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無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

生きているものはいないのか

2012-03-27 | 2015以前の映画評


「生きてるものはいないのか」 石井岳龍監督 ○

 前半は病院が併設された大学のキャンパスで都市伝説研究会のメンバーが病院地下のウィルス実験室の話をしていたり、大きな事故があって列車は止まっているという話や、カフェでは三角関係のもつれた話をしていたり、病院職員に医者が告白しようとしていたりと普通に起こり得る状態を描きつつ、でもちょっと笑えるような世界を紹介します。
後半は原因不明でなぜか次々と人が死んでいきます。ラストには一人残った若者(染谷将太)が沈む太陽を眺めている場面で終わります。その時、飛行機も鳥も地上に落ちていくのでした。
 奇妙な作品ですが、観客は原因不明で次々死んでいくことをそれぞれが勝手に解釈できる奥の深い作品ともいえます。たとえば放射能に汚染されているということはこの映画のようなのかもしれません。また、死んでいるのは肉体ではなく、心が死んでいるということを表現しているとも解釈できます。そういう意味ではおもしろい作品です。
 タバコはなし。無煙です

海燕ホテル・ブルー

2012-03-27 | 2015以前の映画評


「海燕ホテル・ブルー」 若松孝二監督 ××× PPハイライト

 強盗傷害の事件を起こして7年服役していた幸男(地曳豪)は、服役後強盗の当日雲隠れした洋次を探します。伊豆大島へたどり着くと洋次はひとこともしゃべらない不思議な女梨花(片山瞳)とバーを営んでいました。幸男を殺そうとした洋次は逆に殺され幸男が洋次に代わって店を継ぐのでした。しばらくして警官が身元調査に来ますが梨花の記録が何もないと言います。その後いくつか事件は起きますが結局男たちはみんな死んでしまいます。最後に梨花が「愚かな者たち」と叫びます。
 原発事故に対するバーの客の叫びは監督の怒りでしょうか。また、荒涼とした荒野を走りさまよう幸男や梨花の姿は放射能で汚染された世界を表しているのでしょうか。
 梨花は長い髪に白いドレスで紫の傘をさし、時には豊満な肉体をさらけ出して男たちを狂わせます。その上、バーではいつもだまってタバコを吸っていました。それが実は観音菩薩の化身だったとは、ギャグなのか真面目なのかよくわかりません。制作意図もただ、片山瞳のデカパイを見せたかっただけにしか理解できませんでした。
 タバコはとにかく片山瞳の喫煙シーンが多く実に気の毒でした。それに観音菩薩が喫煙者っていうのは納得できません。「愚かな製作者たち」と叫びたいです。そのほかPPとしてハイライトが出てきました。