今日の秋櫻写

こちら新宿都庁前 秋櫻舎

阿波おどり、大麻の帯、そしてビール

2012年06月20日 21時13分27秒 | きもの
台風一過。
しかし、トーキョー蒸し暑し。
なぜだ!

昨日の夜はいろんなものが飛んでいった。
うちの前の家は朝窓を開けたら、
大きなアンテナが屋根の上でスライディングしていた。
すごい音がしたと思ったのだ。

でも台風の夜は心がはやる。
どうしようもなくはやるのだ。
これは昔っから。


さて今日は今月号の「KOSMOS」も
皆さまのお手元に届いたようなので、
まずは6月1日(金)の「ナイト・コスモス」の様子を。

写真解禁。




この日のゲスト、松前兼一さん。
来月7月7日(土)~8日(日)の旅行
「麻の聖地 阿波徳島の三木家を訪ねる」の
コーディネーターでもある。

三木家のこと、三木家の祖先にあたる忌部氏のこと、
色々とお話をしてくださったが、とても興味深い内容で、
これを聞いて参加を申し込んでくださった方もいたほど。
うれしい。
ワタシも予習になったし、7月の旅がもっと楽しみになった。

ところで。
兼さんは徳島出身で、阿波おどりの名手でもある。
とくれば、そこは秋櫻舎である。
必然(といっていいのか)ご飯をたべた後は、
阿波おどりレクチャーとなった。

大きなテーブルを脇によかして
BGMは茶碗を箸でたたいて。

チンチチ、チンチチ♪

最初は兼さんのお手本から。


いざ。



男踊り!



みんながぐるり囲むなか、踊る兼さんなのだけど、
もうすごーくかっこよくて感激だった。
八尾(富山)のおわら風の盆もそうなんだけど、
男踊りって異様にいいんだよね。

お次は女踊り。
そして我々へのレッスン開始。



まずは足から。

意外と、否、思ったとおり、これが難しい。
足でリズムをとっていくわけだから、
この足ができないと、何よりもかによりも、
阿波おどりに見えない。




足ができたら、手。
手は添えるだけ。

で、「添える」ができたら、ようやく手首の
スナップを効かせていく。

すると、ワタシ達が頭に思い描く
あの阿波おどりのかたちにようやくなるのだ。

丁寧にコツを教えてくださって、みなさん踊る踊る。
ワタシなんか早々に浴衣を着ちゃって(独りだけだったけど!)
ひそかにやる気まんまんだったし。
でもおかげで、今まで阿波おどりは何回チャレンジしても
結局ワケわからずだったのに、阿波おどりに見えるものを
踊れるようになったのだから、すばらしい先生だ!

こうしたら色っぽくなるんだよ、というのも
教えてくださったり。




比佐子さんと松本さんを背後から。




比佐子さん、手がバレエになってますが(笑)




ずっとチンチンと茶碗を打ち鳴らして
BGM担当だった島立さんも最後は立ち上がって
踊り出しちゃった。
島立さんは80代の最高齢。
いつも明るくて、声がきれいで、お元気なんだけど、
この日はとくにすっごく楽しそうだった。

恐るべし、阿波おどり。




この日の比佐子さんは黒の夏結城。
兼さん、7月はどうぞよろしくお願いしまーす。


夜食はゴーヤと夏野菜のキーマ・カリー。
かぼちゃ、茄子、ゴーヤなどを素揚げして、
ひき肉もたっぷり。
大好評でご飯もカレーも完食だった。

デザートはすいか&キンショウ・メロン。
こちらも当たり玉を引いたみたいで、
この夏すでに一番美味いスイカを
たべてしまったんじゃないかと
個人的にはひそかにドキドキしています。


もうひとつ。
5月30日(水)の「大麻じゆう学校」の写真も。

会場は麻布十番。

大麻じゆう学校の第二回目のレクチャーの
講師を比佐子さんが務めたのだけど、
この日はやはり何といっても、これだろう。









じゃじゃーん。

今月の「KOSMOS」の表紙にも使ったけど、
比佐子さん、このたび麻をモティーフにした染め帯を
新しく誂えたのだった。

会場はもう予想以上の大反響。
さもありなん。


前巾はこんな感じ。



もう片面はこんな柄。




きものは単のちりめんなのだけど、
とろっとろの触り心地。

「比佐子さん、これ・・・何かスペシャルな生地ですか」

「あけぼのよ」

さらっと云われた。




水色が涼やか。
ワタシも水色のきものが着たいぜと
いつも思うのだけど。




裾には刺繍で葦を。
これで縦の流れが出る。


講義の様子も。






しかし若人が多かったなあ。
みんな熱心に聞いていたなあ。
『きものという農業』がたっくさん売れたなあ。

うれしいなあーー!




