ドイツ大使館と有栖川庭園を横目に、
南部坂のきつい斜面をのぼりきれば、
介護施設「ありすの杜」。
そこの一階にあるカフェ「アスパローゼ」で
3月3日(土)「春のきものと歌の会」と題した
雛祭りイベントを開催。
当日ワタシは走りまわっていたので
あちこちからいただいた写真をご紹介~!
ぱふぱふ。
会は、深井えみこさん(声楽家)&横山仁子さん(ピアニスト)
のユニット「えみじん」とのコラボレーション形式。
春の歌とピアノに乗せながら、我々秋櫻舎組をはじめ、
お仲間の皆さんが色とりどりの春のきものを着て、
施設の方々に春をお届けしようというもの。
マイクをもった比佐子さんが司会進行役。
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小道具は久保田房子さんが手がけた三枚の和紙と
赤、黄、ピンクのチューリップの花。
和紙のほうは等身大サイズで、それぞれ
雛祭り、桜、藤の花を描いたところにすてきな書で
和歌が添えられており、それを関戸姐さんとワタシが
両脇からもって練り歩いた。
この日の比佐子さんは、裾に藤が描かれた
春の黒留を赤い長じゅばんと帯あげでドレスダウン・コーデ。
なお比佐子さんは
四季に応じた黒留をもっているそうだ。
1枚ではないってことだ・・・。
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中山さん。
さわやかな桜の訪問着は
これぞ満開の桜というような一枚。
このありすの杜とのご縁をくださった方でもある。
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房子さんも桜。
そして房子さんは和紙の制作者でもあって
今回、快く貸していただき感謝。
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灯りをつけましょ、ぼんぼりに~♪
生演奏で(!)歌を歌いながら一周したところで、
全員前に並んでさいごまで。
清見さんの歌声のすばらしいこと。
共演者もびっくりだった。
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真ん中に飾ってあるチューリップ、見える?
これをフィナーレのときに、観客の皆さまに一本ずつ手渡したの。
なんかね、すごくたのしい演出だったな。
左のグリーンのドレスを着ているのが
声楽家の深井えみ子さん。
今回は我々に合わせて、ショールに友禅染を
チョイスしてくださったそうだ。
歌が終わると、BGMは軽快なテンポの曲に変わり、
一人ずつ会場をウォーキング。
で、それぞれが着ているきものに
比佐子さんがコメント解説を入れるのだ。
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ワタシ、先陣を切らせてもらいました。
それらしく歩いてるつもり。
着ているのは紅型(つばめ、ぼたん、流水柄)。
帯はブルーの大島紬の箔の袋帯。
実は近くの産地のものを合わせていて、
かつての悲しい歴史への鎮魂も込めてる。
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姐さん。山岸幸一さんの蘇芳染のきものに藤の帯。
この蘇芳は年々色が落ち着いた赤になっていて、
姐さんとともに生きてるのだそうな。
草木染の大いなる魅力だな。
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房子さん。歩くのが一番うまくって、
そして美しかった・・・。
お太鼓には琵琶。ぼかしが超色っぽい。
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中山さんと清見さん。
中山さんはさすがに慣れていて、
輝くばかりの笑顔。きれいー。
清見さんは帯にポイントを置いたコーデ。
西澤さんの縮緬染め帯。
ブルーの桜がよく目立つこと。
鉄紺の帯揚がかなりおしゃれ。
桜をしゅっと着るお手本だと思う。
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母娘で連弾。
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仁子さんとお嬢様の洸(ひかり)ちゃん。
洸ちゃんは振り袖である。
ショートカットに振り袖。
ワタシ、かなり好み。
で、後半戦。
「花衣ぬぐやまつはる 紐いろいろ」
桜とともに書かれたのは、かの杉田久女の一句。
ものすごいイメージの喚起力だ。
言葉ってすごい。
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こちらも親子共演。
鈴木陽子さん&萠ちゃん。
陽子さん、たのしそー!
お次のふたりは大トリ。
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ぶれぶれだが、モンペ姿の島立さんと
夜桜をまとった山岸さんのコンビ。
島立さんは御歳82歳。
そしてこのモンペはチューリップ柄!
