遣います。発芽するまではプールに水は入れません。
発芽が揃いシートを剥ぐようになるまで土が乾かぬように、そしてプールに水が溜まらぬ程度にです。


小生の経験則では、育苗箱の土の表面に水がわずかに浮き出る程度です。


一度掛けで済まそうとすると灌水ムラが出やすい。何度か往復し土に水を馴染ませながら目安の状態にします。
次に覆土。
種もみが隠れる程度が目安です。


これも一度で済まそうとするとムラになりやすい。一通りかけ終わったら補正します。
時間が経つに従い水分が上がり、覆土の薄いところは種籾が見えるようになってきます。
次にシートを掛けます。
まず不織布(ラブシート)。


その上にシルバーポリトウ(80#)。


シルバーポリトウはしっかり密着するようにし、周囲を直管パイプで抑えます。


初めの頃はシルバーポリトウ1枚だけでした。そのため葉焼けの出ることがありました。
不織布(ラブシート)と二重掛けすることで葉焼けのリスクは低減します。
これで一連の種播き作業は終了です。
このままの状態をほぼ1週間保ちます。
以上が我が家流の種播きですが、プール育苗ではそれぞれの条件に応じた様々なやり方が考えられます。

プール育苗'25~育苗箱並べと同時に種籾催芽(芽出し)

2025年04月09日 | 水稲プール育苗

水稲の種播き前日にプールに育苗箱を並べ、同時平行で種籾の催芽(芽出し)を行います。
ハウスの屋根には遮光シートを掛け、好天でも換気はせずに気温を下げるようにしています。


通常は種播きの一連の作業を終わらせてからハウスに育苗箱を並べるのが一般的です。
我が家もハウス育苗を始めた当時はそうでした。しかし、両親が健在だった30年以上前には種播き前に並べるようになりました。
但し、種播き前日に並べるようになったのはプール育苗を行うようになってからです。
作業時間を分散し、翌日の種播きを早めに終えることが出来るので、ハウスの気温を確保しやすい。
高齢者にとっては体への負担が少なくて済むのが何よりです。
過日、土入れを終えた育苗箱はハウスの両妻の空きスペースに積んであります。


より楽に作業が出来るよう育苗箱はプールに近い方の妻側から育苗箱を運ぶようにします。
通路が広く、1列ずつ並べれば良いので楽にできます。


プールの両端は1箱分くらい開けて並べるようにすると、入水や育苗箱を移動する際やりやすい。


プールの枠と育苗箱の間隔は数㎝開けて入水する時の流れを良くします。


通常、育苗箱を並べるのは種播きから覆土まで一連の作業を終わらせてからなので、かなり重く体への負担が大きい。
一方、この方法は乾いた床土厚さ1㎝だけなので軽く、高齢者にも負担が少ない。
但し、灌水をしていないため床土が動きやすいので乱暴に扱うのは厳禁です。
無理せず少しずつ運びます。これで片側に積んである分は並べ終えました。
プールに余裕があったので中央にも空きスペースを設けることにしました。


反対の妻側に積んである育苗箱を並べれば終了です。


育苗箱並べと同時平行して種籾の催芽(芽出し)を行います。
一般的な芽出しの目安は鳩胸程度。しかし、我が家の目安は100%の完全な芽出しです。
我が家は発芽器を用いない無加温育苗。したがって発芽が最も不安で、発芽が揃えば半分は成功と言っていいくらい。
そこで、まず種播きの段階で完全な芽出しをするようにしています。これでかなりリスクが軽減されます。
種播きは器械を用いず手播きのため完全に芽出しをしても支障がありません。
その芽出しも催芽器を持っていないため我流の芽出し法です。
浴室のシャワーに簡単な仕掛けをし、塩ビパイプでお湯をタンクに引き込みます。