http://www.kos-mos.com/book/index.html


感謝。




終わったあとは撮影会でした(笑)
あの日ツイッターやフェイス・ブックでは
この帯の写真がよく流れたことだろう。


で、燃え尽きた我々は、大江戸線の麻布十番駅まで
歩いていたのだけど、比佐子さんを先頭に
いつの間にか店に入って、大人たちはビールを飲んでいた。




おつかれさまだい。

ちなみにここ、そのままロンドンのインド人街にあるパブ、
というようなお店で、ロンドンにいるみたいで面白かった。
働いている人もインド人のみ。
麻布十番だものね。

かくして楽しい夜だったのでした。


さいごに。

今週土曜6月23日は「比佐子つれづれ」であります。
みなさまのお越しを心よりお待ちしておりまーす


さ、明日は長野だ。
早起きせねば。



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6月の喪服は手ごわい

2012年06月14日 20時58分30秒 | きもの
今日はいいお天気。
洗濯ものを干してきて正解だった。
やったね。

さて本日は
比佐子さんの「6月の喪服」の装いを。

比佐子さんのブログ
「毎日更新!中谷比佐子のきもの365日 Part2」でも
取り上げていたけれど、そのときの写真を。

http://blog.goo.ne.jp/kimonohatena/e/dce476aff180ea9c9995d7eb67bb0585


外は22度と肌寒く、袷でもいいくらいな日。
でも事実は6月。立夏もとうに過ぎてる。
で、いろいろと検討して行きついたのは





絽縮緬の白地に黒で麻文様の単。
長襦袢を袷にして、下着もすべて暖かいものにして
防寒対策。

ハンドバックは黒で、草履は黒に白鼻緒。





帯は黒地紗袋、
帯あげと帯〆も黒に統一。


なるほど。
そして比佐子さんも書いていたけれど、
帯あげと帯〆を代えれば、これ、
ふつーにこの時期の日常着になる。

逆にいうと、黒と白で揃えるとたちまち
不祝儀になるということだ。

色の象徴性は多分に文化コードを含んでいるが、
誰かを悼む場において黒と白以外を中核にもってくる文化は
あまり聞いたことがない。
今度すこし調べてみようと思う。






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昔の羽織から

2012年06月12日 21時54分22秒 | きもの

梅雨入りだそうだ。
紫陽花がきれい。
大すきな花だ。

それでは今日は6月らしいコーデを。





紫陽花の塩瀬染め帯に、黒白縞の単のお召。

湯文尻がすてき。

なお「湯文尻:ゆもじり」とは
湯文字をしているお尻のことを指す(『秋櫻辞書』より)。


お次は高橋さん。



この総絞りのさわやかな帯は、
娘時代の羽織を帯に仕立て直したもの。
こういうことができてしまうのは
「きもの文化」の魅力である。
ほんとにそう思う。

きものは縞の絹ちぢみ。
絹ちぢみは、小千谷縮の絹バージョン。
今の季節にぴったりの生地だ。
軽くて、さらさらしていて、
でも絹のやわらかい温度があるから
肌寒い日にも優しく包んでくれる。




半衿は楊柳。

で、羽織を名古屋帯にすると、生地が余るのだけど、
その生地だってさいごまで活用して、
オリジナルの三角袋をつくったの!
ちょうどふたつ分。




そのうちのいっこは、
高橋さんの御好意により姐さんにー♪

あのクールな姐さんがとにもかくにも
大喜びだった。ルンルンだった!



そして最後に。



絹のセリシン石けん、入荷しました。

今回の分は玉小石を使った特別な石けんで
この一回限りの限定品です。
いつもよりも練りがやわらかい仕上がりに
なっており、洗い上がりのしっとり感が
いつもよりも強い感じでしょうか。

購入希望の方はご連絡ください。
お取り置きいたします。


それと。
「KOSMOS」6月号はただ今制作中。
がんばります!








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3人の襲名披露公演

2012年06月07日 22時16分19秒 | きもの

さあ、いよいよこの日がきたー!

新橋演舞場のすぐはす向かいにある
老舗料亭「金田中」。
その前に出ている「弁松」の赤飯弁当を購入し、
比佐子さんとふたり、
猿翁、猿之助、中車襲名披露公演、昼の部へ。

たのしかったー!

澤瀉屋一門が集結し、口上には猿翁丈も登場して、
歌舞伎の舞台についに立てるよろこびとこれから
歌舞伎役者としてもやっていく覚悟を決めた中車(香川照之)、
相変わらずチャーミングで自信家でエッジの効いた新猿之助、
じっとしていられずむずむずしているやんちゃな團子くんを
みーんなで盛りたてた。

奥には猿翁のお父さんの三代目段四郎、
おじいちゃんの初代猿翁の大きな写真が飾られ、

「隔世遺伝だわね」

それぞれの顔の系統が一目瞭然だったのもたのしい。
顔の輪郭は、もののみごとに、みんな同じなんだけど!


