むすぶ つなぐ

「悪の枢軸」とされる国から思いつくまま……。

独自路線

2011年01月23日 04時20分15秒 | Weblog
「昨日は日本すごかったな。次はイランの番だ。午後8時だぜ!」


とにかくサッカー大好きなイラン人は、アジア杯でイランの復調ぶりに興奮している。
近くの雑貨店で何人もから声をかけられ、見ないと怒られそうなので、4強をかけたイラン対韓国戦の後半をテレビで見た。


1年も経つと韓国よりも、イランをつい応援したくなる。
けれど、すぐにもどかしい気持ちに。
個人技はうまいのに、組織プレーがとにかく苦手。
いい感じでボールをつかむと、パスせずに、すぐに興奮して突っ込んでしまう。
組織プレーを極めた韓国には当然ながら、すぐに絡め取られ、何度もチャンスを失う。
そんなプレーが続くと、無理な位置から強引にシュート。

やっぱり韓国の方がはるかに上だった。
結局負け。あああ……。
明日はみんな機嫌悪いだろう。




イラン対韓国戦が行われる数時間前、イスタンブールでの核協議が物別れに。
http://mainichi.jp/photo/news/20110123k0000m030076000c.html
スポーツでも、外交でも周りを見渡さない「独自路線」がお得意だ。



こんなことを書いていたら、急に電話がかかってきた。
「今から、家に行ってもいい?」
時計は午後11時すぎ。

誰もが独自のルールで生きている感じ。
みんないい人なんだけどなあ……(笑)

ナルシスト

2011年01月18日 15時38分32秒 | Weblog
ここ数日、テヘラン北部は銀世界。
何度も書いているけれど、イランは決して茶色や黄土色で塗られた地味~な国じゃない。
今日、ようやく青空が広がった。



今、世界中から(残念ながら不当に)嫌われている国、イラン。
遠くに気高くそびえる雪山たちは、そんな嘲笑を横目に「どうだ、美しいだろう」と誇っているようでもある。
「わかるやつだけ、わかればいいんだ」
この国自体が、そんな「ナルシスト」のような気がしてくる。
なんて独善的。根はいい奴なんだけど……。



乾燥した空気と、急な寒さで風邪ぎみでズルズル……。
仕事で外に出る時も、マスクをして歩いていると、ジロジロと見られる。
テヘランでは冬でもマスクをしている人はめったにいない。
年中、汚い空気が蔓延するテヘラン中心部でも、みんな着けようとしないのだ。

その理由は、みんな自分の美しさ、格好よさに酔っているから「顔を隠すマスクなんて……」と嫌っているとの説も……。
たぶんその通りだと思う。



これでもか!とビカビカに化粧しまくる女性、冬でも半袖のピチピチのTシャツを着て筋肉美を誇る男性……。
だれもが自信たっぷり。

この国は、ナルシストが確実に多い。

本音と建前

2011年01月13日 05時43分25秒 | Weblog
イランは、究極の「本音と建前」の国だ。


タクシーを降りる時、ケーキを買う時、必ず言われる言葉がある。
「ガーベル・ナダレ」
日本語に訳すのが難しいが、「たいしたことないよ。お好きにどうぞ」の意。

そのまま意味を受け取ると、みんな無料になってうれしい限りだが、実は完全に形式化した挨拶言葉で、本来の意味はない。

そんな形式的な言葉を多用する「古典的な」運転手ほど厄介だったりする。
私「ハスタナボシ(おつかれさま)。いくら?」
運「ガーベル・ナダレ!(少し間を置いて、にっこりして)12万リアル(1200円)!」
あんまり高すぎると、私も譲らず、言い合いが始まることもある。
(イランのタクシーは事実上、言い値)




イランでは、多くの規制や苦難がある中で、だれだって本音だけじゃ生きられない。
そんな中、コソコソ隠れながらも芯を曲げずにチャンスをうかがったり、ジョークでかわしたり……。


■イラン・ヘビメタ解禁
http://mainichi.jp/photo/news/20110110k0000e030022000c.html


■ジョークの必要性
http://mainichi.jp/select/world/news/20110109ddm007070137000c.html

駅伝くん

2011年01月07日 07時27分00秒 | Weblog
お正月はやっぱりエネルギーが詰まっている。

沖縄、米国、アフガニスタン……。
いろんなところからメールをもらい、今年はやらなきゃ、と思わされた。

元旦から働いている人がいかに多いかも痛感。
もともと休みが少ない同業者はもちろん、救急医の当直やらの友人もいた。



とは言いながら、大みそかに仕事をドタキャンされ、仕事をめぐりイラン人助手ともけんか。
イライラするばかりで、なんだか幸先がよくなかった。
少し時間が経ち、すべては自分の空回りだと反省。
思い直すことにした。

何から何まで習慣、文化が違うイラン。
1年くらいいたところで、所詮自分ができることは限られている。
ペルシア語はまだまだだし、イラン人社会の人脈と呼べるものもそうない。

「~できるはず」「~じゃないとおかしい」
日本と同じセオリーは通用するはずがなく、特に人間関係は、多くの人を通じてじっくり手繰り寄せるしか、方法がないのだ。

そう、人から人へ、また人へ。
そう駅伝のように……。




「駅伝くん」が人気らしい。
朝のテレビ連続小説「てっぱん」で出てくるらしいけど、まだ見てない。
友人が脚本の一角を占めており、学生時代の陸上仲間もこれに注目!

箱根駅伝も例年になく盛り上がった。(ネットで確認しただけだけど……)
やっぱり、いいな、駅伝って……。

優勝した早大も、渋いたたき上げ選手が、大事な役割を果たした。
「区間べべた」でも、あそこで走るのがどれだけ偉大なことか……。
痛いほどわかるだけに、いい歳して、毎年感情移入してしまう。



個人に爆発的な力はなくても、駅伝だとなんとかなる。
イランでの仕事もそんな手段じゃないと、どうにもならない。
怒らず、焦らず、イライラせず。
人から人へ、また人へ。
コツコツ、コツコツ……。
難しいのはわかっちゃいるけど、ここに書くことで、心に刻みます。



新年おめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。