〈来栖の独白〉
小沢一郎氏が夕刊フジにお書きになった過去のコラム(↓)を、或る方からお知らせ戴いた。
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「Ozawa Ichiro Website」 http://www.ozawa-ichiro.jp/massmedia/contents/fuji/2005/fuji20050419134025.html#top
「ニート激増、85万人」「漠然と他人に寄生して生きるなどとんでもない」「甘やかせた親が最も悪い」「家から追い出して自活させよ」
内閣府が先日、ニートが全国で約85万人に達するとの推計を発表した。10年前に比べて約18万人も増えたといい、約85万人の中で将来の就職を希望していない者は約42万人にのぼった。これは大問題だ。
定職に就かず、短期のアルバイトなどを繰り返すフリーターの増加も以前から問題視されているが、ニートは就職する意思すらなく、職探しも進学も職業訓練もしていない15歳から34歳までの若年層無業者のこと。
本人たちは「誰の迷惑にもなっていない」と言うかもしれないが、親の稼ぎで食わしてもらっているうえ、国民全体で支える公共的サービスは享受している。病気でもない働き盛りの若者が、漠然と他人に寄生して生きているなど、とんでもない。
自分の力で生きようとしない彼ら自身も問題だが、最も責任が重いのは厳しいシツケもせずに、ただ甘やかせている親たち。どうかしている。親自身が自立していないから、子供がまともに育たないのである。
僕は自宅で小鳥を飼っているが、親鳥はヒナが大きくなるまでは一生懸命に世話をするが、一定の時期がくると冷たいほど突き放して巣立ちさせる。ニートの親は動物にも劣るといっても過言ではない。
政府は「少子高齢化の進む人口減少社会で、経済の活力を一段と失わせかねない」として、今後、ニートの就職支援に本腰を入れるというが、果たしてそんな次元の話なのか。
僕に言わせれば対策は簡単だ。一定の猶予を与えて、親が子供を家から追い出せばいい。無理矢理でも自分の力で人生を生きさせるのだ。追い詰められれば、彼らも必死に考えて行動するはずだ。
それでも働きたくないというなら、勝手にすればいい。
その代わり、親の世話には一切ならず、他人に迷惑(犯罪も含む)もかけず、公共的サービスも受けないことだ。無人島でも行って自給自足の生活でもすればいい。
こうした現象を見ていると、日本社会の崩壊、歪みを感じざるを得ない。いつからか、米国よりも日本の方がはるかにモラルが低下している。いつ爆発するか分からないが、日本社会は極限に達しつつあるのではないか。
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考えてみたい。
>最も責任が重いのは厳しいシツケもせずに、ただ甘やかせている親たち。どうかしている。親自身が自立していないから、子供がまともに育たないのである。
--同感である。
私事だが、先日愚息(独身)が「そろそろ結婚の方向で、僕は考える」と言うものだから、暫く二人で話をした。
“結婚というものは、あなたが自分の人生のある部分を『譲る』という覚悟が出来てないとダメだ。人生のパートナーに対して(互いが)責任を負う、その自覚がなくては・・・。パートナーに対する自覚の次に、やがて抜き差しならぬもう一つの人生をあなたは背負わなくてはならなくなる。それは「子」の誕生だ。子は、親を選んで生まれてくることができない。親としての自覚の無い、体は大人でも精神年齢は大人になっていない、子供のまんまの親の間に生まれて来ざるを得ない子が今は多い。子どもみたいな親は、まだ遊びたいし、自分が食べたいし、赤ちゃんの夜泣き一つにも堪えられず、簡単に保護責任を放棄したり殺したりする。子どもが生まれたなら、自分のことは子に譲って(諦めて)、子を守り育て(愛さ)なければならないのに、我慢や譲ることができない。躾と虐待の区別もつかず、真っ当な躾もできない。自分の都合に合わないからと放置したり虐待したりしておいて、児童相談所が訪問すると、決まって「躾ですから」と言う。”
>親鳥はヒナが大きくなるまでは一生懸命に世話をするが、一定の時期がくると冷たいほど突き放して巣立ちさせる。
--連獅子の話は、ご存知の方も多いと思う。歌舞伎の舞踊にもなっている。親獅子が訓練のため、愛する子獅子を谷へ突き落とすというお話だ。
「可愛い子には、旅をさせよ」という言葉もある。
>親が子供を家から追い出せばいい。無理矢理でも自分の力で人生を生きさせるのだ。追い詰められれば、彼らも必死に考えて行動するはずだ。
