中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

誰のための、何のための語学研修か?

2010-09-03 13:20:16 | 中国
大阪に向かう新幹線の中です。9月もあっと言う間に3日が経ちました。漢和塾第6期はそろりとスタートしました。

相変わらず、上場企業の人事担当者を訪ねる日々が続いていますが、昨今は、とにかく語学研修の売り込みが多いとか。世間では、グローバル人材(なる言葉)がもてはやされ、英語の公用語という極端な方針が賛美され、さらにはこれからの市場は中国だと、英会話学校の老舗までが、必ず「中国語もあります!」と訴え、さてさて、忙しいビジネスマンにそんなに語学研修につぎ込める時間はあるのでしょうかと疑いたくなります。企業側から見れば、いくら人材育成が大事だと言っても研修費用には限りがあります。

英語の公用語の件でも触れましたが、部署や任務を考えずに、語学力を仕事の評価に単純に置き換えてしまうと大変なことになります。私は外国語大学を卒業しているだけに身につまされますが、「語学力より仕事力、あるいは人間力」が社会に出るための基本だと思いますし、仮に英語や中国語が堪能でも、そもそもの人の素養、あるいは日本語でのコミュニケーションも稚拙な人は、100年留学しても無駄とも言えます。

国境のないビジネス空間において、潤滑油、信頼関係、強い意思表示としての外国語は必要です。が、その前に、企業力、人間力、商品力などが重要なわけで、そこに誰を配置するかをまずは決めて、その人物に最低限必要な語学や事前知識をできるだけ短期集中で研修する・・・中国語研修会社の担当者は、少なくとも企業の人事担当者よりも、中国のビジネスに精通していなければ、彼らに必要なご提案などできるわけがありません。この2年間で、合計20回、200日は上海を中心にした中国に出張で行きました。交通費も含めてかなりな投資で、本来、日本の赴任前研修や自己啓発のお仕事をするのとは関係がなさそうです。が、現場を知らずして、現場に赴任する方のお手伝いがどうしてできようか?出張だけの限界に苛まれながらも中国各地を訪問しています。

いずれ、一冊の指南書にまとめますが、これから中国語研修をまじめに検討される方に一言・・・

①語学力より仕事力、貴重な会社の資源は、「かけるべき人からかけましょう!」

②中国市場の重要性に応じて、まずは英語の位置づけを決めてから中国語研修のバランスを考えましょう!

③役員、赴任者、出張者、本社スタッフ・・・それぞれに必要なスキルとしての中国語研修があります!

④「継続は力なり」は個人の努力、企業が実施する研修は、目標を明確に、短期集中でいきましょう!

1日でできること、30時間できること、1年ラインをはずしてでもさせること・・・現時点での理想的な研修像は実例も含めて持ち合わせています。無駄のない、意義のある研修にすべく、日本と中国を飛び回っています。

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