今日の秋櫻写

こちら新宿都庁前 秋櫻舎

金銀南天とケーキ

2010年12月22日 22時48分51秒 | きもの

今日は冬至。

陰極まりて陽となす。

そしてあっちもこっちも
にぎやかになってきたなあ。
忘年会、クリスマス、忘年会、クリスマス・・・。
もう街はくるくるよーく回ってる。
トーキョーの電車事情も、夜はいつもより混む時間帯が遅くて、
みんなコートから色んな匂いがする(笑)

ああ、師走だ。

さて写真を数枚、ご紹かーい。







比佐子さん。
高校の同級生の集まりに
出掛ける前だったかな。

金と銀の南天の帯は
このクリスマスシーズンによく似合う。
気分でしょ?
お正月にも、もちろんイケる優れものだ。

お次はこれ。
姐さんとワタシとケーキ。

ケーキはパークハイアットのもの。
わーい。

ここのケーキはめちゃくちゃおいしくて、
見た目もすごくラグジュアリーで素敵なのだ。
この日はお客さまが手土産に持ってきてくださったので
おやつにみんなでいただいた。
うれしー。
けど、選べなーい!




逆光で取ってみた。
ちょっとレトロで学校っぽいでしょ?

手前に写ってるのは、姐さんチョイスのケーキ。
チョコレート・ムースなのだけど、オレンジのお酒が
ものすごいバランスの良さで効いていて・・・。
このケーキは大真面目に絶品だったな。

あ、ちなみに姐さんはチョコレートに
目がありません。あとバナナね。





姐さんと撮り合いっこ(なにやってんだ)。
ワタシはビジュアルで選んだのだけど、
このてっぺんの星にヤラれました。

こちらもやっぱりチョコレート・ムースなのだけど、
何味?ときかれると、答えられないという不思議な味だった。
姐さんは「紅茶じゃない?」と云っていたけど、
確信はもてない感じ。
でも、かわいいからいいや(笑)


そんなこんなで。
ただ今秋櫻舎は25日のイベントに向けて
鋭意ラストスパート中!

駆け抜けるぞー。




新月わさび

2010年12月06日 21時45分56秒 | きもの
はじまったー、月曜日。
今夜は新月。

週末はワタシ、ずっと原稿書きにいそしんでいた。
一回家出したくらい。
でもきものは畳んだし、洗濯もしたし、集中もした。
しんどいけれど、集中する快感がすき。

さてさて。
12月に入ればお歳暮シーズン。
少しずつ秋櫻舎にも全国各地から
すてきなお歳暮が届きだす。



毎年、赤いもみじの葉を散らして
かごの中に芳香のゆずを沢山詰め込んで
贈ってくださるのは山崎桃麿先生!

包装してある紙をやぶくのがいつも楽しみなんだけど、
今年もやっぱり赤もみじが入ってる。
奥多摩のわさび漬と、フレッシュな生わさび1本も。

わさび漬、大すきなんですけど!


お昼は本まぐろのお刺身とハマグリのお味噌汁。
すりおろしたわさびの香り。
この香りのいいことと云ったら、ない。



すりおろす直前の生わさびと。
のれんの奥ではヒサコさんと海里さんが料理中。
早くあの場に行かなければ。


お次はきもの写真。
今日きものを着ていたのは姐さんだけ。
ワタシは豹柄ワンピを着てたっけ。



越後紬。深みどりに黒のよろけ縞。



帯〆と帯あげがかわいいの。
見えるかな。

帯〆は飾り玉がついているんだけど、これ可動式で。
すきなところにもっていけるのだ。

「ほんとはもう一個あったはずなんだけどな」

姐さん、どこに落としたっていうの。

帯あげは赤地に、緑×白の水玉もよう。

「クリスマスっしょ?」

「もちろん。この時期だからねー」

うん、ぴったり。
ああ、きものはたのしい。



帯は動物園。
色んな動物と植物が格子の中に配置されてる。




これは比佐子さんが作ってくれたロイヤル・ミルクティー
(湯気を撮りたかったのだけど、全く撮れていない)。
冬になると、登場頻度がぐんと高くなる逸品。
そう、比佐子さんの作るミルク・ティーはとてもおいしいのだ。

でも今日のはさらに特別で。

「あなたたち、のみたーい?
 どーせ、コーヒーのほうがいいんでしょう?
 ロイヤル・ミルクティー作るけどー。のみたーい?」

なんてすごくもったいぶるので(笑)
何なのかと思っていたら

「今日のはこれで作るんだけどー」

手にした黒い小袋を見れば、
マリアージュ・フレール。

・・・うーむ。

散々もてあそばれるのだけど

「どうぞっ」

結局作ってくれるのも比佐子さん。


一方、姐さんは着つけレッスン。
今日は啓子さんがいらっしゃる。

帯は、出来たての桜の帯、
おきものは、啓子さんのお母さまがお父さまに
初めてご挨拶に行ったときのだそうな。

不思議と色っぽいきものだったな。
ちょっと改まった感じなのに。



きれいに決まったお太鼓。
ナイス!



