胸部大動脈の2段階手術が久しぶりにあったので、それに参加。
AKHでは何故か大動脈の手術数が少ない。興味のある自分には貴重だ。
いつも通りG教授と若手のM教授の手術で、自分は第二助手としてなので参加というか実質的には見学だが。やはりこの手術をみると、非常に低侵襲であり価値がある方法だと思った。終わりになると、午後はROSSをやるからそれにも来ないかとG教授に誘われた。Yesだ。
午後に手術室に行ってみると、既にG教授は一人で開胸していた。M教授が何故か来ないため自分と二人での手術となった。突然の大役という感じで戸惑ったが、自分にとってはかなり良い機会だ。
S教授のROSSには何度か参加しているので多少は分かっているつもりであったが、これが大違い。やはり執刀医によりかなり違う。剥離の仕方も吻合の手順も、特に好みも。
普段から若手に厳しく指導しているG教授だけに、さすがに厳しい。自分にとっては初めて助手をするから分からないことだらけ。特に好みが。しかも手順の多い手術であるためなおさら大変。もう一人助手がいればかなりラクになるのだが。もちろん彼もそれは承知だから、「俺はこのやり方が好みだ」と吻合ごとに教えてくれのだが、やはり最初は馬が合わずに大変だった。辛うじて後半は何とか無難にこなせた。
相当短気で、気むずかしい先生かと思ったが、一緒に手術をすると非常に慎重で謙虚な手術をする先生だということが分かったのが嬉しかった。手術は成功し彼はありがとうと言って去って行った。かなり心地よさそうだった。
この先生のやり方はかなり慎重と言うか何処か日本人ぽい。
S先生は大動脈の吻合を完成させてAo cross clampを解除後に肺動脈を再建する。従ってAo遮断時間は非常に短いが技術的にはやや難となる。一方G先生は大動脈基部、肺動脈再建、最後に大動脈末梢側吻合してからの遮断解除となる。つまり見やすい順に全ての吻合を終了してから解除するので、時間は長くなる。しかも基部は2重に吻合する。肺動脈グラフトの採取もかなり異なる。S先生はハサミで、後戻りなく採取する。これはいいと思った。しかし熟知していないと真似出来ない。一方、G先生は電気メスを使用する。しかも色々な方向から確かめながら切る。確認することは良いと思う後戻りが多いし、電気メスで中隔枝を避けることが容易なのかが疑問であった。切開線も弁輪からやや離れているため剥離面が非常に大きくなる点と、横切る冠動脈枝が多少異なってくるようにも見える。縫い代が大きくなるので安心ではあるが、この点は経験の差であるのか。
ホモグラフトも異なる。S先生は理想的なものが得られない場合は入手可能なものを使っていたが、G先生は肺動脈ホモグラフトの使用にこだわっている。これは遠隔期の成績に重要である。一方、S先生はauto graftの吻合部の口径差を非常に注意を払い、厳密に測定し適合させる。術後の弁不全予防に重要であるが、この点も異なっていた。
いずれにしても面白かった。なんとか彼の助手が出来たことは多少の自信になったかもしれない。
AKHでは何故か大動脈の手術数が少ない。興味のある自分には貴重だ。
いつも通りG教授と若手のM教授の手術で、自分は第二助手としてなので参加というか実質的には見学だが。やはりこの手術をみると、非常に低侵襲であり価値がある方法だと思った。終わりになると、午後はROSSをやるからそれにも来ないかとG教授に誘われた。Yesだ。
午後に手術室に行ってみると、既にG教授は一人で開胸していた。M教授が何故か来ないため自分と二人での手術となった。突然の大役という感じで戸惑ったが、自分にとってはかなり良い機会だ。
S教授のROSSには何度か参加しているので多少は分かっているつもりであったが、これが大違い。やはり執刀医によりかなり違う。剥離の仕方も吻合の手順も、特に好みも。
普段から若手に厳しく指導しているG教授だけに、さすがに厳しい。自分にとっては初めて助手をするから分からないことだらけ。特に好みが。しかも手順の多い手術であるためなおさら大変。もう一人助手がいればかなりラクになるのだが。もちろん彼もそれは承知だから、「俺はこのやり方が好みだ」と吻合ごとに教えてくれのだが、やはり最初は馬が合わずに大変だった。辛うじて後半は何とか無難にこなせた。
相当短気で、気むずかしい先生かと思ったが、一緒に手術をすると非常に慎重で謙虚な手術をする先生だということが分かったのが嬉しかった。手術は成功し彼はありがとうと言って去って行った。かなり心地よさそうだった。
この先生のやり方はかなり慎重と言うか何処か日本人ぽい。
S先生は大動脈の吻合を完成させてAo cross clampを解除後に肺動脈を再建する。従ってAo遮断時間は非常に短いが技術的にはやや難となる。一方G先生は大動脈基部、肺動脈再建、最後に大動脈末梢側吻合してからの遮断解除となる。つまり見やすい順に全ての吻合を終了してから解除するので、時間は長くなる。しかも基部は2重に吻合する。肺動脈グラフトの採取もかなり異なる。S先生はハサミで、後戻りなく採取する。これはいいと思った。しかし熟知していないと真似出来ない。一方、G先生は電気メスを使用する。しかも色々な方向から確かめながら切る。確認することは良いと思う後戻りが多いし、電気メスで中隔枝を避けることが容易なのかが疑問であった。切開線も弁輪からやや離れているため剥離面が非常に大きくなる点と、横切る冠動脈枝が多少異なってくるようにも見える。縫い代が大きくなるので安心ではあるが、この点は経験の差であるのか。
ホモグラフトも異なる。S先生は理想的なものが得られない場合は入手可能なものを使っていたが、G先生は肺動脈ホモグラフトの使用にこだわっている。これは遠隔期の成績に重要である。一方、S先生はauto graftの吻合部の口径差を非常に注意を払い、厳密に測定し適合させる。術後の弁不全予防に重要であるが、この点も異なっていた。
いずれにしても面白かった。なんとか彼の助手が出来たことは多少の自信になったかもしれない。
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