片山修のずだぶくろ Ⅰ

経済ジャーナリスト 片山修のオフィシャルブログ。2009年5月~2014年6月

次世代環境車の現状と将来 ④

2013-07-17 14:16:18 | 自動車関連

燃料電池車の普及に向けた、大きな課題はコストです。

メーカー各社は、課題克服に向けて必死です。
前述したように、燃料電池車の製造コストは、
02年当時、1台1億円以上といわれていました。
水素と酸素の触媒として使う白金の使用量を
劇的に減らすイノベーションによって大幅に下がりました。
今後、素材分野や触媒の塗布技術、燃料電池製造装置や
水素貯蔵システムの低価格化など、
さらに、コストを下げるためのイノベーションが求められます。
目下の目標は、500万円台といわれています。

また、ユーザーの使い勝手を高めるための革新も必要です。
例えば、エネルギーの変換効率を高める。
航続距離を伸ばす。水素の充填時間を短くする。
耐久性を高める。システムをよりコンパクトかつ軽量にする等々。
燃料電池に必要な技術要素はたくさんあり、
取り組むべき課題は山積しています。

燃料電池車の開発をめぐり、トヨタと独BMW、
日産と独ダイムラーと米フォード、さらにホンダとGMと、
大手メーカーの合従連衡開が進み、開発競争は佳境に入ったといえるでしょう。
今後、どの連合が主導権を握るのか。
ホンダは、15年に単独で発売予定だった燃料電池車についても、
GMの技術を取り入れ、前倒しで協力を進めるといいます。

ホンダ常務執行役員の福尾幸一さんは昨日、
GMとの契約にこぎつけた背景について、こう語りました。
「お互いのすべての技術をテーブルに出して自由に使う。
エンジニアは、隠し事なく全部技術を出す。
これを守れば、契約はうまくいくという認識を共有している」

今後、燃料電池車をめぐるメーカーのアライアンスのあり方は、
開発だけでなく、調達や生産などにおいても協業するなど、
さまざまな方法が考えられるでしょう。

連合内でゴタゴタせず、いかに協力して効率よく開発を進められるか。
勝敗のカギの一つになるのではないでしょうかね。

究極の次世代環境車、燃料電池車の普及は、いまや、
かなり現実味を帯びつつあることは確かといえるでしょうな。<o:p></o:p>

 


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