引き込み時のタンクのお湯の温度を35℃くらいになるよう設定し、種籾をお湯に漬けます。


育苗箱並べをしながら時折温度を確認し、25℃くらいに下がったところでお湯を入れ替えます。
天候にもよりますが、大概は3回程度。数回と思っていれば間違いはない。


完全な芽出しが目標なので1昼夜半掛けるつもりで段取りしています。
これが我が家の種播き前日の育苗箱並べと催芽(芽出し)の作業です。

プール育苗'25~土入れ

2025年04月07日 | 水稲プール育苗

水稲の育苗箱に土入れをしました。
今年も例年のようにプール育苗です。プールはすでに出来上がっています。
年によってプール作りと土入れは順番が逆になることもあります。
両親健在の頃は作付け面積もさることながら育苗方式が成苗だったため箱数が現在の3倍はありました。
今は大幅に減少したので育苗ハウスの余裕は十分すぎるほど。土入れの作業は全てハウス内で完結します。
なおかつ、プールに運びやすいようハウスの両妻の空きスペースで半々ずつ行います。
事前に育苗箱と培土はハウスに運び込んでおきます。反対の妻側にも同量運んであります。


沢山作る方は土詰めから種播きまで一連の作業を器械で行うのが一般的です。
我が家は僅かばかりなので土入れも全て一人の手作業です。結局やり方は今年も例年同様となりました。
シートを2重に敷き、育苗箱を5枚並べます。


育苗箱の底には紙シートを敷きます。


シートの必要ない育苗箱もありますが、我が家は昔から全く替えていません。
使用しない育苗箱が在庫として沢山残っています。
紙シートは必ず必要で、これも新しいものを購入したことはありません。
昔は培土は自分で土とピートモス、肥料を混合して作っていましたが、かなり大変でした。
今は市販の培土を使っており、作業はぐっと楽になりました。覆土分を含め1袋で7箱半くらいの使用量です。
資材は高くなっていますが、何分老体、やむを得ません。
培土を育苗箱に少し多めに入れます。


ならし板を使って培土を厚さ1㎝に入れます。
プール育苗では培土の厚さが1㎝程度まで節約可能。


これは市販のならし板に細工をして土が少なく入るようにしたもの。


溢れた培土はシートを持ち上げて寄せ、次に並べた育苗箱に入れます。


これをひたすら繰り返します。ほかに名案がなかなか思いつかないのです。


土入れが終わった育苗箱は順次積み上げておきます。


無理のない高さに積み、直射が当たらないよう覆いをします。
さら地震などのリスク回避のため全体を縛っておきます。


反対の妻側でも同様に土入れをし、育苗箱を積みました。


これで土入れの作業は終了。僅かばかりながら老体には疲労感を感じる作業ではあります。


プール育苗'25~プール作り

2025年04月05日 | 水稲プール育苗

プール育苗をするためのプールを作りました。
プール作りの基本は同じですが、色んなやり方が考えられます。専用のシートなども販売されています。
我が家は始めた当初はいくつか試行しましたが、大きな変更はありません。
プール作りは一人でも可能。しかし、二人の組作業なら大幅に作業がはかどります。
今年も助っ人がおります。そのための準備は整っています。


昔よりも育苗の枚数が大幅に減ったためハウスは利用しない部分の方がはるかに多く余裕ありすぎです。
そのかわり、通路を広く取り育苗箱2枚が並ぶ幅にプールを作るので作業は非常にやりやすい。
まずプールの位置に黒ポリマルチを張ります。
黒マルチをしないと草が生え出すので必須です。専用シートを利用するなら必要ありません。
我が家の場合、幅135㎝の黒ポリマルチがピッタリです。そのため両端の位置を決め引き延ばせば計測や目印の必要がありません。
これまでのマルチが張られた跡も残っているのでそれからも張る位置がほぼ分かります。
引き延ばした後、手前から二人で黒ポリの両側を適当な間隔に丸皿付きピンで止めていきます。


中央と両サイドの通路は約60㎝になるので一輪車が通れ、作業もしやすい。
次にプールの枠になる抜き板を立てます。
まず大まかに抜き板を配置しておきます。


黒マルチに合わせて抜き板を立てるとプール幅にピッタリです。


丸皿を外したマルチ止め用ピンで抜き板3カ所に刺して枠を立てます。


この枠の立て方は非常に効率が良く。我ながらヒットと自賛しています。
ピンも短期間の利用なので20年近く経っても殆ど変わりません。
次に透明ポリシートを2枚敷きます。ポリシート1枚では傷が付くと水漏れの心配があります。
以前は使い古しの透明ポリを下敷きにしていましたが、今は2枚とも新品にしています。
面倒でなく安心なので多少の出費増はやむを得ません。
ポリシートはマルチ用ポリではなく厚さ0.03㎜のトンネル用ポリを使用します。
この枠には幅が180㎝のポリシートがぴったりです。
まず1枚目を引き延ばし、手前から両側で所々を洗濯ばさみで仮止めしておきます。


