時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

古着屋総兵衛影始末4 ~停止!~68

2010-05-07 | 読書
紅の隈取りも鮮やかに
荒事を披露する市川団十郎
中村座に
やんやの喝采が響きわたる
‘影’との激闘に勝利した大黒屋総兵衛は
芝居見物に興じていた
ところが
幕間に当の成田屋が刺殺され
それを契機に
またもや
総兵衛の周辺に
柳沢保明一派による
大黒屋潰しの攻勢がかけられ~

松太郎こと
江川屋彦左衛門は

上方で手をつけた女つやを囲い
(金もないのに)
その上
大黒屋の駿府丸を襲い
番頭ら5名を殺害
奪った荷を横流し…
北町筆頭与力・犬沼勘解由も絡んでます

祟子と佐総をないがしろにし
総兵衛との約定を破っただけでなく
殺しまで…
もはや彦左衛門生かすまじ

祟子は
彦左衛門に見切りをつけ
総兵衛に
江川屋の行く末を委ねるのであります

駿府船を襲撃した郎党
並びに彦左衛門&つや
犬沼勘解由は
本編から抹殺されてございます
江川屋5代目には
祟子の一子・佐総がおりますし
バックには
大黒屋総兵衛がおりますし
問題ないっしょ

問題は
策士柳沢保明

失態を繰り返す北町奉行・保田越前守宗易と
次期北町奉行就任を散らすかせ
京都町奉行・能勢式部太夫の双方を
大黒屋潰しを競わせるます

保田宗易は
大黒屋総兵衛と大番頭・笠蔵を
でっち上げの罪で牢獄へ押し込め
もうひとつの顔を暴こうと躍起
その上
商停止(あきないちょうじ)

ですがですが
一番番頭・信之助を始め
少数精鋭部隊が
孤軍奮闘
更に
なんとぉ
深沢美雪が総兵衛救出に
大活躍致します

深沢美雪
ここに来て
大きく人生の方向転換です!

やられっぱなしじゃ~面白くにゃい
キッチリ落とし前つけさせて頂きやすぜい
保田の旦那~&能勢式部太夫
そして
女狐さん達!

窮地に陥り
死の際を彷徨いつつも
商人としての夢が脳裏に浮かんじゃったり
相変わらず
神君家康公が囁いたり
第二の‘影’の幻影見たり…
総兵衛の精神性には驚かされます

そうそう
祟子様との出会い以降
公卿との縁が…
今回は
能勢式部太夫の妾・五百鈴に殺された
先妻・結佳の乳母・千登世が
結佳の敵である
五百鈴を成敗する手助けを鳶沢一族が致します

結佳の父が
四位少将にして高家肝煎・六角朝純!
かなりの大物

高貴な駕籠に乗り付けて
夜な夜な総兵衛の前へ…

大黒屋総兵衛じゃな
さようにございます
六角朝純じゃ 娘のことで世話になったな
なんのことがありましょうや 私めはただ船頭のお役をしたにすぎませぬ
老女ひとりで娘の無念が晴らせるものか
能勢式部太夫は乱心したそうな
そう聞きましてございます
これで娘も浮かばれよう 千登世は頭を丸めて尼寺に入りよったわ
総兵衛 また会おうぞ


上野池之端で
総兵衛は第二の‘影’から話しかけられております
その声が
高家六角朝純と酷似…

やるね~家康ぅ~