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無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

影裏

2020-02-17 | 2020映画評


「影裏」 大友啓史監督 ☓☓タバコネタ異常に多い

 沼田真佑の芥川賞小説が原作です。
 転勤で盛岡に来た今野(綾野剛)は同僚の日浅(松田龍平)に声をかけられ、酒を飲んだり、釣りをしたりと親しくなります。ところが日浅は突然仕事を辞めてしまい今野は心配しますが、しばらくすると、転職をしたからと新しい名刺を持って何事もなかったかのように現れます。今野は振られたこともあり距離を置くようになりました。そんな折大震災が起き、日浅が犠牲になったのではないかと消息をたずね父親(國村隼)や兄(安田顕)に逢いますが、ふたりとも「あんな奴はどうなってもいい。」と突き放すのでした。
 
全体的に「影裏」というだけあって暗いのですが、それが暗すぎです。登場人物の顔を斜め下から超大写しで捉えるカメラは見たくもない毛穴まで映し出します。ラストの光を見せるためとはいえあまりにおおげさに暗すぎです。
 日浅がやっていたことはどこにでもありそうな悪でサスペンスというほどの謎もありません。
 ひとつだけきれいだったのは、冒頭の綾野剛の足で「なるほど」と思わせます。ゲイの話なら「おっさんずラブ」で十分かな。

 タバコは、二人の出会いが禁煙の場所で松田が喫煙しているのを、綾野が注意するというきっかけです。また、松田が吸いかけのタバコを綾野に渡し、綾野は吸い殻を自分が飲んでいた缶コーヒーの中に捨てるというとんでもない場面がありました。缶をリサイクルという発想がないらしい。時間の経過を吸い殻の数で表現する昭和の演出もありました。
 盛岡テレビの記念映画なので岩手の風景が織り込まれていますが、渓流釣りでタバコを吸い、あの吸い殻はどうしたのか?という環境破壊の疑いもありました。
結論としては思わせぶりなタバコ宣伝映画です。松田の母親が製作に名前を連ねていますが、タバコへの警戒は一切無いようです。