むすぶ つなぐ

「悪の枢軸」とされる国から思いつくまま……。

伝える天才

2008年11月03日 23時57分19秒 | Weblog
昨日に続いてダライ・ラマ14世。
東京・有楽町の日本外国特派員協会の記者会見には、300人もの報道陣でごった返した。

会見は1時間強に及んだが、やはり引き付けられっぱなしだった。
カタカナをつづったような超スローな英語。難しい単語は使わず、短文をつないで終始わかりやすく語る。
「英語難民」の私にとっては本当~にありがたい限りだ。

ノーベル賞受賞者にもなった平和の象徴、ダライ・ラマ氏の魅力は、決して飛びぬけたカリスマ性でも何でもない。
過不足ない言葉で、万人に伝わるように真理を説く全身全霊をかけたその姿勢だ。
決して飽きさせないように、ユーモアを随所に交える。手振り身振りで、時におどける。
メッセージを伝える天才だと感じた。

難しいことを研究したり、難しいままに話す人はたくさんいる。
それが真理に近いものであればあるほど、本来は優しい言葉で、相手の立場を考えながら伝えるべきなんだろう。きっと。
ただ、伝えることを仕事にしている研究者や政治家、メディア……がどれだけできているだろうか。

ダライ・ラマは会見中、そばにいる側近に何度も忘れかけた英単語を尋ねたり、具体的な数字や固有名詞を忘れると「私の頭はプアーだから。ハハハハ……」と豪快に笑った。
職場や身近な場所でも同じだが、「真のリーダー」は決して気取らないし、自分を大きく見せようとはしない。

http://mainichi.jp/photo/news/20081104k0000m010034000c.html

器の大きさ

2008年11月03日 00時28分11秒 | Weblog
握手した時の柔かい感触から、人柄が少しだけ伝わってくる気がした。
来日中のダライ・ラマ14世の共同インタビューが2日午前、東京都内であった。

チベット仏教の最高指導者ながら、特別なオーラは感じさせない。
むしろ親しみやすさを前面に出し、73歳ながら表情豊かで、ユーモアたっぷりに大事なことを説いていく。
その印象的で愛嬌ある話しぶりから、欧米の著名人、知識人に人気がある理由もわかる感じがする。

インタビューでは、愛と慈悲、宗教間の調和の大切さを訴え、平和への祈りを込めた。
チベットから亡命した歴史を説き、進行中の中国との「対話」には今も大きな困難が立ちはだかることを強調した。

途中、メディアへの注文もあった。
「日本はなじみがないが、インドの象は何で鼻でかぎ分ける。メディアは象のような長い鼻を持つべきだ」と。

どんな深刻な話でも落ち着いた口調を保ち、時に笑い飛ばす。
じんわりと記憶に残るのはやはり「器の大きさ」だ。
それもかなり巨大だ。

http://mainichi.jp/photo/news/20081103k0000m030055000c.html