発行は平成20年3月、今から5年前の作品。
読んでいるところ。
朝の美しさと書いて朝美。冬子という母の妹がいた。
冬子さんは静岡市の高校生だった。1980年代前後の高校生群像が冬子さんの日記に物語。
平成20年当時、24歳だった朝美は30年前の冬子さんの日記を発見して驚く。
30年前の高校生群像とは、朝美にとって、ひと昔だった。
読んでいたわたしはそこに驚嘆した。
わたしが高校3年のときは、さらにそこから10年前の1970年前後だったから。
朝美からみれば40年前。
小説のドラマツルギーとは、読者をどれだけだましながらエクスタシーにもっていくかだと新鮮に感じた。
1980年5月、韓国で光州蜂起、2千名の光州市民が韓国軍隊によって虐殺された。
1960年代後半からの韓国民主化闘争とはすざましい。
民主主義への希求は、金芝河詩集によって立ち上がっていた。
あの暗く絶望の1970年代とは日本の青春群像でもあったが
どれほど金芝河詩集から励まされ勇気を与えられたのか。
わたしは「五十嵐貴久 FOR YOU 」を読んでいるところ、それは読書の過程。
金芝河詩集 黄土への道 が
熱帯の貧しきアパート地熱から轟いてくる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます