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牛耳
「牛耳」(ギュウジ)。「牛耳を執る」(執牛耳)というが、これを略して「牛耳る」というのが一般的。
所属するグループのリーダーとして事実上の支配者となることであり、仲間うちでハバをきかせることでもある。
誰かにしきられてしまって、こっちがすっかり受け身になってしまったときに「○○はんに、牛耳られてしもうた」などという。
『春秋左氏伝』、略して「左伝」ともいう古い歴史書の、定公八年の条に、この「牛耳」の話が出ているそうです。
紀元前五世紀ごろ、春秋時代といって、中国が多くの諸候の国に分かれて、お互いにしのぎをけずっていた。戦争と平和の繰り返し。今の世界のように、同盟条約や平和会議が各国の間で、いろいろと結ばれた。
今なら、条約の調印式という場面だが、昔は、諸候間の盟約には、牛の耳を割いて血を取り、その血をすすって盟の証拠とした。
盟 ・・・ 会意兼形声。明は「あかりとりのまど+月」の会意文字。盟は「皿(さら)+音符明」で、皿に血を入れてすすり、神明(かみ)にあかしをたてること。 |
「盟」という字には、「明」の下に「皿」がある。これは上の解説のとおり、血を入れる器である。
その同盟のセレモニーを司会する者が、牛の耳を持ち回った。そのことから「牛耳を執る」という言い方をするようになった。
初期の頃は、位の下の者が牛耳を執り、位の上の者が監視するというセレモニーであったようだが、後には牛耳を執って司会する者が、同盟条約を左右する実力者(覇者)となった。牛耳を執る者が「盟主」となったのである。
十干十二支 -- 干支(えと・かんし) |