--昔は「地震 雷 火事 親父」といって、父親は恐れられる存在だった。しかし、今は違う。小沢さんのように賢明な愛情の裏付けをもってわが子を叱り鍛えよう、一旦は突き放そう、という親は少ないのではないか。逆に、親のほうが、子のご機嫌を取る。小言の一つも言えない。
政治家というのは、小沢さんのようでなく、菅さんのように「1に雇用、2に雇用、3にも雇用」と言うほうがいいのだろうか。菅さんには何の方策もなく、耳に聞こえの良い「雇用」を言って国民のご機嫌をとっているだけではないだろうか。首相の座を手放したくないためにご機嫌を取る(国民のことは思わない)姿は、まるで家庭における弱い父親のようだ。
親獅子が訓練のため子獅子を谷へ突き落とすのも、可愛い子に旅をさせるのも、強い父性愛の裏付けなしにはできない。「可愛い子には、旅をさせよ」というが、昔の旅は、命がけだった。命の危険が伴う、それが旅であった。可愛いからこそ、愛しているからこそ、旅に出した。
私はカトリックの信徒である。仲良しのシスターがぼやいたことがあった。「(修道女会の経営する)幼稚園の入園の面接をするけれど、今は、親がまるで子どもなのよね。話し方も知らない。そんな親ばかり」。
私は、小沢さんが冷酷で上記のようなこと(コラム)を言ったとは思えない。捨てたのではない。捨てたのなら、言わないだろう。菅さんのような耳に良いことを言っていれば済む。人気取りがよすがの政治家稼業である。「自立」なんて余計な憎まれ口を叩かず、「雇用」と言っていればいい。が、小沢さんは厚い心の持ち主であり、嘘の言えない人間性なのだと思う。「お上手」が言えない、正直者で、損をする。
古い親父が可愛いわが子に「出て行け。自活せい。自立するんだ」と言った。そんな一つの家庭の風景が彷彿する。
家庭においては地震・雷の如くに怖い「親父」タイプの小沢さん。歪でモラルも低下してしまい、個人の努力だけでは追いつかないところのある日本を、政治家小沢さんは変えたいと思った。国民の「生活が第一。」だと。これは憲法13条に根ざしている。
◆全面可視:小沢ネット会見、13万人が視聴/ 演説「私には夢があります」2010/9/14再録2010-11-05
◆吉田智樹ちゃん(当時5歳)餓死事件 (父親)吉田博被告の裁判員裁判初公判2011-02-24
◆桜井市 吉田智樹ちゃん(当時5歳)餓死事件 奈良地裁 虐待の母に懲役9年6月2011-02-10 | 社会
◆「お水を下さい」哀願の声響く 相次ぐ虐待、行政救えず 悔やむ周辺住民2010-03-06
若い世代にフリーターやニートが多いのは、「人口構造」と「景気変動」で大体説明が付きます。下の4つのグラフを見ると分かりますが、特に今の30代が学校を卒業した頃は日本経済が大恐慌に陥っていたんですよね。多くの企業が採用を抑制または凍結していました。そこへ人口の多い第二次ベビーブーム世代が卒業したものだから、仕事に就けない人が続出してしまったワケです。
■グラフ1
http://www.opticast.co.jp/cgi-bin/tm/chart.cgi?code=5701&asi=3
↑表示期間を「1」にして下さい。
■グラフ2
http://homepage3.nifty.com/joharinokagami/121002.html
■グラフ3
http://www.opticast.co.jp/cgi-bin/tm/chart.cgi?code=0400&asi=3
↑表示期間を「1」にして下さい。
■グラフ4
http://uk.finance.yahoo.com/q/bc?s=%5EN225&t=my&l=on&z=l&q=b&c=
ちなみに、近頃の学生の就職難は「大手病」と言われるもので、本来なら少子化で学生が減っているので就職し易いのですが、学生が大手企業志向(贅沢志向)になっていて就職先がなかなか決まらないそうです。今の学生の親がバブル世代(80年代バブルを謳歌した世代、現在50歳前後)だからかも知れませんが…。
> 他人に寄生して生きるなどとんでもない
大企業にぶら下がって生きている企業、公共事業にぶらさがって生きている企業…。税金、社会保険料、健康保険料、介護保険料などに寄生して生きている連中の多いこと多いこと…。(笑)
> 「地震 雷 火事 親父」
「おやじ」というのは「大やまじ」のなまったもので、「大風」すなわち「台風」のことだそうです。
> 今は、親がまるで子どもなのよね
最近はそういう連中しか結婚しませんし、子供も産んでいませんからねぇ。(笑)