表と裏で。



そして見つめ合う。



前から。
この帯〆、おしゃれ。
赤の見え方がものすごく好み。


というわけで。
「きもの美人を増やすど計画」は着々と進行中 ♡


さ、明日もふぁいとー。







冬のご陽気

2010年12月04日 12時28分34秒 | きもの
きのうは朝からものすごい雨が降り、
雨のしぶきで世界は一面銀色に煙り、
風がびゅんびゅん吹き、
どうしよう、何を着ていこうか、
やはり大島かと思っていたら、
あっという間に美しい青空に。

そして風は吹きつづけているのだけど、
異様にあたたかい。

きっと暑くなるだろうからと結城はやめにして、
雨があがったので草木染の紬に決める。

一応かたちとして、ショールは羽織ったのだけれど、
この日は無用だったな。
昼過ぎに浅草橋へ買い物に行ったときも
外はぽかぽかで、みんな軽装。
すれ違う西欧人たちはもちろん半袖だ
(冬の寒い最中でも、彼らはコートの下は
タンクトップだったりする)。

さてナイト・コスモス前の、まだ鍋作りに
取り掛かっていない時点での写真をご紹介。







姐さんは菊の大島に、菊の染め帯。
菊尽くしね。
手にした赤いクッションは、秋櫻舎オリジナルの
紅絹のミニ・クッション。
絶賛発売中です。




手にしているのは自著の『知的な女性はきもの好き』。
もう絶版なのだけど、ワタシは個人的に大すきな本。



比佐子さんは、大小あられの黒の江戸小紋に
江戸友禅の染め帯、と江戸尽くしコーデ。

帯は熊崎先生の作だけど、さすがに十八番の柄だ。
磯の松、釣り船、網干し、千鳥、葦の繊細さと、
涼しげでさっぱりした江戸五彩の配色が美しい。
クール・ビューティに赤い帯揚げが効いてるぜ。
長じゅばんも赤。フリからチラ見せ。

ああ、こういうのを着て、いい女ぶりたい(笑)






帯〆は貝紫。
秋山眞和先生からのお誕生日プレゼント。
そうあのときは『きものサロン』の撮影で宮崎に行ったのだ。
なつかしい。
ワタシ、基本的に宮崎は大すきなんだけど、
工房のある綾町はトトロが住んでるような場所だったな。

そして帯留。これは梅干し。
嘘じゃないよ。







ワタシはハっちゃんと。
きものは茜が浮き上がるという例の草木染の紬。
帯は比佐子さんからのお下がり。
写真では分からないのだけど、お太鼓の裏側に
黒い布地が縫い合わせてあるのだ。

でもなんでワタシ、こんなパンパンなんだろ(笑)

痩せたほうが早いのか、着つけを改善すべきなのか。
なかなかこれ、という自分の黄金律が見つけられない。
もどかしい。

さいご。

「ねえ、ペコちゃんと撮って」

比佐子さん、ハっちゃんと撮ったのが
羨ましかったんだろうかと思いつつ

「はーい、撮りまーす」

悠然とほほ笑む比佐子さんを前に
シャッターを切るその瞬間






Wペコ!


「面白かったでしょ」

そう云って何食わぬ顔で去ってゆく
比佐子さんであった。


というわけで。
今日もいい天気でうれしい。


エルメス×萬斎

2010年12月02日 19時53分50秒 | きもの
日記にもあるとおり、きのうは比佐子さん、
エルメスのパーティだった。
チケットなどない会である。
招待されなければ行けない会なのである。

毎回趣向を凝らしたすばらしい内容だそうだが、
なんと今年は、かの野村萬斎がエルメスの衣装に身をつつみ、
舞台を務めるというではないか。

そんな、ちょっと、うそ!

