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カエルが楽しく笑う庭

両生類を主体として彼等を取り巻く都会の自然環境と、投稿者のつれづれなる思い

井の中のカワズ

2007-01-30 05:36:27 | されど天の高きを知る←井の中のカワズ大海
  「カエル笑む庭」の広さは6坪ほど。角地に建つ二階建ての家の三辺を土壌地帯が取り囲んでいます。南西向きに植えられている ”青しだれ、木瓜、深山躑躅(二本)、南天” 等の木々は植えてから40年も経ち私の丈より高くなっています。いずれも植木好きだった亡父が遺したものです。この庭に棲むカエル達は、気温10℃以上の時期には、これらの樹々の根元を歩き回りますが、11月には庭の隅に冬眠します。

  オタマジャクシ時代を過ごし、夏には水浴を楽しむ睡蓮鉢の深さは20センチ強、他の古ツボの深さ約30センチ。つい先だって埋めた手捻リの擂り鉢は直径30センチで深さ約10センチ。頸部を持たないカエル達の大きな目は突出気味なので、上方が良く見えるのではないかと想定し、今月半ば一本の躑躅の木にリンゴの八つ切りを、背が低い方にミカンの半裁を、それぞれ焼き鳥用の竹串に刺し、輪ゴムで枝に固定して留めました。
 
  翌日に一羽のメジロが、二日目には一組の番のメジロが、翌々日には四羽のメジロが隣家との開け放たれた空間の電線にとまってチイチイと鳴き交わす様は、何だか餌場所を教え合っているみたいでした。朝8時すぎ頃から辺りが暗くなり始める4時すぎ頃まで、入れ替わり立ち代わり、リンゴとミカンを啄みに来ます。勝手口の鉄線入りの透視ガラス戸越し3・40センチ先に、メジロの愛らしい姿と食事風景を見る事ができる幸運を味わっています。でも時折ヒヨドリが来て、行儀悪くリンゴとミカンを突ついて、時には地面に落として行きますが。

  狭い庭でも、時たまネコが邪魔するだけの安全な場所なので、カエル達が存分に自然を満喫してもらいたいと考えていました。彼等が高い天を見上げたとき、餌を啄む野鳥を、家壁を這うヤモリを、暖かい雨降り時に何故か青しだれの幹を登るナメクジ達を、と庭の森羅万象を全て見て欲しいと願って、リンゴとミカンを葉隠れ枝に毎日せっせと括り付けています。
 
  Imgp10804_1
番メジロに気付かれないようにガラス戸に下げている自然木の簾が、写真の右半分に黒く写っています。番の一羽が上方のリンゴに夢中で、下のメジロはミカンを頬張ったとき嘴の外側に付いた餌の擦り取りを小枝で終えて、一休みしている姿です。