むすぶ つなぐ

「悪の枢軸」とされる国から思いつくまま……。

感謝

2010年12月31日 16時46分03秒 | Weblog
これほど実感のない年末は初めて。
当然ながら、イランには年末モードは全くない。

イランではただの週末なので、昨日はテヘランから少し離れた町に出る用があり、今日の午後からも仕事。
なかなか相手がつかまらない中、仕事が入ることは本当にうれしいこと。
神に感謝しなければいけない!




昨日立ち寄った光輝くモスクでも、多くの人が祈りをささげていた。

イランは、決して「狂信的」な国じゃない。
政治と宗教が一体化した体制に疑問を持ちながら、しっかり自分のペースで祈りをささげている人たちもたくさんいる。むしろそれが大半。
特別な日だけ、気がついた時だけ、何か行き詰った時だけ、お祈りする人もいる。

強制される祈りより、そんな祈りの方が、人間の弱さや謙虚さ……等、いろいろ垣間見えて美しいと思うことがある。
支えになる宗教がない自分を振り返ると、時にうらやましい。




最初に迎えた昨年末は緊張感があったせいか、「ようやく迎えられた」という感じだったが、今年は知らない間に……。

美しく素敵なイラン、そしてねじれて複雑なイランをどれだけ伝えられただろううか。
なんだか反省ばかり……。

とはいっても無事に1年が終わって感謝。
皆さん、よいお年を。

表現者

2010年12月25日 04時40分16秒 | Weblog
さぼりぎみだったジョギングを再開。

夜は顔が少しピリピリするくらい空気が冷たい。
やめたくなるけれど、i-podでガンガン音楽を鳴らし、無理やり走るのも気持ちいい。
そんな時の音源はやっぱり80年代のハードロックが最高!
うまく行かないことも多いけど、また、仕事がんばろ。
そんな気にさせられる。



昨日は全身にビリビリと電気が走った……。
いろんな規制でがんじがらめのこの国。
困難の中で、好きなことを貫く人は実に格好いい。

同い年のおっさんロッカー。
活字にするのはだいぶ先なので、詳しくは書けない。
けれど、大音量に囲まれ、実に幸せな時間だった。



イランに来て、エネルギーがあふれ堂々とした女性が多い中で、男は全体的にさえない印象がぬぐえない。
社会がうまく立ち行かない中で、元気をなくしたり、言い訳したり、逃げ道を作ったり……。

そんな中で、昨日会った男たちは、最高にいい顔をしていた!
規制や困難は、人を強く美しくするんだろうか。


  ×    ×


一方で、あんまり「いい顔」をしていない人たちの争いが続く。
この国は一体いつまで……。
http://mainichi.jp/select/world/news/20101222k0000m030052000c.html

クリスマス・ムバラキ!

2010年12月25日 04時14分16秒 | Weblog
「メリー・クリスマス・ムバラキ(おめでとう)~!」

今日は電話で話したり、会う人間にかたっぱしから挨拶した。
イラン(イスラム教徒)はクリスマスは祝わないが、それなりに反応してくれる。



異教徒を全く排しているわけではなく、キリスト教徒のアルメニア人が結構住んでいる。
見かけじゃ、全くわからんけど……。

キリスト教会も街中にあり、故ホメイニ師の壁の絵と並んでいるのがおかしい。
取材がてらに出かけるも今日は行事が何もなく、ちょっとがっかり……。




イランは金曜日で休日。
クリスマス・イブを祝う人にとっては最高かもしれない。
帰りがけにいつもと違うケーキ屋に寄った。
店によってケーキのデザインに特色があり、見ているのも楽しい。

こんなでかいケーキは買えないので、「小さいのを2つ」と言うと、また不思議な顔をされた。
「本当に2つでいいのか」




少し時間がさかのぼり……。
イランはイスラム教ながら、独自のイラン文化も守っている。
この前の21日の夜は「シャベ・ヤルダー」という記念日(日本の冬至)
1年でもっとも長い夜を、ナッツやらザクロやらスイカを食べながら、うだうだ夜通し過ごすのだ。

近くのナッツ屋さんはごった返していた。乾燥フルーツが混じった特製のナッツ。
1㌔1500円くらい。結構高いので、500グラムだけ買った。
奥に映っている子供が店の仕事を手伝い一生懸命、ナッツを売っていた。

制約

2010年12月07日 16時33分23秒 | Weblog
イランは、制約だらけの国かもしれない。
けれど、皮肉ながら、そんなきつい枠の中で頑張っている人ほど、輝いて見える。
そんな代表格。
http://mainichi.jp/select/opinion/hito/news/20101206ddm012070063000c.html

とても70歳とは思えない身の軽さ、しなやかさ。
権威や固さとは無縁。
半分、外国に足を移しつつ、まだ拠点は母国にこだわる。



今も「自由に」何かを追求している。
受け答えしながら、ずっと本の制作に向けた手作業をしていた。
「悪く思わないでくれ。やることがたくさんあるんだ。けれど、頭はしっかり動いているから、何でも聞いてくれ」

大きな不満を抱えながらも、そこにこだわって止まるより、自分ができることを最大限追求したい。もう残された時間は少ないのだから……。
そんな思いが伝わってきた。




日本は、「表現の自由」が究極まで進んだ国だろう。おそらく。
以前、ここで問題提起をしてたたかれたこともあった。

けれど、あふれきった自由の中で、安全なところから匿名で好きなことを言うのって、主張の是非は別として、なんだか生き方として格好よくない。



自由の制約はおおいに問題だ。
けれど、この国で自由とは、大きな代償、時に命をかけないと勝ち取れない。
尊さがわかっている人ほど、軽くは口にしない。

若いちから

2010年12月03日 04時37分08秒 | Weblog
先日、とうとう並んでしまった。
バカボンのパパと同い年に……。



高齢化、人口減少で悩む日本とは正反対で、イランは人口の約7割が30歳未満で、人口も増えている。
40~50代は8年も戦ったイラン・イラク戦争で多くが犠牲になったという悲しい歴史もあるが、若い力であふれているのは確かだ。
そんな中、天然資源と軍事に頼る国の構造は変わらず、産業は育たず、若い力を活かす構造からは程遠い。
なんとももったいない……。



若者といえば、先日、アフマディネジャド大統領が「女性は16~17歳、男性は19~20歳で結婚するのが好ましい」と語ったとか。
現在の結婚平均年齢が24~26歳。若者同士の自由な交際が気にいらず「早く結婚すれば、悪い行いはなくなる」とか。

そんな文句言うより、やることあると思うんだけど……。
権力者はどこでも若者が嫌いだ。




イランに来て、自分より若い人間とつきあうことが多くなった。
いろいろ問題を抱えながらも、とにかくエネルギーだけは持っている。
吸収して、自分の力に変えたい。