特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

その3・ 横ドップラー効果の件

2022-07-01 01:06:10 | 日記

以下、横ドップラーについての英文のういきを参照します。

「相対論的ドップラー効果」
https://en-m-wikipedia-org.translate.goog/wiki/Relativistic_Doppler_effect?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=sc

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1、「ソースとレシーバーは最も近いアプローチのポイントにあります」
にある図2では

お互いに接近しつつある発行体(=ソース)と観測者(=レシーバー)が示され、レシーバー側が動いている、として解析すると(=ソース側は止まっている)、レシーバー側の時間が遅れる為(=運動しているのがレシーバー側である為)観測者はブルーシフトを観測する、としています。

次に
2、「受信者は、ソースが最も近いポイントにあると見なします」
にある図3においては状況は上記と同じですが、今度はソース側が動いているとして解析すると観測者はレッドシフトを観測する、としています。


さてそれで宇宙空間ですれ違う2台の宇宙船が光をだしそうして又相手の宇宙船が出した光を観測する場合、この2台の宇宙船ははたしてどんな色をお互いに観測しあうのでしょうか?

特殊相対論の従来の考え方によれば「観測する相手の宇宙船の時間が遅れる」と言う事になります。

「自分の船の時間より相手の船の時間が遅れる、そうしてそれはお互い様」と言うのがアインシュタインの、そうしてまたミンコフスキーの結論でありました。(注1)

つまりアインシュタインとミンコフスキーは「お互いにレッドシフトを観測する」と主張しているのです。(注2)


さて、しかしながらういきは一方の船がレッドシフトを観測すれば他方の船はブルーシフトを観測する、と上記の1、と2、の説明では主張しているのです。

つまり「どちらかの船の時間がもう一方の船の時間よりも遅れる」と言っているのです。


そうして又実験結果もその主張を支持している様に見えます。

『一方、Kündig(1963)は、メスバウアー吸収体が中央のメスバウアーエミッターの周りの高速円形経路で回転する実験について説明しました。[p 3]以下で説明するように、この実験的な配置により、Kündigによるブルーシフトの測定が行われました。』


この実験は中央に発光体がありその周りを高速回転する受信機をおいて周波数変化を測定した。

その結果は周波数はブルーシフトしていた=受信機の時間が遅れていた、と言うものです。

つまり「運動している方の時間が遅れる」という特殊相対論の主張の検証になっているのです。

そうしてまた「横ドップラーシフトは存在する」という事の検証でもあります。


さて、ここまでの実験結果がありながらなおかつこの業界ではいまだに「時間のおくれはお互い様」が常識なのであります。

まあほんとうに頑固でありますなあ、業界の諸先生方は。


注1:アインシュタインが「お互い様」と言ったかどうかは確認できていません。

しかしながら「運動は相対的」で「全ての慣性系は平等である」と言う主張、そうしてまた「運動している系は静止系に対して時間が遅れる」とは主張しました。

そうであればその結論は「時間遅れはお互い様」となるのは論理的な帰結となります。

他方でミンコフスキーは明示的に「お互い様」と主張しています。

注2:気を付けなくてはいけない事は、「特殊相対論は『お互い様』とは言っていない事」にあります。

特殊相対論はあくまで「速度Vで運動すると時間はsqrt(1-V^2/C^2)の割合遅れる」と言っているのです。

「え、それ、注1の主張と何がちがうのか?」ですって。

速度 V に入れる数字、それを相対速度 V (=視線方向の相対速度 V )とするのか(=アインシュタイン流)、それとも静止系に対する速度 V (=基準慣性系に対する相対速度 V )とするのか、という点に違いがあります。

そうして当方の見る所、特殊相対論は(あるいは我々が暮らす宇宙は)静止系に対する相対速度 V を使え、と主張している様に見えます。


追記:視線方向の相対速度についてのコメント:
AとがB接近しつつある場合、それぞれの速度ベクトルが一直線上にある場合はその直線に沿った速度、一方から他方を見た場合の速度が相対速度となります。

それでこの場合は衝突コースにありますから、横ドップラー効果を測定する前に、あるいは同時にAとBは衝突します。

(但し、この衝突コースにある場合でも一方をドーナツ状の中抜け構造にしておけば、衝突を回避しながら横ドップラーを測定する事は可能とは思いますが、、、。)

そうして、それぞれの速度ベクトルが一直線上に無い場合は、横ドップラーの測定が可能となります。

それでこの場合には、一方が他方を見る視線にそって、その直線状に投影された相手の速度が「視線方向の相対速度 V 」となります。

そうして横ドップラーが観測できるのはもちろん「視線方向の相対速度 V が 0 となった時 」であります。

(その様にしないと、相手からの光の測定の時に通常のドップラー効果が重なってしまうから、ですね。)


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