高知の雨は、香川の水・・・

昨日も今日も、２日続けて、朝からドシャブリの雨です。
でも、これでカラカラ状態の四国の水がめ早明浦ダム の貯水率も少しはアップしたか・・・・と思い、 香川県の四国新聞のホームページをのぞいてみました。

８月１９日２０:００現在で、わずかに０.４％。
でもま、その前までは０％だったのですから、まさに恵みの雨ですね。

あっそうそう、他県の方のために少し説明しておきましょうね。
早明浦ダムは、ちょうど四国の真ん中、高知県長岡郡本山町 にあるのですが、その水はむしろ高知県よりも、瀬戸内の香川県や徳島の生活用水としての依存度が非常に高い、重要な存在です。

だからダントツの占有率を持つ地方紙四国新聞が「早明浦ダム特集」を組んで、“毎日の貯水量速報”をトップページに掲載しているのです。
(ちなみに高知新聞にはあありません。)

ところが、このところ非常事態ともいえる渇水状態が続き、いやがうえにも人々の注目が集まるのは分かるのですが、早明浦地域の住民にとっては怒りの日々が続いています。

それは、香川ナンバーの車が連日、早明浦ダム周辺にやってくるのですが、その後にお弁当などのゴミをたくさん残していくのです。

地域の人々にとっては、香川県の生活用水のために、住み慣れた町や、先祖からの家や畑をダム湖の底に沈められた、と言う想いは今も決して消えてはいません。
例えば、渇水のたびに全国放送でよく使用される早明浦ダムの風景は、大川村の役場ですが、地域の人たちにとっては、その人たちの故郷、かつて暮らしていた町の残骸そのものなのです。

何年か前、この早明浦ダムのことについて高知県内に住む大川村出身の女性の投書が掲載されて、反響を呼びました。大川村は、四国でも特に過疎化の著しいところで、香川県の人たちのために故郷が沈んだのに、その恩恵を浴している人々の関心があまりにもなさ過ぎるのではないか・・・といったものだったと記憶しています。

それをきっかけに、香川県の人たちと、早明浦地域との交流が始まり、植樹や間伐による水源地の手入れなど、森を守る活動にまで発展しています。

けれども一時の関心事として、自分たちの命の水をてい起用してくれている地域への敬意の気持ちは、再び薄れ始めたのか、早明浦ダムの周辺の人たちは、渇水見物の香川ナンバーの車が残してゆくゴミの残骸に怒りさえ感じているのです。

この水源は『あなたたちの命の水』なのではないのか！と・・・・・。