ワタシが行くわけじゃないのに
もうきゃあきゃあである。

「写真、撮ってきてくださいね」

「誰もが行ける会じゃないんですよ?」

何度も念を押してみるが、写真ぱしゃぱしゃなんて無粋だもの。
会場でそんなことにはきっとならない。

さすがに

「もちろんきもので行かれるんですよね」

と云ったときは

「ケンカ売ってんの?」

と真顔で返されたけど(笑)

そういうわけで、出掛ける前にワタシがばっちし
比佐子さんのきもの姿を撮ったのでご紹介。

じゃーん。



さわやかな青の装い。
訪問着の地紋は流水。
そこへ桐の葉が白で染め抜かれている。



帯はゴールドの源氏香。



これぞ裾つぼまりの着つけ。



帯揚げは、白に赤の飛びシボ。
扇子は、浅草・文扇堂さんの干支もの。

ちなみにこの干支シリーズの扇子は、
年始だけのスペシャル・バージョンで、
その年の干支(今年なら寅)のものだけが作られる。
縁起もいいが、それ以上にデザインがいい。

2本の親骨の片方が赤、もう片方が黒になっており、
扇面には干支の文字が金で書かれている。
きものを着るときのアクセントとしても
ばっちしなので、ものすごく重宝する一本なのだ。
というか、ワタシなんかは8割はこの扇子を差してるよ。

帯〆は、龍工房で職人を泣かせながら
作ってもらった真珠の帯〆。
これは真珠に穴をあけて、中にひもを通しているには
違いないのだけど、取りはずしはできない。
つまり、真珠もろともひもで組まれているのである。
だから職人が泣いたのだ。



とまあ、これが比佐子流パーティきものである。
手にした赤いカシミアショールはサンタ色だし。
ああ、なんて好きなコーディネートなんだ!
エルメスも萬斎もよろこぶよ~。


それにしても、エルメスは素敵である。
文句なしに素敵。

数年前にマルタン・マルジェラをチーフ・デザイナーに
据えたときからもうシビれまくっているのだけど
(その後はゴルチェ、今はクリストフ・ルメールが就任)。

日本の伝統芸能とコラボするところもすばらしいし、
しかも、それが「おしゃれな際物」にならないのだから
本当にすごいと思う。
この審美眼こそ一流なんだろう。

萬斎をセレクトするセンス、
3月には杉本博司氏とのコラボ文楽
「曽根崎心中」もあるんだから!



お初の衣装にエルメスのスカーフを使うのだそうだが、
歌舞伎じゃなくて文楽というのがエルメスだと思う。
同じく伝統芸能の落語だってエルメスはOui(ウイ)なのであって、
そこで立川志らくを呼んだというのもエルメスだ
(志らくの高座は大変アバンギャルドなのに江戸色という
ふしぎな魅力に満ちている)。

日本の俳優でも、エルメスを愛してきた男たちは
森繁に三國連太郎という揃いも揃っての面々である。

すごい。
かっこいい!


一流といわれ続けているエルメス。
そのポジショニングを保持していること、
これがどれだけすごいことか。

ワタシは不易流行のバランスというと、
いつもエルメスを思う。
変わらないものと変わるもの。
時代時代に乗りながら、その見事なバランスを
見せ続けているのがエルメスなのだ。

なんか元気が出てきた。
うん、よしっ、がんばろう!


さ、あしたはナイト・コスモスだ。
今年最後のナイト・コスモス納め。

お時間ありましたら、どうぞいらしてください。
あ、お夜食の準備があるので、参加ご希望の方は
3時頃までお電話くださいませ。


なんできものなの?

2010年12月01日 23時01分42秒 | きもの
12月に入ったー。
ここからは時間の加速度が増してゆく。
ぐんぐん増してゆく。

駆け抜けるぜ。


さて。
今日は着つけレッスン。

最近の秋櫻舎にはうら若き女子の生徒さんが
多くなってきて何だかうれしい。





おばあさまのおきものでレッスンなさっているノゾミ嬢。
最初持ってきてくださったときは寸法が合わなかったので、
より美しく、そして快適に着るためにと、
秋櫻舎でちゃんとマイ寸法にお仕立て直ししたのだった。

よく「きものにはサイズは必要ない」とか
云っちゃっているのを聞くけれど、見るけれど、
はっきりいって、それは云い過ぎだ。
んなわけない。

合わない寸法のきものは、余計なシワが出やすく、
きつきつでもダボダボでも、明らかに着姿に反映される。
要するに美しくならない。大体とても着にくいしね。

素敵に着たいのであれば、寸法こそ
無視してはならないものだと思う。
たぶん「洋服 VS きもの」みたいな構図で
分かりやすくキャッチーにきものの長所を
云いたいがためのことなのだろうけれど、
ワタシはこれ、かなりズルをしていると思うな!

