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本日のなかじま●寒波の中にも春の気配♪

女社長のストレス解消、大好きなパーティがまさかの「お料理教室♪」に発展です。

消えゆく、路地と人の文化

2005年01月26日 | 本日のイッピン
最近は近隣の古くからある住宅やアパートが次々と取り壊されたあと
申し合わせたように駐車場にかわっています。

そんな中で、事務所の近くの小さな一方通行の小道には、
ここが街の中心地にあるとは思えないような、古いアパートや民家が並んでいるのです。
このあたりだけは、高度成長期のはざまで、時間がゆっくり過ぎてきたような
とても懐かしく、温かな営みがあるので、毎日の自転車通勤路にさせてもらっています。

今はとても寒い季節なので、あまり多くは見かけませんが
向かいの古いアパートの住人が、路地をはさんだ家の奥さんと、よくあれこれと世間話をしていたり
洗濯物を干しながら、今日のお天気とか、三軒隣りのおばあさんの風邪の具合がどんなだとか
自作のお惣菜をやりとりしたり、窓を開け放した仕事場で作業の手を動かしながらも
ご近所との世間話には参加している・・・・

私はその脇を通り過ぎながら、自分が子どもの頃のことを思い出します。
今よりはみんな貧乏だったけれど、ご近所、周辺には、丁度この路地のように
あったかぁ~いものがあふれていたのを、子ども心に感じたものでした。

収集日でもないのに、ゴミを放り出したままの住人はいないし
誰かが置き去りにした缶コーヒーがいつまでも残されることもなく
いつもだれかれとなく、朝に夕に掃除をよくしているし
路地の両側にのわずかなスペースには、年中季節の草花が手入れされて咲いています。
(今は冬でちょっと寂しいけど、春にはきっと花盛り・・・・・

住人たちが部屋に閉じこもっているなんてことも少ないので
いつもこの道を行き交う私でも、この辺の人の顔はしっかりよく覚えてしまいました。

つつましいけれど、優しく、豊かな生活がここにはあって
暮らし振りや、収入や、地位などとではない、人の心の交流が残されているのです。

でも最近はすっかり高齢化が進み、古いアパートが一つ、また一つと取り壊されていき
丁度野生動物の生態系の大切なエリアが、虫食い状態で消えてゆくのとそっくりに
幸福な笑顔が、一つ、また一つ切り捨てられていくような気がしています。

この路地から、そんな光景が消えてゆくのと反比例するように
テレビや新聞で、人の心が寂しく凍ってゆくようなニュースが増えているような
そんな気がしてなりません。 

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