大きくなる。

歩いて駅まで。
駅から歩いて会社まで。

ジョギングしている人が僕とすれ違う。
直進してきたから結果道を譲るかたちとなる。
危ないもの。走って来る人にあてられたら弾みでふっとぶもの。
肩があたった。痛い。多少ふっとんだ。
危ねぇな！言われた…。
きっとペースを乱されたくなかったのだろう
ランナーは赤信号を無視して走る。

走る人にむかって自転車がやってきた。
走る人は仕方なさげに道を譲る。危ないもの。あてられたらふっとぶもの。
自転車はスピードをゆるめることなく
歩く僕の横を通り過ぎた。

自転車は邪魔だ邪魔だどけどけと言わんばかりにベルを鳴らす。
自転車の後方からバイクが走りこんできて自転車を追い抜く。
信号が、もう赤にかわろうかとしたその瞬間
ま、いいか、いけるかなとふんだバイクが直進。
そこへ左折車。
車は急ブレーキ、“ブッブーッ！”
一旦よろめいたバイクはすぐに体勢を立て直し横目で車をチラ見。
バカヤロー！危ねーじゃねーか！
車からの怒鳴り声を背でかわしバイクは逃げるように走り去る。

後方からダンプにブーッ！とあおられた停車中の乗用車はあわてて走る。
ダンプがけたたましいエンジン音で乗用車の後に続いた。
僕はゆっくり歩く。
駅で明日からの出張のキップを買ってまた歩く。

人は徒歩から走りへ、自転車、バイク、車、大型車
そしてその上の乗り物へ
大きくなればなるほど、気も大きくなるのだろう。
どんどんとえらくなっているような縮図が見える。
本来ならば強者から弱者へいたわりな流れが逆にあったほうがいい。
立場が逆転する時は、何か事故が起きたとき。
法律のもと、なんとなく弱者は強くなる。
むこうから飛び出してきたのに…。
人間の地位に基づいた社会でも同じような縮図が見えるような。
今朝の一連の風景をみながらちょっと笑ってしまった。

夏休みが終わる。

めけめけ～。