以下、英文のういき「双子のパラドックス」を参照します。
https://en-m-wikipedia-org.translate.goog/wiki/Twin_paradox?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=nui,sc#Specific_example
・同時性の相対性(あるいは同時刻性?) の所にある「双子のパラドックスのミンコフスキー図」をみますと、地球からはなれていくアリスが旅の真ん中で地球に近づく宇宙船にテレポートする絵が描いてあります。
地球から離れていく時に地球時間と宇宙船内部での時間(時計の示す値)が同じ数値になった場所を青い線で結んでいます。そうしてこの線が「同時である事を示している」と主張しています。
これは「地球におかれた時計と宇宙船の中の時計が示す針の位置が同じ位置にあったから」という理由でそう呼んでいます。
そうしてアリスの旅の真ん中でアリスは今度は地球に接近する宇宙船に、アリスがもつ特別な能力「テレポーテーション」によって2隻の船がすれ違う時に移動します。
そうしてアリスが地球の時計をみると、なんと飛び移ったその時に地球の時計はジャンプを起こし、時間が素早く経過するのだ、とういきは説明しています。
そうしてまたこれがこの業界での一般的な認識となっている模様です。
その宇宙船を乗り継いだアリスが描いた「同時刻線」が「ミンコフスキー図」に今度は赤色で書かれいます。
それをみますと確かにアリスが宇宙船を乗り換える為にジャンプした時に地球時間もまた未来方向に向かって大幅にジャンプしています!
そうして業界では「それでいいのだ」としているのです。
それで今度は「双子の時空経路の違いによる経過時間の違い」の章をみます。
そこにも「ミンコフスキー図」が描かれてあり、「同時刻線」が細い赤の線で示されています。
今度の旅ではアリスにはテレポーテーションは要求されず、宇宙船が「慣性飛行~方向転換~逆噴射による減速~続けて地球に向かって再加速」の手順で旅を行います。
しかしながらその場合でも宇宙船が方向転換して地球に向かう時(ターンアラウンドの時)に地球の時間が宇宙船の時間に対して大幅に進む、としています。
そうしてその状況はそこに描かれた「ミンコフスキー図」をみれば一目瞭然でありましょう。
そうして又、上記の「宇宙船を乗り換える図」はこの「逆噴射~減速~再加速」を一瞬で行った場合である、方向転換にかかった時間をゼロに持って行った極限の図である、という様に理解している様です。
さて、しかしながら「特殊相対論での加速度の扱い・相対論」: https://archive.md/BAuGW : http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=27439 :で示しましたように「加速度運動によって発生する横Gおよび縦Gは時間の遅れに影響しない」のでした。
それで上記の例では宇宙船に縦Gが発生しますがその影響は時間の遅れには影響せず、ただ加速度が加わる事で宇宙船のそのときどきの地球慣性系に対する相対速度Vが変化し、それによる時間の遅れが発生し、そうしてその時は厳密にローレンツ変換に従う、あるいは相対論電卓の計算に従うのですが、その様にして発生している時間の遅れが積み重なるのでした。
従って加速度運動中の時間の遅れはその部分を積分すれば求まる、というのは「特殊相対論での加速度の扱い・相対論」で示した通りです。
それでウルフラムでの積分計算と同時に示される「積分の視覚的表現」をみれば分かるのですが、宇宙船の時間は加速度運動中は地球時間に対して同等の速度で進むか(この時は宇宙船は地球慣性系に対して相対速度Vがぜろ、つまり地球に対して止まっている場合)、あるいは相対速度Vに応じた時間の遅れが宇宙船側に発生している、但しそれは慣性飛行中に発生していた時間の遅れを最大値としてそこまでである、という事が分かります。
つまり「ういきが主張している様な」あるいは「双子のパラドックスを説明している業界の主張にみられる様な」、「ターンアラウンド時に発生する地球時間の未来方向への大幅な進み、あるいはその極限としての不連続な時間のジャンプ」などという事は起らない、という事が分かるのです。
追伸 : 地球の時間が進む、あるいは未来に向かってジャンプする、という事はコトバを変えれば「その時に宇宙船の内部時間はそれまでの遅れとは違って大幅に遅れる」、あるいは「宇宙船の中の時間が止まっている、それでその間に地球の時間が進んだ」という事になります。
しかしながら実際はそのいずれの状況も宇宙船では起こらない、と言えます。
特に「加速~減速~再加速」という旅では、宇宙船の中の時間の遅れが一番大きくなるのは慣性飛行中であって、加速度運動中では時間の遅れは慣性飛行中以下にしかならないのは「特殊相対論での加速度の扱い・相対論」で行った積分計算とウルフラムで計算と同時に示される「積分の視覚的表現」をみれば分かる事でありましょう。
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https://ja.wolframalpha.com/input/?i=%EF%BD%93%EF%BD%91%EF%BD%92%EF%BD%94%EF%BC%88%EF%BC%91%EF%BC%8D%EF%BC%88%EF%BC%90%EF%BC%8E%EF%BC%98%2F%EF%BC%92%EF%BC%90%EF%BC%8A%EF%BD%94%EF%BC%89%EF%BC%BE%EF%BC%92%EF%BC%89%E3%82%92t%E3%81%8C0%E3%81%8B%E3%82%89%EF%BC%92%EF%BC%90%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E7%AF%84%E5%9B%B2%E3%81%A7%E7%A9%8D%E5%88%86
慣性飛行中はこれ
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https://ja.wolframalpha.com/input/?i=0.6%E3%82%92t%E3%81%8C0%E3%81%8B%E3%82%8920%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E7%AF%84%E5%9B%B2%E3%81%A7%E7%A9%8D%E5%88%86
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これらの積分計算の内容詳細についてはこちら
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「特殊相対論での加速度の扱い・相対論」: https://archive.md/BAuGW :
http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=27439
追伸の2
宇宙船が方向転換する際に地球の時間が異常に進む=宇宙船の中の時間の遅れがそれまでより大きくなる、というういきの説明が間違っているのは
「単振動での時間の遅れ・相対論」 : https://archive.md/FJO5M : http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=27477
に紹介されている実験レポートおよび単振動での時間の遅れの状況の計算結果をみれば明白な事であります。
地球と折り返し点の間を単振動の挙動で飛行している宇宙船の時間の遅れの状況はウルフラムで計算と同時に示される「積分の視覚的表現」をみれば明らかなように「異常なジャンプや極端に違う遅れ」などは発生していません。
ちなみにこの「積分の視覚的表現」の横軸は地球での固有時となっていますので、もし地球時間に異常なジャンプがあればその影響ははっきりと「積分の視覚的表現」に現れる事になります。
追伸の3
地球の時刻と宇宙船の時刻が同じところを線で結んで「同時である」と言う様に表現するのには違和感があります。
進行する宇宙船のトップとボトムとの間で同時性を議論するならば分かりますが、つまり「同一の慣性系の中の2点間の関係として同時性を話す」なら分かりますが、異なる2つの慣性系の間で「時刻が同じだから=時計の針が同じ場所を指していたから同時である」と言う主張は違うと思われます。
それは「同時」ではなく「時間合わせをしたところから計って同じだけの量の固有時間が経過した」という事に過ぎないからです。
PS:相対論の事など 記事一覧