水瓶

ファンタジーや日々のこと

横浜人形の家・クロースドールやぬいぐるみたち

2016-02-09 09:05:22 | 横浜人形の家
おーい 重いようー よっかからないでくれよーう

とでも言いたそうなハリネズミくん。
ていうかハリネズミによっかかったら痛そうだけど、サルくんは平気の平左のようす。

横浜人形の家、常設展の方でも入れ替えがあったようで、目についたものを少し。
今回は外国の人形たちです。


ちょうど入口から入った所にある、丸いコーナーの展示です。
ここも時期ごとに替わっていて、今はヨーロッパのクロースドール(cloth doll?)とぬいぐるみたちのようです。
正面から見た時はハリネズミくんに気がつかなかったんですよね。
このおサルさんたちも表情など細かい所まで本当によくできていて、感心してしまいます。
ドイツだからマイスターが作ったんでしょうか。


スキットルズ。これは猫かなあ。まさかイタチとか?
スキットルというのはボウリングの元になったゲームだそうで、こんな風にボウリングのピン状に並べたスキットル人形を、
雑貨屋さんなんかでも時々見かけるようになりましたね。実際に倒して遊ぶというより、飾って楽しむ感じでしょうか。


布製の人形だと、陶器製や木製よりも、肌が柔らかくあたたかく感じられますね。洋服もかわいいなあ。


上の女の子の足下にいたのがなぜかアシカかオットセイ、いや、あごひげがあるのはアザラシか。
ねえねえボールちょーうだい!とおねだりの図?


これは男の子が連れているクマ車なんですが、男の子が一緒に写った写真はボケてしまったので。。
セーターの柄もいいですね。

そういえば1960年代頃にドイツに住んでいた方が、ドイツの男の子はいつも同じ革の半ズボンをはいてるんだけど、
あれ洗ってるの見たことないのよねえと言ってました。時々外に干してはたくぐらいで。
子どもだからひどく汚れそうな気がするけど、革ならそれで大丈夫なんでしょうか。謎。


スキー板をはいたおじょうさんとペンギンたち。このコーナーで、この娘さんだけイタリアでした。
シニョリーナだっけ?・・・えー、昔チッチョリーナさんていませんでしたか。


しかしこのスキーウェアのデザインいいですねえ。さすがイタリ~ア!


オリンピックのマスコットドール。いつも展示してあるんですけれど、なんかよく撮れたので。
右のクマくんは、幻のモスクワオリンピックのマスコット、こぐまのミーシャです。
これは私もよく憶えてまして、コマーシャルですごくかわいい金髪の女の子が、このミーシャを抱っこして出てたのです。
ミーシャもオリンピックのマスコットなのにとてもかわいく(けっこう微妙なの多いですよね……)、
ぬいぐるみ欲しいなあと思ってたんですが、なんだかの国際事情で西側諸国のボイコットとなってしまったのです。
うーん、でもあの頃と今とだと、なんかあの頃の方が平和だったような気がするなあ。。。
一触即発で第三次世界大戦勃発すれすれの危機とかあったらしいんですけど、まだ子どもだったし、
なにせ「冷戦」でしたから、その時はピンと来なかったんですよね。。。
後に「エロイカより愛をこめて」で勉強しましたが。おっかないこぐまのミーシャ!

左は旧ユーゴスラビア(現ボスニア・ヘルツェゴビナ)でのサラエボオリンピックのマスコット、ブチコくん。
オオカミがモデルだそうです。
・・・あっ、この大会でイギリスのトービル・ディーン組が伝説的なボレロで金メダルとったんだった!
アイスダンスの歴史を変えたプログラムだったんですよ。よっく憶えてます。
アイスダンス見て初めて面白い!と思ったんです。
今見るとそれほど衝撃的に感じられないのは、これが今のアイスダンスの主流になっているからです。たぶん。


私はこの人形を見ると、うあ~前に立って黒板に答え書かされて拷問だ~と思うのですが、
森のなかまは昔読んだドーデの「最後の授業」を思い出して、ちょっとうるうる来るそうです。
私は読んだことないんですが、wikiのあらすじ読むとよさそうですね。ふうん。。。


アフリカのコーナーで目についたものをいくつか。新しいのもあれば、前からあったのもあると思うんですが、
配置換えで結構違って見えました。こちらはエチオピアの人形。


エジプトの、これはクジャクかな?なんとなく北アフリカの色彩。
アフリカ大陸も広いから、地域によって気候も環境も大きく違うし、そういうものが自然と人形のデザインに表れるんですね。


けっこうびっくりして国名見忘れたお面。インパクトありますね。でもわりと現代的な感じ。。
怖さが違うのだ。いいですか。本当に怖いのは


・・・うええ、夢に見そう。なんかもうここまで来るとセンスとか関係ないですね。。
カメルーンの呪術に使われる人形だと説明がありました。さもあらん。
シャーマンのような妖怪のような宇宙人のような。ムーが大好きそうというか。

でも、ひな人形も桃の節句という儀式に必要とされる人形だし、このカメルーンの人形と作られた動機は近いんですよね。
去年、柳田國男展でオシラサマの現物を見たんですが、あれもけっこう怖いです。
ただ素人が大ざっぱに目鼻を彫っただけの木ぼっくれだったりするんですが、そういう最低限の加工だからこそ、
なぜ人間が人形を作るのか、の理由がむき出しになってる気がして。
その理由はうまく言葉にできないんですけど。。。
時代が進むにつれ、そのむき出した何かに段々と肉がつき、洗練され、美しさやかわいさが先に目につくようになったけれど、
いまだにその隠れた理由が薄まりこそすれ健在だと思われるのは、人形には、他とはちょっと違う物の感じがあるからです。
でも私が怖さを感じるのは、理由よりも、人形を作った人たちや人形で儀式的なことをした人たちの、
真剣さや必死さに対してなのかも知れません。

宮本常一さんがアチックミュージアム(日本常民文化研究所)にいた頃、部屋の片隅に箱があって開けてみると、
東北地方で集められたオシラサマがいっぱい入っていて、これは何だと同僚に聞くと、
その人形が何重にも重ねて巻いている布をはぐと呪われるって言われてるんですよ、と言われたそうです。
オシラサマには、毎年一枚ずつ布を重ねて着せてゆく風習があるんですね。
どうやらそんなわけで、なんとなくその箱はほったらかしにされていたようなんです。
そこで宮本さんが布をはいで調べてみたら、この布に大変貴重な資料的価値があったことがわかりました。
三、四百年も前から、手に入る一番良い布の端切れを巻き付けて来たものだから、その時々の繊維事情がわかるというわけで。
いわく通り宮本さんが呪われたかどうかはわかりませんが、でも民俗学ってのがそもそも、
呪いを解くためにやるみたいな面はある気がしますね。もともと呪われてるんじゃい。


怖いでしめるのもなんなので。南アフリカのビーズで作られた人形です。
ユーモラスで楽しい感じですね。ちょっと真鍋博さんのイラストっぽいかも。
なつかしい未来派。うん、ほっとするなあ。

次の日本の人形の記事で、今回の横浜人形の家の記事はおわりです。
しかし人形の話にはついつい熱が入ってしまいます。


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