森川成美さまの新刊、新日本出版社の「こんな部活あります」シリーズ、「生物部」です。
姉が通っている進学校の中学受験に落ちて、大学までストレートの神坂学園中学校に入学した里山あかね。
医学部推薦があるからとこの中学に入学した弓削さん、元飼育係で生き物好きな石川さんと、3人で生物部に入ることに。
ところが上級生はおらず、卵から杯の標本を毎日作る指示だけだして、顧問はとつぜんアメリカに渡ってしまう。
代わりに担当になったトモちゃん先生は生き物に触れないし……
なんとも波瀾万丈な生物部。
しかも、弓削さんと石川さんはケンカするし、天才ピアニストの西口くんは合唱部の指揮者とケンカして生物部に逃げてくるし。
どうなることかと、本を読み進めるのを止められなかった。
そして、わかるわかる!と納得のラストで。
読ませるなあ、森川さま。
森川泉さまの絵も、ぴったりだし(目次の下の絵がとんでもなくかわいい)。
・お母さんがコミュ障の医者だけど医者になろうとしている弓削さんのキャラ好きだなあ。
・カエルの卵とサンショウウオの卵が成長する描写が秀逸(森川さま育てたのかな)。
・「うちのおかあさんは、金魚は表情がないって、きらいなんだ」というあかねの言葉、なんかいい。
・「ピアノ協奏曲はオーケストラと指揮者がチームを組んで、ピアニストと対決しているみたいなものなんだ」という西口くんの言葉がすごい。
・正しいことが大事な人と、気持ちが大事な人。永遠に話が噛み合わないのかもと思うのに、みんな夏休みも世話に来ているのがいい。
・みんな違う感覚で世界を見ているんだから、一緒の考えになることはないというあかねの言葉に強くうなずいた。
・「違う道筋をたどって成長するカエルとサンショウウオ」、そうか、人だってみんなそれぞれだものね。
「生物部」なんだけど人が深く描けていてやっぱり「文学」だよなあと思った。
森川成美さま、ますますのご活躍を!
昨日は診療は忙しくなかったが、連絡あれこれが忙しかった。
やっぱり新年度なんだなあと。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)