とんぼ先生こと、沢田俊子さまのノンフィクション。
療育センターで読んでうるうるしてしまいました。
3歳まで言葉がなく、13もの幼稚園・保育園の入園を断られた深津類くん。
受けいれてくれた幼児学舎-子どもライブラリーの園長先生から、はじめて「自閉症」と言われますが、
各種診断を受け中度の遅れの自閉症とわかった上で、類くんを預かり見守ってくれることになりました。
なんとか小学校に入ると、てっちゃんという友人ができます。
てっちゃんが大好きでなんでもてっちゃんと一緒にやっているうちに、家に泊まりにきたてっちゃんと会話していることにお母さんが気づきます。
普通学級と特別支援学級を行ったりきたりしていましたが、
小学校六年生はクラスの友人の手助けもあって、普通学級だけで過ごし、
中学校もなんとか普通学級に入れてもらいますが、ひどいいじめを受けることに。
いじめを終息させたのは、てっちゃんたち友人の力でした。
塾に通い、先生たちの協力もあって、IQ61の類くんは公立高校に合格します。
高校生の時の乗馬体験が、類くんをさらに飛躍させます。
ぎりぎりの成績で高校を卒業し、類くんは長期アルバイトとして乗馬クラブに採用されます。
そして、知的障がい者の乗馬大会で賞をたくさんとるようになり。
今は知的障がい者のオリンピックである、スペシャルオリンピックス・世界大会を目ざしているのです。
療育センターや外来や健診の場面でも、類くんのような自閉症のお子さんをたくさんみてきました。
でも、類くんのように、ぎりぎりのところをクリアして、羽ばたいている子は見たことがありません。
お母さん、お父さん、妹さんをはじめ、友だちや教師など、多くの人が類くんを輝かせてくれたのだなあと思います。
自閉症についての記述の部分、とんぼ先生に草稿を見せていただきました。
私が思うところを、さらりとお伝えしただけなのに、先生は正確にわかりやすい記述にされていて。
そして、たくさんご本を送ってくださいました。
診察の空き時間に読んでいて、目頭が熱くなってしまいました。
隣で入力作業していた医療クラークの方が、
「先生、花粉症ですか?」とティッシュの箱をくださいましたが、
「いいえ、ノンフィクションの本で感動してしまって」と答えて。
杉の子病棟にも持って行きました。
自閉症のお子さんを持つ親御さんに、ぜひ読んでもらいたいです。
きっと勇気をもらえるはず。
とんぼ先生、すてきなノンフィクションのご上梓、おめでとうございます!
読んだものがずんずんしみ込む気がする。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)