333ノテッペンカラトビウツレ

 奇跡は 誰にでも 一度おきる だが おきたことには 誰も気がつかない

復讐はこの娘にまかせろ!

2008-06-07 02:59:55 | SP(Standard Program)
●天才・井口昇監督の最新作『片腕マシーンガール』を観て来ました。いやぁ、これは・・・傑作ではないでしょうか。平凡な女子校生アミは、ある日、愛する弟が、ニンジャ一族の末裔である不良に執拗なイジメに遭った末に殺されたと知り、復讐を開始。しかし、志半ばにして敵の手に落ちたアミは激しい拷問に遭い、片腕を失う。アミは、愛息子を殺されたヤンキー主婦ミキの特訓(!)を受け、さらにミキの夫が開発したマシンガンを失った片腕に装着!血で血を争う復讐劇が幕を開ける!・・・という“女復讐もの”ですが、天才・井口監督はアメリカ資本から「ヤクザとニンジャを出して、後は制限無しでバイオレンス映画を撮ってくれ」というオーダーに完璧に応えつつ、独自のテイストをガッツリ入れ込む匠の仕事を展開。

●おかげで、血はギャグのように噴出しまくり、人体はありとあらゆる方法で木っ端微塵・・・なのに、映画全編に監督の“女性への愛”が炸裂しているので、不快感はゼロ。むしろ、快楽と胸キュンが加速度的にアップ!という恐ろしい状況に。いや、本当に映画が進むごとに「この人の映画は愛を感じるよなぁ」という気分になってくるんですよ!画面じゃ腕が飛び、身体に穴が開き、ハンパない血が流れているというのに。

●そして、主演の八代みなせ・・・可愛い!可愛い過ぎる!習作『わびしゃび』の時代から女性を美しく撮ることにかけては天才的な才能を発揮している井口監督ですが、主演の八代みなせの清純系+怨み顔の組み合わせの可愛さには完全にまいりました。井口組常連の亜紗美&クール・ビューティな穂花もスクリーンに映える美しさ。

●こういう映画を観てしまうと「テレビドラマのラストを映画館で」なんて言ってるヤツらの片腕をぶった斬りたくなるはず。先人の残してきた映画の財産をしっかりと引継ぎつつ、独自のテイストを織り込んで新作を撮り続ける井口監督の姿勢には本当、頭が下がります。8月2日から公開だそうですので、ここを読んでいる人は全員、観てください。