軽井沢ル・ボン・ヴィボン

Le Bon Vivant

クリスマス・年末年始が近づいてきました。
お店もあちこちにクリスマスの装飾が入って、賑やかさを増しています。


この話は、以前にも書いたことがあるような気もしますが
「お店の名前ってどういう意味?」
お客様からよく聞かれる質問です。

直訳すると「良い生き様」とか「良き人生」にあたり
イタリアで言う
「アモーレ(愛する)カンターレ(歌う)マンジャーレ(食べる)」
のような掛詞で
フランスで「フランス人らしく生きる」というような意味を持つ慣用句。
定冠詞のle(英語で言うところのthe)が入ることによって
特定化されるので
結果、意訳として楽天家や美食家という意味に使われているようです。

僕にとっては吉祥寺のLe Bon Vivantから
暖簾分けで使わせていただいている店名でもあるので
大切にしてきた名前です。

当初は分かりにくいとか、覚えにくいとか言われて
店名を変えたほうが良いんじゃないかと思った時期もありますが
常に「大切にしている名前です」「覚えてください」と返し
この名を信じ続けてきました。

時は巡り、今では普通に感じるほど定着したのではないか
という印象を持っています。
そして吉祥寺は45年、僕のお店も25年を数えようとしています。
これこそありがたき幸せ。

フレンチというのは実に難しいジャンルで
ニーズが細いのが悩みどころ。
特にフルコースともなれば堅苦しい印象があるんですよね。
カジュアルな料理には到底敵わない。
実際ヨーロッパを見てみても(フランスは除く)
どの国でも受け入れられているのはカジュアル系のイタリアン。
ファインダイニングに限っては、様式としてはフレンチが基本ですが
様式だけであり、中身は現地にローカライズされています。

でもそれで良いんじゃないかな。
日本では概ねどこに行ってもフレンチはジャパフレンチ。半分日本料理なの。
それはイノベーティブであっても同じ。
これは免れられなくて
日本の食材で作ればどうしてもそうなるの。日本人が作っていればなおさら。
ヨーロッパで本物のフレンチを食べれば痛感します。
食材も思考も全て、違いが歴然なので。

そんなわけで食べる側とすれば
日本のフレンチは日本人にとっては受け入れやすく
それほど緊張感はないものです。
ぜひ次の記念日にはフレンチはいかがでしょうか。

Le Bon Vivant
この名前の良さは年月を重ねることによって
じわっと感じるようになりました。

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