特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

実験結果からのローレンツ変換の導出

2023-04-06 01:55:55 | 日記

1、ローレンツ変換の導出

ローレンツ変換は特殊相対論の根幹をなすものです。

そうしてそのローレンツ変換の導出法にはいろいろなやり方がある事は: https://archive.md/rwDPy :  http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?topic_id=4090#post_id29088 :で示しました。

ここではそれらに加えて実験結果からローレンツ変換の導出が出来る事を示しておきます。

と言うのも、それまでのローレンツ変換の導出は何らかの前提条件を設定し、それを基にして行われていたからです。

それで、ここで示すものはそうではなくて、客観的な事実としての実験結果からローレンツ変換が出てくることを確認しておきます。

さてそれは言いかえますれば「前提条件なしでの我々の宇宙を支配している変換則の観測と検証」という事になります。



2、ケネディ・ソーンダイク実験

ういき(英語版)から以下引用。: https://en-m-wikipedia-org.translate.goog/wiki/Kennedy%E2%80%93Thorndike_experiment?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=sc :

『1932 年にロイ J. ケネディとエドワード M. ソーンダイクによって最初に実施されたケネディ - ソーンダイク実験は、特殊相対論をテストするマイケルソン - モーリーの実験手順を修正したものです。[1]

修正は、古典的なマイケルソン・モーリー (MM) 装置の一方の腕をもう一方の腕よりも短くすることです。

マイケルソン・モーリーの実験では、光速は装置の向きに依存しないことが示されましたが、ケネディ・ソーンダイクの実験では、異なる慣性系における装置の速度にも依存しないことが示されました。

時間の遅れを間接的に検証するテストにもなりました– マイケルソン・モーリーの実験の否定的な結果は長さの収縮だけで説明できますが、ケネディ・ソーンダイクの実験の否定的な結果は、地球が動き回っている間に位相シフトが検出されない理由を説明するために、長さの収縮に加えて時間の拡張が必要です。太陽。

時間の遅れの最初の直接確認は、 Ives-Stilwell の実験によって達成されました。

これら 3 つの実験の結果を組み合わせて、完全なローレンツ変換を導き出すことができます。』



3、アイヴス・スティルウェル (Ives-Stilwell) 実験

ういき(英語版)から以下引用。: https://en-m-wikipedia-org.translate.goog/wiki/Ives%E2%80%93Stilwell_experiment?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=sc :

『Ives-Stilwellの実験では、光のドップラー シフトに対する相対論的時間膨張の寄与がテストされました。[1] [2]

結果は、横ドップラー効果の式と一致し、時間遅延係数の最初の直接的な定量的確認でした。

それ以来、多くの Ives-Stilwell タイプの実験が精度を上げて実行されてきました。

マイケルソン・モーリーとケネディ・ソーンダイクの実験とともに、それは特殊相対性理論の基本的なテストの 1 つを形成します。[3]

相対論的ドップラー効果を確認する他のテストは、メスバウアーローター実験と現代のアイヴス・スティルウェル実験。』



4、実験結果からのローレンツ変換の導出の年表

歴史的な状況を確認しておきましょう。

1887年 MMの干渉計の実験結果の発表:アルバート・マイケルソンとエドワード・モーリーによって行なわれた光速に対する地球の速さの比 (β = v/c) の二乗 β2 を検出することを目的とした実験(注1)

1889年 ジョージ・フィッツジェラルド(1889) ローレンツ短縮仮説

1892年 ヘンドリック・ローレンツ(1892) ローレンツ短縮仮説

ローレンツ短縮仮説は、マイケルソン・モーリーの実験の否定的な結果を説明し、静止エーテルの仮説を救うためのもの。

1905年 アインシュタインの1905年の特殊相対性理論の最初の発表

その後、アインシュタイン (1907) は、観察者に対して動いている光源から到達すると知覚される光の相対周波数の測定に基づく実験を提案し、時間の遅れによる追加のドップラー シフトを計算しました。[5]この効果は後に「横ドップラー効果」(TDE) と呼ばれました。ーー>アイヴス・スティルウェル 実験で検証された。

1932年 ケネディ・ソーンダイク実験 長さの収縮と時間の遅れの両方を確認

1938年 アイヴス・スティルウェル 実験 横ドップラー効果の測定



さてういき「ケネディ・ソーンダイク実験」によれば

『相対性の重要性
1905 年にアンリ ポアンカレとアルバート アインシュタインは、ローレンツ変換が相対性原理を満たすために群を形成しなければならないことを示しました (ローレンツ変換の歴史を参照)。)。

これには、長さの収縮と時間の膨張が正確な相対論的値を持っている必要があります。』

とありますが、これは

1887年 マイケルソン・モーリーの実験

1932年 ケネディ・ソーンダイク実験 長さの収縮と時間の遅れの両方を確認

1938年 アイヴス・スティルウェル 実験 横ドップラー効果の測定

の3つの実験により実際に観測され達成された、という事になります。



5、まとめとして

以上の事からローレンツ変換則は客観的な存在として我々の宇宙に存在している変換則である、という事が言えます。

そうしてこのローレンツ変換から「光速は不変である」という観測結果が出てくることはすでに指摘してきた通りです。

そうしてまたこの変換則からローレンツ短縮と時間の遅れも出てくるのでした。



さてそうであれば時代が今に至りてこのローレンツ変換を基礎として時間の遅れについての検証実験を検討する事は理にかなっていると言えます。

そうしてまたそのような事はアインシュタインが特殊相対論を発表した当時には不可能な事でありました。

したがってアインシュタインはトップダウン宣言として

・光速不変

・全ての慣性系は平等

を掲げて特殊相対論を構築したのでした。


追伸:蛇足ながらローレンツ変換が不変に保つものを示しておきます。

・光速  

・固有時

・2つのイベント間の相対速度

これ以外にもローレンツ不変量はありますが、時間の遅れの考察に関係するのはこんな所かと。


追伸の2:「時間の遅れはお互い様」論争

この論争は根が深いものがあります。

そうしてそのような論争を生む、おおもとをたどっていくとローレンツ変換とアインシュタインの「全ての慣性系は平等である」宣言に行き着きます。

加えて「光に対してのローレンツ変換の実在性は本当に確かなものである」と言う事は歴史が証明しています。

しかしながら「時間の遅れはお互い様」を証明した実験はありません。

それどころか状況証拠は「時間の遅れはお互い様ではない」を支持しています。

さてこの100年をこえる論争、どのように決着がつくのでしょうか?

要注目であります。



PS:相対論・ダークマターの事など 記事一覧

https://archive.md/5haFb

https://archive.md/975MI