確定死刑囚に無罪…2件の殺人への関与を告白した矢野治被告 楡井英夫裁判長「告白の手紙は信用できない 死刑執行引き延ばすため嘘」2018/12/13

2018-12-13 | 死刑/重刑/生命犯

確定死刑囚に無罪=2件の殺人「告白」―東京地裁
2018/12/13(木) 15:07配信  時事通信
 前橋スナック銃乱射事件などで死刑確定後、2件の殺人への関与を告白し、殺人罪に問われた元暴力団会長矢野治被告(69)の裁判員裁判の判決が13日、東京地裁であった。
  楡井英夫裁判長は「(告白の)手紙は信用できない」と述べ、無罪(求刑無期懲役)を言い渡した。
  検察側は論告で、矢野被告は死刑確定後の2014~15年、会社社長斎藤衛さん=東京都新宿区、当時(49)=と、不動産業津川静夫さん=神奈川県伊勢原市、同(60)=の殺害に関わったとする手紙を警視庁に提出したと指摘。斎藤さんについては金銭トラブルが発端で、被告自身が絞殺したとした。津川さんは、土地を手に入れるため暴力団の男(故人)に殺害させたと主張していた。
  弁護側は「手紙は銃乱射事件の再捜査をしてもらうための虚偽だった」とした上で、「証拠不十分」と無罪を訴えた。
  矢野被告は被告人質問で、斎藤さんの事件を「殺してないし、誰が殺したかも分からない」と説明。津川さんの事件は「事故で亡くなったと聞いた。名前すら知らず、殺していないし、殺させてもいない」としていた。
 最終更新:12/13(木) 15:36 時事通信

 ◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
――――――――――――――――――――――――
「殺人告白」死刑囚に無罪 「執行引き延ばすためうそ」と認定 裁判員裁判
2018/12/13(木) 21:36配信 毎日新聞
検察側と被告側の主張と裁判所の判断
 死刑確定後に2件の殺人事件を警察への上申書で告白し、殺人罪に問われた指定暴力団住吉会系元会長、矢野治被告(69)に対し、東京地裁の裁判員裁判は13日、無罪(求刑・無期懲役)を言い渡した。死刑囚が被告となった初の裁判員裁判。楡井(にれい)英夫裁判長は「死刑執行を引き延ばす目的でうその上申書を書いた疑いがあり、2件とも殺人への関与を認定できない」と述べた。
  矢野被告は1996年、住吉会系元幹部ら3人=いずれも既に死亡=と共謀し、神奈川県伊勢原市内に止めた車の中で同市の不動産業、津川静夫さん(当時60歳)を殺害し、さらに98年、東京都豊島区の組事務所で新宿区の不動産会社社長、斎藤衛さん(同49歳)を単独で殺害したとして起訴された。公判では、2014~15年に書いた二つの上申書は「うそを書いた」と述べ、2件とも無罪を主張していた。
  判決は津川さんの事件について、被告の指示で遺体を埋めたとする元配下組員の証言を「信用できる」と認定しつつ、間接証拠から被告の殺人への関与は推認できないと指摘。「直接的な証拠」の上申書について「死刑確定後(の15年)に約19年前の事件を突然告白しており、死刑執行の引き延ばしが目的」とし、記された被害者名が津川さんと異なることなどから「誰が殺害されたのかを知らない程度の関与しかしていなかったことをうかがわせる」と述べた。
  また、斎藤さんの事件については、被害者の死亡現場が被告の組と別の組の事務所だったことなどから、殺人への関与は認定できないと判断。この事件の上申書も「執行引き延ばしが目的」とし、「殺人の実行犯でなければ知りえない情報は全く含まれておらず、殺害状況に関する記載も具体性に乏しい」とした。
  楡井裁判長は判決文読み上げ後に「(被告の告白が)遺族を混乱させ、つらい思いをさせたことは遺憾だ。検察官の控訴がなければ、あなたの裁判は終わりです」と語りかけ、矢野被告は「ご迷惑をおかけしました」と頭を下げ、退廷した。
  東京地検の久木元伸次席検事は「判決内容を十分検討して適切に対処したい」とコメントを発表した。【蒔田備憲】
■「客観的に判断するのは難しかった」裁判員ら会見
  死刑囚を裁く初の裁判員裁判に臨んだ裁判員と補充裁判員計7人は判決後、東京都内で記者会見し、証拠が乏しい中で難しい判断を迫られたことを明かした。
  会見に臨んだのは6人の裁判員全員と、補充裁判員1人。団体職員、江川政佳さん(52)は「証拠が乏しい中、いかに真実を見つめ直すかを考えた」と振り返り、会社員の小松武彦さん(57)も「客観的に判断するのは難しかった」と語った。
  刑法が「死刑囚に他の刑は執行しない」と定めているため、今回のケースは仮に有罪判決でも執行されない。この点に関し、補充裁判員だった会社員の田中舞さん(33)は「死刑執行引き延ばし目的であれば(起訴や公判は)被告の思うつぼかと思ったが、遺族の気持ちを考えれば真実を明らかにする意味がある」と意義を強調した。
  一方、会社員男性(36)は「被害者がなぜ亡くなったのかなどを明らかにするくらいしか意味を見いだせなかった」と複雑な心情を吐露した。【蒔田備憲】
■検察は遺族心情を配慮し起訴 証拠乏しく難しい捜査
  「(直接証拠は)上申書しかなく(検察にとって)厳しい判決も想定していたが、やるべきことはやった」。無罪判決を受け、検察幹部は淡々と語った。証拠が乏しく難しい捜査を強いられる中で、検察が起訴に踏み切ったのは、「告白」をきっかけに2人の遺体が見つかった事実を重視し、遺族の心情に配慮したからだ。
  事件から20年以上を経て見つかった2人の遺体はいずれも白骨化し、死因すら判明しなかった。津川さんの事件については共犯とされる3人全員が既に死亡。出廷した4人の証人も誰も殺害現場を見ていなかった。
  判決後、斎藤さんの遺族の代理人弁護士が記者会見し、「検察には控訴を求めない」と明らかにした。裁判が続けば、事実上、死刑執行がさらに先延ばしされる。2人の遺族の同意が得られれば、検察が不控訴を選択する可能性もある。【金寿英】
 最終更新:12/13(木) 21:50 毎日新聞

 ◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
――――――――――――――――――――――――
2人殺害関与告白の死刑囚 矢野治被告に無期懲役求刑 2018/11/26 (判決⇒12月13日) 
-------------
確定死刑囚〈矢野治〉の告白 事件を闇に葬ろうとした「警視庁」ジレンマ八百余日 『週刊新潮』2017/4/20号

     

--------------------------------------
◇ 永田町の黒幕を埋めた矢野治死刑囚の告白(10)警視庁が捜索を始めた死体遺棄場所『週刊新潮』2016/3/17号
永田町の黒幕を埋めた矢野治死刑囚の告白(9)カタギ「津川静夫」さん殺害の背景 『週刊新潮』2016/3/10号
永田町の黒幕を埋めた矢野治死刑囚の告白(8)10億円利権でカタギを手に掛けた 『週刊新潮』2016/3/10号
永田町の黒幕を埋めた矢野治死刑囚の告白(7) 遺族証言と一致 実行犯・秘密の暴露『週刊新潮』2016/3/3号
永田町の黒幕を埋めた矢野治死刑囚の告白(6)「斎藤衛」とは別の、もう一つの殺人『週刊新潮』2016/3/3号
永田町の黒幕「リュー一世(斉藤衛)」を埋めた矢野治死刑囚の告白(5)『週刊新潮』2016/3/3号
矢野治死刑囚の告白 (3)(4)結城実氏「リュー一世(斉藤衛)を遺棄した経緯」週刊新潮2016/2/25号
永田町の黒幕「リュー一世(斉藤衛)」を埋めた矢野治死刑囚の告白(1)(2) 週刊新潮2016/2/25号
「他の人物も殺害した」前橋スナック乱射事件の矢野治死刑囚が警視庁に文書提出 平成26/9/7付
...........


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。