「桜色の風が咲く」 PG12 松本准平監督 ○ ☆☆
盲ろう者で初めて大学教授になった福島智さんと母令子さんの実話を基に映画化しました。
3人兄弟の末子智は幼児期に視力をなくします。献身的な母親(小雪)教師の父(吉沢悠)、二人の兄に囲まれ智(田中偉登 たなかたけと)は元気に盲学校の高等部に入学、親友もできささやかな恋心を抱く相手も現れます。ところが今度は聴力まで失ってしまうのです。
孤独と絶望に苦しむ息子とのコミュニケーションを取るため令子はとっさに指点字を試します。それがきっかけとなり、精神的に立ち直った智は「光も音も感じないが考えることはできる。きっと自分にしかできないことがある。」と復学し前を向いて歩き始めるのでした。
12年ぶりの映画出演という小雪が辛く苦しい母親を好演しています。こういう人がいることを全く知らなかったのでそういう意味でも意義のある作品です。母親を取られてしまっている兄弟のストレスや権威主義の医師(リリー・フランキーがうまい)なども描いています。
いわゆるお涙頂戴の難病ものに終わらず観客にも前向きに生きようという勇気をくれる秀作です。(☆☆)
映倫へ質問、なぜ「PG12」の年齢制限がついたのでしょうか?
日本語字幕が大変わかりやすくできれば全作品につけてほしいものです。
タバコは、なし。無煙です。