時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

居眠り磐音 江戸双紙33 ~弧愁ノ春~72

2010-05-14 | 読書
出たぁ~新刊
待ってましたぁ~新刊


桜の季節を迎える頃
佐々木磐音とおこん夫婦は
隅田川沿い
小梅村にある
今津屋の御寮にその身を移しております

神保小路
佐々木尚武館道場の門には
竹矢来が組まれ
小梅村の御寮や両国西広小路の今津屋にも
田沼一派の役人がその目を光らせ
御側御用取次速水左近も
徳川家基の従者・依田鐘四郎も
田沼意次に封じ込められて
ひたすら沈黙するのみ

誰もが
家基を死に追いやった
黒幕の存在を意識しつつ
不条理な死に対する静かな憤りを
胸に抱いております

そんな中
今津屋の御寮を仮の宿としていた
佐々木磐音とおこんは
旅装束に身をまとい
夜の帳にまぎれ小梅村をあとにします

今津屋や長屋の住人
宮戸川…
己と関わりのある大切な人達を守るため
亡き義父・佐々木玲圓が辿った道を歩むため
敢えて棘の道を進む磐音でありました


ですが
磐音は
転んでも
ただじゃ~起きませんよ!
料理茶屋谷戸の大女将・お京から
佐野家の系図に執着する
田沼意次の不可解な行動を既に聞き及んでいる磐音ですが
佐野善左衛門政言といよいよ面会しそうです
今後そのあたりから
田沼意次のボロが出るかも…
活路を見出せるか佐々木磐音!

後半では
佐々木家の菩提寺である
浄土寺鎮西派称名寺に夫婦揃って出かけます
旅の一つの目的

寛永寺境内寒松院に埋葬した
玲圓とおえいの遺髪を埋葬する

そんな磐音夫婦に
弥助と霧子が付かず離れず
旅は続くのでありました

一方
今津屋の御寮には
尚武館道場を退いた
門番・季助
槍折れの達人・小田平助
そして白山が住まうことになりました
主・佐々木磐音とおこんの帰りを
待ちます!

他には
家系図を創作を生業とする
雹田平とか云う男が
初登場です
家系をでっち上げるだけでなく
洋人らしいこの男が
磐音の前に立ちはだかります
謎多き男でありました

新婚旅行再び~
ではありませんが
意外と
のほほんとした旅描写で
安堵致しました

追っ手をかく乱する為奔走する
おこんの帰りを
宿で1人待つ磐音なんてシーンもあり

家で待つ女衆の気持ちがようわかった
そなた(おこん)の身が心配でな…
心配で居ても立っても居られなかった


なんてシーンもありました


ですが
暮れに出産するらしいおこん…
9ヶ月後
2人は何処にいて
世間はどうなっているのやら…
無事
出産にこぎ着けて下さい!