【伝統芸能】
2018年12月12日水曜日 夕刊
子方に恵まれて 自信の「牛盗人」20回節目「万作を観る会」
野村万作が名古屋で開いている「万作を観る会」が来年一月二十日、二十回目を迎える。節目の公演では、自身も子方(子役)の頃から演じ、野村家で大切にされている「牛盗人」を上演する。
藤吾三郎(万作)という男の息子(松原悠太)が、牛を盗んだ父の罪を奉行(野村萬斎)に告発する。奉行から褒美の希望を尋ねられた子は、父の助命を願い出る。他人に父を告発される前に、自ら訴え出て父を救おうとする、子どもの機知、親子の情愛を描いた内容で、万作は「ほろっとする狂言。こんな面もあるのかと、狂言の幅を感じてもらえたら」と話す。
上演機会の少ない稀曲だが、大げさな物言いをする写実的な藤吾三郎、子に同情して涙を流す情緒的な奉行、かれんな子方の三人のバランスが良く、完成度は高いという。
この作品では、子方が鍵を握る。かつては子の萬斎、孫の裕貴も演じた。昨年東京で上演したのに続いて出演する小学三年生の松原は、四年前から万作に師事。「この子がいるおかげで、この作品ができる。ぜひ名古屋の皆さんにも見ていただきたい」と、東京以外で初めて疲労する。
「英語には、主役を食う役という意味で『シーンスティーラー』という言葉があるようで。僕は牛を泥棒しますが、彼は場面を泥棒してしまいます」。良い子方に恵まれ、作品の出来に自信を見せる。
前半は「蚊相撲」と「棒縛」の二番。
午後二時開演、名古屋能楽堂。(以下略)
◎上記事は[中日新聞]からの書き写し(=来栖)
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万作の会
かわら版
2019/1/20(日)開催「万作を観る会」名古屋公演 一般発売情報【12/7(金)午前10時~発売!】
新春1月20日(日)名古屋能楽堂で、野村万作主宰の狂言会「万作を観る会」第20回公演を開催いたします。
今回万作が勤めるのは、笑いの要素がない異色作『牛盗人(うしぬすびと)』。長きに渡り狂言を通して笑いのみならず人間を描いてきた、万作の芸をご堪能いただける名曲です。萬斎が太郎冠者を勤める狂言の代表作『棒縛(ぼうしばり)』、蚊と人間が相撲を取るという、狂言ならではの楽しさに溢れる『蚊相撲(かずもう)』と合せ、ぜひ能楽堂でお楽しみください。
チケットの一般発売は12月7日(金)午前10時から。プレイガイドで完売の場合は、万作の会のお電話にてキャンセル待ちの受付を承りますのでご利用ください(TEL:03-5981-9778 受付時間:平日11時~17時)。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております!
★「万作を観る会」名古屋公演 ※詳細はチラシを御覧ください(当ページ最後に掲載)
日程:2019年1月20日(日)14:00開演(16:20終演予定) 於・名古屋能楽堂(愛知・名古屋城正門前)
番組:解説 林和利
狂言「蚊相撲」 石田幸雄・高野和憲・深田博治
狂言「棒 縛」 野村萬斎・野村太一郎・内藤連
狂言「牛盗人」 野村万作・野村萬斎・中村修一・飯田豪・松原悠太ほか
料金:全席指定 S席8,000円・A席7,000円・B席6,000円
※チケット一般発売:12月7日(金)午前10時~
・チケットぴあ TEL:0570-02-9999( Pコード:489-639 ※ぴあ店舗、セブンイレブンにて取扱い有)※販売サイトはこちら→ https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=1844978
・栄プレチケ92(店頭販売のみ) お問合せTEL:052-953-0777
※お問合せ先:万作の会 TEL:03-5981-9778(受付時間:平日11時~17時)
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