軽井沢ル・ボン・ヴィボン

お客様がゼロの日

このブログを見てくださっている人の中には
同業の方もいらっしゃるのではないかと推測していますが
皆さんのお店ではお客様がゼロの日はありますか?

また昔話をしますが、僕がお店を開業したのは8月で
避暑地である北軽井沢は夏のピークの真っ只中。
多い日は昼夜トータルでお客様が100人
ノーゲスト(お客様が来ない)という心配はほぼありません。

やはり気になっていたのは冬。
年を越えて1月の寒い夜にその日はやってきました。
ある夜、ずっと待っていたけど誰も来なかった。

僕が東京時代に働いていた吉祥寺のLe Bon Vivant は
あり得ないレベルの人気店で、平日も休日も関係なくいつも大盛況。
Le Bon Vivant 以外にもアルバイト等でいくつかのお店を経験していましたが
さすがに東京。お客様が来ない日というのはありませんでした。

自分自身が自分のお店で初めて、お客様が来ない夜を迎えて
あり得ないほど狼狽し、あちこちにある物を投げ付けて
店で一人、大泣きをしました。

これが地方の厳しさ。
自身の不甲斐なさを嘆き、自信は喪失し、深い心の傷を負いました。
そこから少しずつ立ち直り
また春が来て、夏を迎え、秋が過ぎ、自信を取り戻しても
冬にまたお客様が来ない日を迎えて心を抉られる。

小さい子供達もいて、心理的にも経済的にも余裕なんて無い日々でしたから
受け入れるのは大変だったけど
そんな事を何回か繰り返していると徐々に分かってくるんです。
「一日くらい売り上げがなくても大丈夫」
そんな事を何年も繰り返していると徐々に考えが変わってきます。
「冬はオフでいい」(笑)
休むことも大事だし、インプットの時間も必要だと理解するようになりました。
ただしそれは(経済的な)猛烈な不安とのトレードオフですが。

スタートから9年間
週一回の定休日以外は(ランチもディナーも)ほぼ休まずお店を開け
その間は一度も、海外はおろか飛行機にすら乗らない日々でしたが
最初の移転を機に心境が変わりました。

数字を年間トータルで見ると(繁忙期には無理をする部分がありますが)
この業界でも週休二日は可能であり
あくまで年間として考える必要はありますが
「平均して週休二日」で運営できるように設定を変えればいい。
という事に落ち着きました。



でも実情としては、お客様がゼロの日をさらに加味して
「平均週休3日」でも運営できるような設定が必要です。
この部分が都市部と地方のギャップと言えます。
そうでなければ研修にも行けないので、ゼロもプラスと受け止めて。
一つ本音を言えば、それでもノーゲストはつらいです。

若かりし頃のような「昼も夜も大奮闘」ではないけど
今でも当たり前に、一般的な「ハードワーカー」程度には働いてます。
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「お店のこと」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事