時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

去年の冬、きみと別れ

2018-03-21 | 読書
ライターの‘僕’は
有名な写真家である
‘彼’に会いに行く

自身の
写真のモデルだった
吉本亜希子と小林百合子を殺害した
被告人の‘彼’に

何故かって?
それは
‘僕’が
‘彼’についての
本を書くためだ

‘彼’の名は‘木原坂雄大’

何故
木原坂は2人のモデルを焼いたのか?




‘僕’は
その真相を探るため
木原坂本人はもちろん
その姉・朱里
唯一の友人・加谷
K2メンバー
親交のあった
天才人形師・鈴木を取材していく

取材をしていくうち
‘僕’自身に
ある疑問が沸いてきた

なぜ
木原坂は
愛した被写体を殺し
燃やしてしまったのか
いや、違う…
被写体が
人間が燃えている時の情景を
なぜ
木原坂は撮らなかったのか
せっかく燃やしたのに…


‘僕’は
魔性の女である
木原坂の姉・朱里に誘惑され
彼女の虜になっていく

あなたに見せたいものがあるの
私の本性が写ってるの
見て…
…助けて…くれる?
……殺して欲しい人間がいるの


人形師の鈴木が
‘僕’につぶやく
本当に
芸術だけで人は人を
殺せるのでしょうか

と…



去年の冬、きみと別れ

去年の冬
誰がきみと別れたのか

きみとはをさすのか?
きみと別れたのは

単純に考えれば
きみと別れたのはライターの‘僕’… 映画では岩田剛典さんが演じたライター「耶雲恭介」
別れたきみは‘雪絵’(僕の別れた彼女) … 映画では山本美月さんが演じている婚約者の「松田百合子」

なんだけど
ハズレ~~~

タイトルから
騙されてるσ(^_^;)

木原坂の姉朱里
始めは
加害者の唯一の身内で
世間の目から
逃れるように
隠れるように
生きていると思ってました
幼い頃
父親に虐待され
その父親から逃げ
弟の
木原坂雄大と共に
片寄って
施設で暮らしてきた
頼れるのは弟だけ

朱里 = つつましやかな控え目な女性

そんなキャラ設定なのかと思いきや
‘僕’が誘惑されてる…

木原坂雄大との
近親相姦的な関係
だけでなく
実は
百合族?



取材をしていく中で
‘僕’が抱いた疑問
なぜ
木原坂は
愛した被写体を殺し
燃やしてしまったのか
いや、違う…
被写体が
人間が燃えている時の情景を
なぜ
木原坂は撮らなかったのか
せっかく燃やしたのに…

本当に
芸術だけで人は人を
殺せるのでしょうか


そ~なんですよ
そこまで
出来るものなの?
他に
何か理由があるのかもしれない

木原坂姉弟の
忌まわしい過去
その屈折した生い立ち

殺人を犯したのは
姉・朱里に
心身共に支配されていたから?

朱里が
吉本亜希子と小林百合子
それぞれの関係に
破綻をきたしたが故の
殺害だった?

愛する姉を
誰にも
取られたくないための殺害?



唐突に
‘僕’が
本の制作から降りると言うシーン

以降
‘僕’が
収集したと思われる資料の羅列

木原坂10歳の頃の作文
小林百合子のツイッター
小林百合子の手記

木原坂のスタジオ

小林百合子が
殺されるシーンの描写
と思いきや
男が
巨大なトランクを運んできた
中から朱里が…

???
朱里

気が付けば
‘僕’≠ ライター

‘僕’= 編集者 (映画だと北村一輝さんが演じている「小林良樹」)

唐突に現れた編集者

去年の冬、きみと別れ

去年の冬
誰がきみと別れたのか

きみとは木原坂朱里 
きみと別れたのは編集者

なんですよぉ~


そ~きたかぁ~



とどめがこれよ

物語の最初のページには
彼らの名前を書くことになる
……でも日本人には気恥ずかしいから
アルファベットにしよう
これは「小説」だから
本文では仮名を用いたけど
そこには彼らの本名を
まずは
あの死刑になるカメラマンへ
そして
大切なきみに

死刑になるカメラマン = 木原坂雄大
大切なきみ = 木原坂朱里

と思いきや

死刑になるカメラマン = 木原坂雄大 
大切なきみ = 吉本亜希子

当然
イニシャルは
木原坂雄大 K.K
吉本亜希子 A.Y 或いは Y.A

のハズなのに

片方には
増悪の表れとして
そして片方には
愛情の表れとして

M.M へ、そして J.I に捧ぐ
 
ど~ゆ~こと⁉

木原坂雄大 吉本亜希子 って
実名じゃないんだ!
なら
登場人物全てが仮名

「去年の冬、きみと別れ」って
既に本として完成されていて
それを読まされてたのってことか…

意味わかりませんよね
スイマセン
完全ネタバレ知りたい方はコチラ
大変明確な解説ですよ

イニシャルについてはコチラ

原作と映画
設定も展開も
かなり
違ってるんだろうなぁ~
別ものになってるかも
そんな気がする


            

    写真は映画.comより引用しています

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