むすぶ つなぐ

「悪の枢軸」とされる国から思いつくまま……。

コミュニケーション

2009年05月31日 22時59分33秒 | Weblog
泊まり明けで帰宅途中の地下鉄。
前の席にきれいな若い女性2人組が座った。



手ぶりを交え、妙に表情豊かに話し始める。
けれど、声は聞こえない。

あ。手話だった。
じっと目を見つめ、口も手も顔も動かしながら、一生懸命コミュニケーションしている。
何と言ってもめちゃくちゃ楽しそうだ。



コミュニケーションの深さって、表面的な身体能力やITによる利便性、速さとは無縁だ。
ネット上の一方的なコミュニケーションがはびこる中、当たり前のことを教えられた気がした。



こころのボーナス

2009年05月31日 03時54分34秒 | Weblog
時に忙しすぎたり、ヒマすぎたり。
仕事って一定ペースでは、なかなか進まない。
余裕がなくなると、つい出てきてしまう、ぐち、グチ、愚痴……。



海外の特派員からかかってくる電話も、時に愚痴っぽい雑談になることがある。
こちらではわからんストレスもあるんだろう、きっと。

愚痴るのは一見ネガティブな行為。
ただ、能天気なだけで仕事をしない記者よりは、前向きに目標を掲げて現状を愚痴ってる記者の方が、将来的にいい結果に結びつくこともある。
要は、愚痴り状態から抜け出して、どこを目指すか……。



抜け出すために、自分にとって必要なのはこれだなあ。

「ああ、こころのボーナスが欲しい~♪今すぐに~」


◆こころのボーナス/忌野清志郎




証し

2009年05月31日 03時19分03秒 | Weblog
また、共著が1冊増えた!感激。
といっても、たった2ページだけ……。



テレビや通信社の記者は、活躍の場も一見華やかだし、待遇もいい。
うらやましい部分はたくさんある。
それでも、活字になってずっと形として手元に残るという点で、やっぱり新聞記者の方がいいなあ。
たとえ、ちっぽけな記事であっても、自分の存在意義も確認できる。
それが拙い記事で反省材料であったとしても……。



さらに。
活字が本になって長く残れば、記者としてこれ以上うれしいことはない。

本の最終章を書くためだけに、何年もかけてもがいている学者の友人がいる。
単なる商業ベースの出版とは違い、本人が学問的に納得しなければ、本を出す意味もない。

きっと、本を書くって、いろんな「証し」を示すことなんだろう……。

ただめし

2009年05月30日 13時42分28秒 | Weblog
人を責めたり、貶めたり……。
メディアの活用法が、ネガティブな方向に拡大している。



そんな中、書かれた人にも、読んだ人にもエネルギーを与える記事は、やっぱり最高だ。
子どものころから、たまに新聞の「ひと」欄を読むのが好きだった。
もし、自分が活字にしなかったら、広く世の中に知られることがない。
そんな相手に出会うのって、一番の喜びだと思う。

◆毎日新聞「ひと」
http://mainichi.jp/select/opinion/hito/news/20090529ddm008070005000c.html

あの張り紙の記憶は今もあるなあ。



僕が4年間、アルバイトしていた京都のラーメン屋のおばちゃんも、ただめしのサービスこそしなかったけれど、ずっと近くの朝鮮学校の生徒たちの心の支えになっていた。
店内には、卒業生たちから感謝の気持ちを込めて送られたプレゼントがあちこちにある。

ああ、しばらく行ってないなあ……。


  ×   ×


そういえば、昨日のお昼は、めちゃくちゃ美味~い「ただめし」をいただいた。
記事に使う写真撮影に立ち会った役得!
素材、盛りつけ、絶妙な融合……。
すべてがとろける感じ。
(上の写真とは全く関係ありません)

小便小僧

2009年05月27日 23時39分09秒 | Weblog
北朝鮮、新型インフル、また北朝鮮……。
日本人は真面目だし、メディアも真面目。
一斉に並んで報道して、脅威をあおるのが大好きだ。



日本の何倍もインフルエンザ感染のひどいメキシコは、何とも能天気。
初感染の4歳の子供の「小便小僧」の銅像を地元に立て、観光資源にするらしい。
日本だったら、こんな発想は出ないよなあ……。
◆Herald Tribune
http://www.laht.com/article.asp?ArticleId=335787&CategoryId=14091