会場は、大いに盛り上がった。
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きものはこんな風に再生できるということで、
クッション布団のご紹介も。
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触ってもらったら、皆さん触り方が
やっぱりちょっと手慣れた感じだったのが
時代を思わせた。
きもちいいと云ってくださったり、
なかなか手を放さない方もいた。
絹の記憶。
きものの記憶。
最後はメンバー紹介で〆。
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楽屋裏のほうも。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/13/da605c4fc210f478f1286067cda91a1b.jpg)
一枚目、何を驚いてるんだろ。
この写真、すごくおかしい。
でも二枚目からはちゃんとにこやかになってるという。
何事もなかったかのように(笑)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/6e/9ed7ac110b51946c6a70a20725f68493.jpg)
どーんと全身も。
リハーサルもままならぬ本番ぶっつけ、
皆さんにほぼ丸投げ状態だったので、
楽屋裏ではこんなふうに、最後の最後まで
段取りの確認がつづくのであった。
みなさまにはご協力いただき、本当に感謝いっぱいです。
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でも写真は撮るのだった。
後ろ姿シリーズ。
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かわいい母娘。
ろうけつ染で桜を描いたきものに、
金糸で桜を刺繍したターコイズブルーの帯。
蘭が咲き乱れる訪問着。
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山岸さん。
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夜桜お七と自分で云ってた、そして歌ってた(笑)
にびた赤の裾ぼかしが夜の花見の宴を思わせる。
ワタシ、この帯だーいすき。京都の「千藤」さんの。
比佐子さんの著書『十二か月のきもの』にも載ってます。
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島立さんとえみ子さん、歓談中。
もんぺの上下はこんな感じ。
以前、皇居のご奉仕のときに誂えた
比佐子さんのと同じデザイン。
とても気に入っていただき、下のもんぺだけ
もう一つ作ることになったくらい。
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島立さんはピアノも弾くのです。
お次は着替え中。
みんなで助け合うの図。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/a2/bc3d9e88a0737445936116bcea57d12b.jpg)
しっかし、着つけの様子も華やかだね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/d2/bb308fe33a1350dcd833761f0b0b1a82.jpg)
お控えなすって。
でもって姐さんだけ猿なんである。
サガだろうか。
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ひゃあ、春だー。
観客としていらしてくださった方々と。
うーれしいなっ。
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ふたつの家族。
中山さんのご家族と、島立さんのご家族。
いい写真です。
会も終わり、後片付けも終わり、
打ち上げターイム!
うれしいことに、予想以上に人数が多くなったので、
テオブロマはキャパ的に断念。
なので会場に残り、ケーキだけテオブロマで
みなさんで打ち上げた。
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ガラガラと給仕する姐さん。
初めての方同士もいらっしゃったので
自己紹介なぞまじえつつ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/99/bebce64a6d864fb080ba9d14b0616c3f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/cc/bbbe4abecee5fd3abfeb77e7b2edcadf.jpg)
ケーキ、おいしかった!
チョコレートが濃厚。
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出演者全員で集合写真。
おわったー!
さいごに。
今回は出演料なしのいわゆる奉仕活動だったのだけど、
春のきものや帯をお持ちの方で参加者を募ったところ、
思っていたよりはるかに多くの方が手を上げてくださった。
そのおかげで、華やかでにぎやかで、
ハッピーな会にすることができた。
大感謝。
事前に練習する時間どころか、
当日のリハーサルすらできない状況だったけど、
だからなおさら「楽しみましょー!」を合言葉にした。
なぜなら。
とにかくぶっつけ本番であろうが、何であろうが、
ライブは即興力とやる側の「楽しもう」の精神が
いの一番だと思うから。
そして約一時間、終始笑顔で歩いたり歌ったりしていただき、
出演者にとっても、お客さまにとっても、桃の節句らしく、
かわいい時間をつくり出せたんじゃないかなと思う。
車椅子がひしめき、ご家族の方が付き添い、
ある意味とても特殊で、しかし誰の人生においても
決して切り離せない場所で、今回こうしたイベントができたこと、
それは人生の裏舞台というか、明るいだけじゃない重みのようなものも
感じることができたと思う。
もうひとつ、印象的な場面があった。
会が終わって、施設の方たちがご自分の部屋に
戻られるのを見送っていたときのことだ。
車椅子に乗っていた女性が、にこにことしながら
比佐子さんの黒留の袖に手をのばし、
中から紅絹の長じゅばんを引っ張り出しておっしゃった。
「私、これすき」
一瞬だったけど、あのときの比佐子さんの
表情も何だか忘れられない。
とにもかくにも、会のほうは大好評だったようで、
タイ人にしか見えない責任者の佐藤さんからも
感謝の言葉をたくさんいただき、
コーヒーや紅茶を振舞ってもいただき、
めでたしめでたしな一日だったと思う。