333ノテッペンカラトビウツレ

 奇跡は 誰にでも 一度おきる だが おきたことには 誰も気がつかない

反省の頃合い

2008-06-05 02:02:29 | SP(Standard Program)
●今年のカンヌ映画祭の「ある視点部門」で審査員特別賞に輝いた黒沢清監督の新作『トウキョウソナタ』を観てきました。秋公開なので詳しくは書きませんが、聡明で(ある意味)ファンダメンタリストな黒沢監督も“家族”をテーマに映画を撮ると、ここまで“探り探り”になるのかという新鮮な驚きがありましたね。当然のように“黒沢清的”としか言い様のない展開になる場面もあるのですが、非常に誠実な映画という印象です。詳しくは公開前にでも・・・と言ったまま忘れてしまうケースが多いのですが。

●子供の頃から「反省会」が苦手でした。多くの学校は1日の終わりに反省会があると思います。筆者の通っていた小学校では「おわりのかい」という『20世紀少年』に出てきそうな名前の会合が毎日、開催され、その日の反省が述べられていました。何かが終わる度に反省点を洗い出して、カイゼンをはかるのは重要なことですが、楽しく過ごした1日の終わりが“反省”というのがどうにも気に食わない感じがしていたのです。

●“反省会”にはタイミングがあります。企業のプロジェクトチームが1日の終わりに反省会するのはいいですよ。しかし、「路上に野牛を放って逃げ回る祭り」の参加者が、牛から必死に逃げ終わった直後に「じゃ、反省会」「イマイチ、逃げる速度が上がりませんでした」「通路の端で逃げずに牛が通り過ぎるのを待ってた人がいたよね?」「ギャラリーも整理した方がいいね」なんて話し出したら興ざめですよ。そういう話は後日にして、まずは「祭りだー!」と朝まで酒でも飲んでもらわないと。

●つまり、どんな催しやプロジェクトもまずは先に「打ち上げ」をして、時間が経ってから反省会をしないといかんと言うことですよ。祭りやプロジェクト成功の直後に反省会をするとかなり空気が重くなるし、参加者が舞い上がってますから反省会として精度も下がります。まずは終わったことを喜ぶだけ喜んで、ほとぼりが冷めてからジックリと反省しつつ、さらなる目標や課題を出せばいいのです。

●というわけで、本日の本題は「打ち上げで反省会をしようとするヤツは最悪である」です。たまにいるんですよね。せっかくプロジェクトや祭りが終わって打ち上げしてるのに、その場で急に反省点とか言い出す人。あれ、本当に厳しいですよ。打ち上げ前に反省会するのはダメですが、ふたつを同時にするのはもっとダメです。ダメ!ゼッタイ!

●たまに飲み屋で説教して嫌われる人がいますが、あれって説教そのものではなく、タイミングが悪いからいけないと思うんですよ。説教ってタイミングが悪いと「言っている内容」よりも「この人、怒りを外に出すのを我慢できなかったんだ」という印象が強く残ってしまって逆効果なんですよね。というわけで、反省会はしないよりはした方がいいですが、タイミングをはかって開催してください。時と場所をミスると“反省”以上のダメージを負うことになりますから。