やっぱりラテン!
20年前、寮で一緒だった学生時代のブラジル人、メキシコ人、ペルー人の友人はみ~んな「超遊び人」だった。
けれど、勉強にかける情熱は飛び抜けていた。
日本を“経由”して鮮やかに「マサチューセッツ工科大学」に移ったやつもいた。


真面目はほどほどにした方がいい。


  ×   ×


仕事でショックな間違いが発覚。しばし沈み込む。
でも、一刻も早く忘れよう……。
アディオース。




6秒に1人

2009年05月27日 10時00分14秒 | Weblog
駅の構内でよく見かけるポスターにホッとする。
笑顔の子どもが手にする食糧入りのマグカップが「HOPE」の「O」の字を作っている。
WFP(世界食糧計画)の広報ってセンスがいい。



6秒に1人が飢餓でなくなる現実。
北朝鮮バッシングの陰でも、大量の餓死者が出ているという。

◆地球のハラペコを救え。
http://hara-peko.jp/


威勢ばかりがいい「制裁論」はどうもなじまない。
一体何が解決するんだろう。


インタビュー

2009年05月26日 03時33分08秒 | Weblog
長いことかかって取り組んだインタビュー連載がようやく始まった。
せっかく全国に届く記事。少しでも多くの人に読んでもらいたい。
どうやったら興味を引けるか……。
次も読んでもらえるか……。



記者になりたてのころ、「インタビューなんて、誰がやってもほとんど一緒」と思っていた。
記者の力量を発揮するのはもっと別なところにあると。
けれど、インタビューはあまり勝手に組み立てられない分だけに、求められるものも大きい。
言葉を引き出す力、ストーリーをつむぐ力……。



いい言葉が詰まった人。
なんとか読者を「脱落」させずに、ひきつけたい。
緊張感をもって、頑張ろ!

周回

2009年05月24日 12時53分11秒 | Weblog
土曜の夜勤に入る前、学生時代の友達、先輩とひさびさに皇居を周回。
炎天下にも近い初夏だけに、気持ちよい程度でさっさと切り上げ、軽く乾~杯!



汗かいた後、昼間に飲むビールのうまさは、夜中にぐちぐち?飲むビールの何倍、美味いだろうか。
麦芽の比率とか、切れ味がウンヌンとかそんなもんはどうでもよくなる。
この日は、仕事前に飲むという「禁断?」感覚も旨さを引き立てた(笑)


  ×    ×


それにしても、このくそ暑い中、なんでまたこんなに多くの人間が走ってるんだろう。
少しだけ、体重が減ったり、1周のタイムが伸びたり……。
たとえちっぽけでも、努力が報われる感覚って、誰でもうれしいんだろう。



一方で、頑張っても何~も変わらんこと、どうしようもないことも増えてくる。
それをどうやって受け入れていくのか……。

今は、答えの出ない「周回」をひたすら回ってる。

黒帯

2009年05月20日 23時23分56秒 | Weblog
「男らしさ」「女らしさ」なんて言葉は嫌いだった。
男女の属性なんて、わざわざ規定するもんでもない。
けれど、最近は最低限の「らしさ」ってあっていいような気もしてくる。



一方、既成の不要な「らしさ」は、どんどん超えてしまえばいいんだろう。
リトアニアで、空手が黒帯の女性大統領が誕生した。
アイスランドでは、レズビアンを告白した首相に変わった。
■BBC
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/8054053.stm


女性は強いよなあ。なんて単純に考えてしまう。
それに比べて……。

優先順位

2009年05月17日 23時51分15秒 | Weblog
四半世紀にわたるスリランカ内戦が「終結」。
犠牲になった市民は3000人、重傷者は2万5000人ともされる。
命が4ケタ、5ケタのただの数字になっていく。
■BBC
http://news.bbc.co.uk/2/hi/south_asia/8054169.stm

民主党代表選と新型インフルの影響で、世界的なトップニュースが、日本では完全に後回しになってしまった。
その日その日で、何かしらの「優先順位」をつけなければ紙面はできない。

けれど……。


  ×   ×


2つ前の記事に関し、またまた大量のコメントが来た。
(特定の問題にしか反応がないのが、なんだか寂しい)
多いので、一部だけ選んで公開。

残念ながら、賛同や応援コメントはなし(笑)
批判コメントに対応する自分の器もエネルギーもないことに気がついた。



誰にでもそれぞれ大切なものがある。
それは理解する。
自分が大事にしているものに、膨大な時間とエネルギーをかけていることも伝わってくる。頭が下がる……。

というわけで、自分自身も「優先順位」を大切にすることに。


空気

2009年05月17日 08時35分10秒 | Weblog
内部の人間もみんな薄々、感じている。
今の新聞って、なんでも騒ぎすぎて、周りが見えなくなる……と。
そして熱しやすく冷めやすい。



