時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

ジーン・ワルツ 3

2011-02-12 | 映画
帝華大学病院・産婦人科
大病院の名に相応しく
待合室は
幸せそうな女性たちで溢れている
彼女たちと
笑顔で言葉を交わしながら颯爽と歩くのは
産婦人科医にして
帝華大学医学部助教でもある曾根崎理恵



医学生たちの前で
教鞭もとる彼女は
体外人工受精や代理母出産の必要性を説くこともしばしば
厚生省との関係が深い上司
屋敷教授からは‘要注意人物’とみなされ
衝突することも少なくなかった
そんな理恵を
複雑な思いで見守っているのが
同僚でもある准教授の清川吾郎

二人は
かつて産科医院・マリアクリニックで
共に医学を学んだ仲間でもあった



だが
院長・三枝茉莉亜の末期の肺癌であることが判明
茉莉亜の一人息子・久広の医療過誤逮捕事件
そして
理恵の体を襲ったある悲劇をきっかけに
それぞれの進む道は大きく分かれ始めていた

理恵は
帝華大学の助教を務めながら
茉莉亜院長代理として
マリアクリニックで業務を代行する日々

一方
近い将来
教授の地位を約束されている清川は
理恵にひとりの女性として
特別な感情を持ちながらも
彼女の過激な主張
言動に当惑を隠せないのだった



そんな中
閉院間近となったマリアクリニックには
最後の4人の患者が定期的に通っていた

身ごもった胎児が
自ら生命維持が出来ない
‘無脳症’であると判明した
27歳の甘利みね子
未婚で妊娠
安易な中絶を望む20歳の青井ユミ
長年にわたる不妊治療の末
悲願の妊娠をした39歳の荒木浩子
顕微授精により
双子を妊娠している55歳の山咲みどり

そして
謎のジャーナリスト田中美紀が理恵を訪ねてくる



だがある日
清川は
医局のひとりから
マリアクリニックで
日本では認められていない
代理母出産をしているらしい
と言う話を聞かされ
その真意を確かめるため
理恵のもとへ…

帝華大学を退職した理恵は
どんな状況でも
出産を望む女性
母となりたいと望む女性を受け入れると
マスコミの取材を通じて
公言した

現行の医療体制を
組織の中から改革しようとする清川
組織を離れ
今の現状に対応しつつ
改革を進めようとする理恵



産婦人科の医師不足や妊婦のたらい回し
医療事故による産婦人科医の逮捕
人工出産による生命倫
諸々の矛盾・葛藤が渦巻く中
遂に
マリアクリニックでの出産が始まった…

折りしも
大型の台風がマリアクリニックを襲う!
十分な設備が整わぬ中
理恵は…



海堂尊原作
ジーン・ワルツ(2010-11-04)の映画化

予想通り
2時間と言う
限られた中で原作の世界観を
忠実に表現するには
無理でしたね

生命の起源
その神秘の領域に踏み込む
医療技術の進化
再生医学もしかり!
これまでの
倫理観が根底から揺らぎ始めている現在
新たな価値観と申しますか
法規の早期改定が望まれているのであります

この作品は
現実的且つ重要なテーマを盛り込んだ
良作品だと思います
単なる医療ミステリーと
言ってしまうにはもったいない!



なので映画化は
もう少し
頑張って欲しかったです

奇を狙ったような後半の出産シーンの演出
受精卵の提供者を
あっけなくバラしてしまった脚本

ん~

原作に忠実に従った方が
ミステリー感アップしたと思います

原作を読んで
普通に生まれてくることが
当たり前と思っていた自分の無知さ
己が
いかに多くの困難を乗り越え
そして
数少ない幸運に恵まれて
この世に誕生したか
この軌跡&奇跡の重さを感じた訳ですが

原作を読まず
映画を先に見ていたら
どうだったかな~

浅丘ルリ子さん
引いた…




       

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