11月20日(火)ついに二の酉に行ってきた。
目下大掃除中の秋櫻舎でバタバタとやっていたら
大人ダチからお誘いメールが。
これはチャンスと飛び乗った。
花園神社に着いたのは19時を少し
まわった頃だろうか。
実は初めてのお酉さまだったのだけれど、
地下通路から地上にあがってみてびっくり。
えええーーっ
こんなに混んでるものなのーー!
もう人で人で大変な騒ぎになっていた。
参拝希望者用の列は入口からものすごい長さをなしている。
「最後尾」の立て看板をもったおじさんが、
大声でほとんど怒鳴りながら整備している。
ケータイで電話して、集合場所を確認しようと思っても
喧騒のあまり相手の声が聞こえない!
だから相手もこっちもやっぱり怒鳴るように話す。
あげくこんな人々があっちにもこっちにも
たーくさんいるから、さらに喧騒はヒートアップ。
なんとかみんなと合流し、向かうは本殿。
ではなく、ワタシたちの目的地は
入ってすぐ左手にある見世物小屋だった・・・!
現在、都内ではもう一つしかなく、
しかも花園神社でしか見られないという見世物小屋。
演芸好きなら外せない。
風俗文化研究だー。
見世物小屋に関しては、落語ではよく小三治師匠が
「一眼国」というネタの前にふるマクラで話すので、
イメージだけはあった。
昭和30年代頃に自分が体験した浅草界隈や
新宿3丁目の花園神社に出ていた見世物小屋の情景を
描写するのだけど、独特のいかがわしい妖しさが、
いかにも、なのだ。
例えば。
ダミ声で「世にも奇妙なべナ、べナだよ」と
客引きのおじさんが云うので、中に入ると
引っくり返した「鍋(なべ)」があるだけだったとか、
「大ザル、小ザルだよ」の場合はザルが大中小と3つ
置いてあったとかというペテン的なものから、
「ホンモノの河童」を見せるというまやかし気分満点のものまで
じつに様々。
これが見世物小屋の入り口付近。
くーっっ、胡散臭い!
小屋の前では
ねじり鉢巻きのおねーさん(やっぱりダミ声)が
マイク片手に客引きの啖呵を切っている。
外にいる人が小屋の中の様子が見えるように、
一部くり抜いた造りになっているのもうまい。
そう、見えるのは観客の「うひゃあ」と歓声寄声を上げている顔だけで
見世物自体は見えない仕組みになっているのだ。
ふと小さいときの神社のお祭りの匂いを思い出した。
田舎だったこともあるのだろう、ワタシが小さいときは
まだお祭りには妖しいような怖いようなムードがうっすら漂っていた。
入場料は800円で後払い方式。
雪崩れるように中に入ると、150人くらいの
ぎゅうぎゅう詰め状態で立ち見である。
メインはヘビ女の小雪太夫。
きけば、大変人気のある人らしく、
ファンがついているようで花束なんかももらっていたな。
目の周りを真っ黒に囲んで、長い黒髪を垂らし、
緋色の長じゅばんをまとっているというアングラ衣装の
小雪太夫はなんとヘビをたべるのだ。
最初はぬらぬらと舌で少しヘビを弄び、いきなりアクセルを
踏んだかと思うと一気にそのヘビを食いちぎる。
生きヘビを、目の前で。
みんなきゃあきゃあ云って見ていたけど、
ワタシはもう全くダメだった(そういう人も当然いた)。
次は初代ヘビ女も出てきて(もう相当お年であるが、
それが余計に怖かった)、こちらは白いきものにやっぱり
アングラメークで束にした蝋燭のロウを口の中に
垂らしこんではゴクゴク飲みほし、
さいごは口から火炎をブオオオーっと派手に吐いた。
1mくらいのながーい火を。
ぴょんこちゃんという山姥ギャル(なつかしい)のヘアメイクに
女ターザンみたいな恰好で現れたガングロの女の人は、
毛がついたままの首と胴体が切断された鳥を両手にもって
やっぱりむしゃむしゃと食いちぎっては食べた。
ここで本格的に気分が悪くなって、
帰りたいと本気で思った。
あとはマジックと本物の大蛇(ニシキヘビの花子ちゃん)の登場で、
終わったら800円を払って小屋を出る仕組み。
外にでたら心身ともにへとへとだった。
ひとつ気になったのは、この小屋の人たちは
呼び込み、司会進行、演者、もぎりとみんな女性だったのだけど、
全員お肌がつるつるのぴかぴかだったこと。老若とも。
でもそれって、やっぱり・・・
終わったあとのヘビをたべてるってことなのかな・・・。
気分を変えて、縁起熊手売りを見物に。
こちらは活気があって明るい。
お店ごとに熊手の種類がちがうんだ!
同じのを売っているのかと思ってた(笑)
どの熊手も縁起ものの嵐。
小判に七福神、升に松竹梅、それから鯛に鶴亀などなど。
熊手を買った人や会社の札。
この紅梅の赤い熊手はとっても目立ってた。
手締めも見られて大満足。
大きいのを持って歩いていた人もいたなあ。
帰りはみんなで色々と感想を云い合い、盛り上がる。
なんやかんや云って、行ってよかったと思う。
見世物小屋も。
でもしばらく鰻はたべられなくなったけど!