北朝鮮の脅威報道、草なぎ「容疑者」の大逮捕劇、そして新型インフル国内感染のドタバタ……。
「新型インフルの危険性は、通常の季節性インフルと変わらない」と書きながら、町の不安を過剰に煽る矛盾。



北朝鮮問題や草なぎ報道に関しては、どこの新聞も真正面からの検証や反省を避けつつ、しばらくして「メディアの過熱ぶり」を戒める学識経験者の分析を掲載している。
気づいているのにやめられない……。
なぜか?



空気。 だと思う。

「リスクや責任を負いたくない」
「失敗したくない」
「なんとなく乗り遅れるのは嫌」

身近なわかりやすい話題を適度に騒ぐのが、一番無難。
みんな一緒で騒げば、後で批判もうまくかわせる。



戦況が悪い中、「戦艦大和」の出撃は、みんな「無謀」とわかっていたらしい。
けれど、「空気」ができあがった中で、反論は難しい。


  ×   ×


日本人が飲む紅茶の60%はスリランカ、20%はインドから……。

南アジアでは2ケタ、3ケタ……の人間が当たり前のように日々死んでいく。
そんなニュースが、「空気」によって新聞の中面に追いやられる。



まだ、新型インフルエンザでは、国内で誰も死んでいない。

HENTAI

2009年05月16日 15時37分38秒 | Weblog
新たな国際語になりつつある。
「HENTAI」

◆AFP
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2600578/4128057

◆Equality Now
http://www.equalitynow.org/english/actions/action_3301_en.html

抗議を受け、横浜のゲーム会社は特定された商品について販売を中止したらしい。
今回は、たまたま海外で抗議運動が起きたから、問題化した。
今も規制はない。



「表現の自由」という金科玉条……
誰も被害者がいないという“ファンタジー”……
反発を恐れ、尻ごみする各政党……



本当にこれでいいんだろうか?



ゲームに関連し、国際人権団体は「HENTAI」という用語をわざわざ説明。海外のニュースでもそのまま使われてしまっている。
さらに「日本の20~30代の女性の60%以上が電車内で痴漢に遭っている」というデータまで紹介している。


データの正確さなどはさておき、日本の男全体、社会全体が「HENTAI」視されるのって、結構、迷惑……。


グルメな余裕

2009年05月14日 22時36分19秒 | Weblog
泊まり勤務から夕刊当番に流れ込み、グルメなデスクと、遅い昼メシへ。



神田の老舗の蕎麦屋。
じっくり時間をかけ、海老とアナゴの熱~い天ぷら、のどごしのいい細切りのそばが出てきた。
同じ都会でも、時間の流れは一定じゃない。



このグルメデスク。いつも余裕のひとだ。
事件担当の修羅場をくぐり、豊富な海外経験にも裏打ちされている。
能天気のようだけど、判断は早い。

経験を積んだゆえの余裕か。それが自然と“伝染”し、周りもリラックスさせる。
どこにもいそうで、なかなかいない。
それだけ難しいということ。



いろいろ抱えている時は、美味いもんを食うのが一番だ!
何だかいったん白紙に戻る感じ。


あ……。天ざるの写真撮るの忘れた。
やっぱり、余裕がない?


もどかしさ

2009年05月14日 03時13分47秒 | Weblog
海外ニュースを扱う新聞の国際面って、なんでこんなに狭いんだろう。

アフガン、パキスタン、スリランカ……。
最近、豚インフルエンザの記事があふれる中、南西アジアでは、はるかに上回る数の市民が毎日死んでいく。



アフガンでは、米軍空爆などで犠牲になった140人のうち93人が子どもだったという。
◆ロイター通信
http://www.reuters.com/article/newsOne/idUSTRE54C1S220090513

「証拠がない」。米国は、空爆による死者数にいちゃもんをつけ、アフガンの間で不毛な争いを続けている。
死んだ子どもたちは浮かばれない。


紙面に反映されないのが、もどかしい。


  ×   ×


再び、英語難民の暗闇?に突入。
今日は特別、もどかしかった。はあ。
帰国子女でもなく、留学経験もなければ、やっぱり膨大な積み重ねが必要。
頭ではわかってちゃいるものの……。

朝刊の当番がようやく終了。
真面目に考えると、やりきれないので、眠って全部忘れよう!