ノゾミ嬢もマイ寸法に仕立て直してからは
格段に着やすくなったみたいで、
完成後の見栄えも全然違っていた。



姐さんと。
ノゾミ嬢、立ち姿がまだ慣れない感じでかわいい。



ちなみに・・・思いっきり余談なのだけど、
ノゾミという名の女性はかわいく色っぽいのだろうか。
というのも、ワタシのまわりの「ノゾミ」はみんなそうなので
(本当に個人的な余談だ)。



後学のため、江戸小紋などを見せながら解説する姐さん。
ノゾミ嬢は興味津津だった。

興味津津といえば、ノゾミ嬢がお友だちに着つけを
習い始めたことを話したら

「なんできものなの?」

云われたそうだ。

お友だちのそのひと言もよーく分かるし、
なぜきもの?と問われて答えられなかったという
ノゾミ嬢の状態もよく分かる。

そう、なんできものなんだろう?
今の世の中にはこーんなにたくさんの娯楽があるというのに。
なんできものを急に着たくなるんだろう?
別にお茶やお花を習い始めたわけでもないのに。

分からない。

でもきものってそんな感じで
はじまることが多いような気がする。
雑誌『七緒』の爆発的なヒットも、そういう水面下の
潜在意識が顔を出したようなものだと個人的には思っている。


相手を説得できる理由はないけれど、
着たい、着てみたくなった、
でも着られない、着つけを習おう。
これって理性の所作じゃないよね?

で、着つけを習い始めたら、
今まで分からなかったモヤモヤとしていた
きものの世界が急に引き寄せられて、
少しびっくりしたり。

自分にとって何というか、きものの世界が
おっかないものじゃなくなってしまった、
暗い世界が明るくなった!と感動もしたり。

その軽快なキブンとでもいうようなものは
軽快さとは裏腹に、かなりの達成感も伴うので、
着つけレッスンの前と後とでは、
みなさんずいぶんと顔が変わるのも共通項。

どうしてきものなのかは分からないままだけど、
分からなくても、はじまってしまうのだ。

そしてはじまってしまえば、
色んな変化が起こる。

一番大きいのはこれかも。

着るものの選択肢に「きもの」というオプションが加わると、
自分の日々の生活にいきなりものすごい厚みが出てしまうということ。
なぜならきものは文化だから。

きものを着るということは、
日本の文化に接触するということだと思う。
「文化する」と云ったっていい。

そう、きものを着ると、
もれなく文化がついてくる。

文様の意味や、風雅な色の名前を知ることもそうだし、
季節を感じること、観ること、表現すること、
きものという自然を肌で知覚すること。
ほかにも、しぐさを洗練させたくて日本画や伝統芸能に
興味をもつようになったりするのもそう。

ワタシはこんな素敵な日本文化の
勉強&実践メソッドはないと思うな。

おまけに女力が上がるしね。
みんなおんなじ顔に見える昨今の美人観なんて
ほーーーんとつまんないもん。

と収集がつかなくなったところで(笑)
次は出来たてほやほや。
仕立て上がりの帯をご紹介。




えへへ。
素敵でしょ?

ペンギンの帯なんて見たことありますか?
ペンギンが漫画になっていないのは
皇室のおきものも作られている小倉貞右先生の
筆力とセンスがゆえに。

隣の紅白南天の帯は比佐子さんのデザイン。
南天を刺繍にしてあるのがポイント。

お客さまと相談しながら地色から決めていくのだけど、
このやり取りの楽しさは、きもの作りならではだろう。
出来上がりに慣れた現代人にとって、あつらえモノは
目ん玉が飛び出るお値段なのでは?と思いがちだが、
実際はさにあらず。
結局は出来上がりの品だって、地色から
染めていくのだから、かかる手間暇は同じなんである。
それならば、自分のすきな色、すきなモティーフにしたら、
どれほどいいかっていう話。

そう、紫は少し間違うと、下品になったり、
ダサくなったりする難しい色のひとつなのだけど、
これは洋服のファッション雑誌からとってきたという。
実物は、写真よりずっといい色です。



これまたどちらも小倉先生の作品。
武田さんだから竹のモティーフをおすすめした。
スタイリッシュなのに、冷たくなく、
繊細でフェミニンなのはデザインと色の妙味による。
金糸の刺繍が入っているのもミソだろう。
すてきだ。

右は桜の帯。
桜が欲しいと仰っていたのでお見せした。
これ、帯の生地が凝っていて。
金が入っているので光沢があり、
締めると分かるマジック。
じつに華やかになる。

写真ではよく分からないのだけれど、
桜の花びらにピンクがうっすら差してあって、
そのピンクがあることで、
ぽーっとあえかな春の陽気が女らしさと
相まって漂うのもふしぎ。


ああ、早く見たいよ!
この帯たちを締めていらっしゃる姿を。


というわけで。
秋櫻舎は、こんなふうにスタイリングなんかも含む
きもの&帯のご紹介もしているのであった。
ほとんど口コミ状態なので、たまにはちゃんと
お伝えしておかないとね。

それではまた。