その上にもう1枚同じ透明ポリシートを引き延ばし2重に敷きます。
仮止めの洗濯ばさみははさみ直します。


さらに透明ポリの周りを直管パイプで押さえ動かないようにします。


これでプール作りは完了です。


現在の方法にしてから20年近く殆ど変わっていません。
資材の選択や作り方は応用範囲が広いので、それぞれの条件に合わせ工夫することが可能です。


プール育苗'25~プール作りの準備

2025年04月04日 | 水稲プール育苗

今年も水稲の苗作りはプール育苗です。
父が逝き母も亡くなって20数年。小生が勤め人稼業との二足のわらじを履き続けることが出来たのは助っ人たちの協力があったからこそ。
そして、技術的にはこのプール育苗が大きく貢献しています。
通常の育苗は日中のハウスの開閉や灌水が必須。ハウスを見る人間がいないのはあまりに危険というもの。
プール育苗はそのリスクを大きく軽減出来る唯一の技術と思っています。
昔からみると育苗する数も大幅に減少しました。それでもプール育苗を始めた頃は現在の倍近くありました。
当時は周囲にプール育苗をやっている方はいませんでした。今は多数派になり、小生も多少寄与できたかもしれません。
まず、プール作りの準備です。
プール作りは一人でも可能です。しかし、二人でやれば楽に出来かつ作業時間も半減以上。
そのため助っ人の応援を得るまでの間に、準備万端整えておくようにします。
ハウスは開放せず、気温が上がるようなら屋根には日よけ用の遮光シートを掛けます。
雪害対策用の支柱を外し、ハウス内を整地します。
雑草防止と均平を保つために黒マルチを張ったままにしているので、これを剥がします。

抜いたマルチ止めのピンはすぐ再利用します。


黒マルチの効果は大きい。しつこいのはスギナ。僅かに芽が出てきました。


プール育苗では均平にすることが一番大事です。
この場所は長年プール育苗専用にしているため、大きく調整する必要はなくなっています。
当初は10㎝以上の高低差があったので、2、3年は水糸を張り均平をとりました。その後は微調整をする程度です。
高低差が2、3㎝内に収まれば大丈夫。難しい場合はあまりプールを長くせず小さく区切ればやりやすい。
前年の水を張った時に高低差をチェックしておき、多少の微調整をしています。
2年ほど前、竹の根が張り出し掘り上げたため今年もその周辺を確認し調整が必要です。
部分的なので水準器で確認しながら均平を図ります。

ならしました。


あとは全体をレーキを用いて凹凸をならす程度です。


最後にほうきで掃除し、整地は終了です。


プールを作る基本は同じ。色んなやり方が考えられるので、それぞれの条件に合わせて作れば良いと思います。
我が家の場合はほぼ使うものは固定しているので事前に資材をチェックし、必要なものを補充します。
1、プールの枠を作る抜き板(昔から在庫としてあったもの)問題なし
2、プールに敷く透明ポリ(厚さ0.03㎜、幅180㎝、長さ100m)在庫あり
3、マルチ用黒ポリ(厚さ0.02㎜、幅135㎝、長さ200m)購入し補充
4、マルチ止め用丸皿付きピン(張りぱなしの黒マルチから抜き再利用)一部交換 在庫あり
5、木枠を止めるマルチ止め用ピン(丸皿を外したもの)問題なし
6、ポリシートの仮止め用洗濯ばさみ 在庫あり
7、ポリシートを抑える直管パイプ(解体したパイプハウスの古材) 問題なし







3年ほど前まではプールの下敷きにする透明ポリ1枚を使い古しの透明ポリにしていました。
洗浄や乾燥に少々手間取るので助っ人達の手を煩わせないよう今は全て新品を使うようにしています。
今年はマルチ用の黒ポリを購入した以外は在庫からの補充だけで間に合いました。