「宮松と山下」 関友太郎、平瀬謙太朗、佐藤雅彦監督 ☓☓☓ PPホープ
関、平瀬、佐藤の3名による監督集団「5月」による初長編映画です。
サムライに切られたかと思うとヤクザに撃たれ、夫婦で歯磨きをしていたり・・・。映画のエキストラとして重宝される宮松(香川照之)ですが実は過去をなくしていました。突然「テレビを見ていて気がついた」というかつての仕事仲間(尾美としのり)が京都の撮影所に訪ねてきました。実は「山下」という名でタクシー運転手をしていたのです。成り行きで妹に会うためにかつて住んでいた横浜へやってきますがそこで、妹が結婚した相手(津田寛治)と出会います。過去が少しずつ思い出せるのですが・・・。
エキストラの場面なのか宮松の実生活なのかなかなか明らかにしない脚本が面白いです。「自分は一体どんな人間だったのか?」最後まではっきりさせずちょっと未消化のまま終わってしまいます。そういう不満はありますが、映画ファンには撮影の裏側を見ることができ別の満足感はあります。
タバコは、制作があの「電通」ですからタバコの宣伝が非常に巧みで記憶を取り戻すきっかけが「ホープ」を吸うというこれ以上ない宣伝効果でした。
できたての監督集団にはきっと資金不足だったのでしょう。そこへ入り込むところが流石です。
喫煙させられていた香川、尾美、津田の3人はいずれも1965年生まれ、そろそろタバコ指数による健康被害が出てくるお年頃なのでは・・・。お気の毒に。