お祝いに贈られた幕も、
贈った方もすてきだったー




幕が上がるまでは写真OKだったので、
会場中がケータイやデジカメで撮りまくっていたが、
右の字わかるかな?




なんと福山くんからの贈りものなのだった。
猿之助くんが「尊敬している」そうで、
段四郎、猿翁、自分の3人の隈どりを
重ね合わせたデザインだそう。

「みっつを重ねると、世にも見たことがない隈どりが出現する。
 名を襲名するとは代々の先祖の芸を受け継ぎ、厚みを増し、
 そしてそれまでにない新しい猿之助を作り出すことなんだと
 これをみて初めて分かった」

と猿之助くんは口上で述べていたけど、
本当にすばらしいデザインと解釈だと思った。


「義経千本桜」は猿翁バージョンで、
じつに「らしい」ものだった!

後半は猿之助くんの身体能力の高さを見せに見せ、
宙乗りのクライマックスなんてきゃあきゃあだった。
あの体になりたい、と見ながら思った。

決して大輪の華のあるタイプではないけれど、
一途に古典を敬愛しながら独自の世界観を、
あのふてぶてしいまでの知性と野性で
ぐんぐん切り開いていく猿之助の舞台は色気があり、
生意気であり、魅力がほとばしっていた。

中車もさすが。
歌舞伎的な細かいことでいえば、
きっと色々あるんだろうけど、
あの歌舞伎の舞台にかける決意と喜びは
みている人によーーく伝わってきて、それは
生の舞台をみる客にとっては一番の快感だ。

並々ならぬハンデ、
でも恥をかいてでもという強い気もち。

歳をとればとるほど恥をかくのはキツイし、
実際恥もかきにくい環境に置かれていく。

応援しようと思う。


そうそう、今日は京都から舞妓さんとお姐さんが
客として来ていて、場内を異形の存在感で彩っていた。

一方、客席の6月上旬のきものの装いはというと、
袷(暑くないのか)から紗袷まで(たぶん)多種多様だった。

ちなみに舞妓さんのだらりの帯は
ふたりとも絽塩瀬でした。




演舞場の前で。

「あら、ここいいじゃない」

なんて云いながら写真を撮ってもらっていたのだが、
何気に比佐子さんのケータイを見たら、

「嘘!開演時間、過ぎてます!」

「えええーーー」

11時05分。
やけに人が少なくて、しーんとしていると思ったのだ。
ものすごい形相で駆け込んだ。


さて今日の比佐子さんの装い。





やびやさんのねん金の単。
鈍く光っている生地なのだ。





鶴と亀の繍い紋がポイント。
めでたい亀治郎にかけて。




ワタシは青樹先生の綾織、草木染の単。
帯は江戸紅型。
きれいなイエローが点在しているのだけど、
この写真だとぜんぜん見えない。


そんなわけで。
すばらしいお披露目に参加できたことに感謝。







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問屋めぐり

2012年06月06日 22時09分03秒 | きもの

今日は朝から姐さんと浅草スタートで
馬喰町、人形町と問屋めぐりをしていた。
馬喰町からは比佐子さんも合流。



ランチをたべた後、比佐子さんとの
待ち合わせまでもう少し時間があったので、
コーヒーでも飲もうとしていたとき。

「あーっ!スカイツリー!ちょっとそこでストップ」

横断歩道からはみ出てるのだけど。

姐さんの向こうにスリムな一本。
しかもいい顔。やったね。

お昼まではまだ小雨がふったりやんだりだったので、
姐さんは紗のちりよけコートを着ている。
いい色だな。


人形町の問屋に行く前に
比佐子さんお気に入りの喫茶店で一服。



ここのコーヒーは玄人の仕業。
とてもおいしい。
カップ&ソーサーもいいものを使い、
えぐみのない素晴らしい一杯を入れるマスター。

店内も昔の喫茶店という感じ。
カウンターに座っている常連らしきおじさんが
クリームソーダをオーダーしたのだけど、
それも実に丁寧に作っていて、アイスも上質そうで、
でき上がるまで無心にみつめてしまった。
もちろん、このクリームソーダは原色グリーン。
王道である。

赤が効いている比佐子さんは大島、
姐さんも大島、ワタシはお召。

「今日は雨だってゆーの」

ほんとにねえ・・・。




撮影者に目線を外すよう云われたふたり。
ハエが飛んでるわけではなくて。

「ブレてるのに、おでこだけは光ってるわ」

感心しないでいただきたい。
それにそんなに光ってないと思う。

して、この喫茶店の名は「かうひい屋」。
おいしいコーヒーが飲めます。






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