
「初恋 お父さん、チビがいなくなりました」 小林聖太郎監督 ☓
晩年を迎えた夫婦の感情のすれ違いを描きました。
3人の子どもを育て上げ、夫(藤竜也)は週に何回か仕事に出かける以外は将棋道場に通い、妻(倍賞千恵子)は相手にもされないそんな生活に嫌気が差してきた頃、愛猫のチビがいなくなってしまいます。必死になって探す妻を「もうどこかで死んでいる。」という夫の言葉に妻は傷つきます。それまでの鬱積と夫が妻には内緒で他の女と会っていることなどが重なり、娘(市川実日子)に「お父さんと別れようと思う」と打ち明けます。
帰宅すると椅子に座り、妻に靴下を脱がさせ、上着は廊下に放り出し、家のことは何もしない「昭和の夫」には呆れるほかありません。さっさと放り出すべきでしょう。特に「ネコ探し」に使うお金を「元はといえば俺の金だ。」というセリフは同じ「昭和」の時代でも「戦前」のセリフです。本当に好きならそういう振る舞いをしないと相手には決して伝わりませんね。
タバコは、相変わらずこちらも「昭和の男」で、藤竜也が将棋道場で平気で喫煙していました。(☓)この点からも別れたほうが妻の健康にもいいのではないでしょうか。
ところで、倍賞千恵子はもっと美しい役をしてほしいです。「生活に疲れたおばさん」役ではなくもっと情熱的な役で見てみたいものです。