にちにち蛙鳴蝉噪

大阪・兵庫・京都・奈良で食べられるトルコライスの紹介を中心に。制作:近藤亨 2004-2023

木村家(大阪/大阪市西成区・今池)

2020-02-29 17:15:14 | 関西トルコライス巡礼

何を隠そう、あの「さいごの色街」飛田新地が目と鼻の先にある喫茶店だ。とはいえ、店に妖しさや色っぽさがあるわけではなく、積年の煙草の煙で壁も天井も調度品もほどよく黄ばんだ町喫茶である。アルコールは置いていない。

メニュー記載の説明では「カツピラフ+イタリアンスパゲッティ」というトルコライス。「カツピラフ」という単語はそれほど一般的なのかという疑問はさておき、その通りの構成で、カツにはデミグラスソースが軽くかけられている。ピラフとスパゲティの配分は6:4くらい。そしてピラフ(=洋風炊き込みご飯)というよりは炒飯といったほうが正確だと思う。

イタリアンスパゲティは見た目通りやや薄めに感じる味付けである一方、炒飯はみじん切り玉葱の甘さを強く感じる。そしてデミグラスソースが甘さなしコク強めの大人の味付け。三者三様のヴァリエーションというところ。

会計の際、女性店主(僕がトルコライスをいただいている間、岡持を抱えて近所に出前に出かけていた)が、「水、飲みませんねえ」と話しかけてきた。テーブルのコップには水がほとんど手つかずで残っている。
「そういわれりゃそうですね。普段から食事中はあまり飲まないんです」
「人間の体の60%は水だからね。お客さん、砂漠行ったら死んじゃいますよ」
「砂漠なんかわざわざ行かんわ(笑)」
「いやいや、人生何があるかわからないから」

笑いながら会計を終え、テーブルに戻り水を飲みほしてから外に出ると、真冬のような冷たい雨が降っていた。



長崎風トルコライス 1050円

大阪市西成区天下茶屋北1-1-4

06-6649-6014
9:30~21:00
火曜休

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