
「長いお別れ」 中野量太監督 ○ 配給アスミック・エース
中島京子原作の認知症の父親とその家族を描いた同名小説を映画化しました。
校長まで務めた東(山崎努)は70歳を迎え認知症が疑われる行動を取るようになりました。妻(松原智恵子)は近くにいる次女芙美(蒼井優)とアメリカに住む長女麻里(竹内結子)に今年の誕生会は必ず来るようにと連絡をします。その後、3人はそれぞれの生活に追われていきますが、年を追うごとに父親の症状は顕著になっていくのでした。
3人の女性たちが直面している問題(恋人のこと、家族のこと、自分と夫の健康など)が客観的には結構深刻なはずなのになんとなくのほほんとしていて実感が伝わりません。特に何年もアメリカで暮らしていながら「サンキューベリーマッチ」程度の英語しか話せない長女はありえません。
また、経済的なことが完全にスルーされていて長女はアメリカから度々帰国したり、次女は移動食堂で失敗したりしてもほとんどお金のことが話題にもならないのは現実的ではなさすぎでした。
ラストで認知症のことを英語では「ロング・グッドバイ」と表現するというやりとりがあり、そこは勉強になりました。
タバコは、さすがに山崎努も喫煙せず、無煙でした。
芸術文化振興財団の補助を受けています。