シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

糟糠の妻とショルティ

2012年12月30日 | ワグナー聞き比べ
2006年7月26日投稿分__

今 大河ドラマ「功名が辻」が放送されています。 あれは夫を「内助の功」で助けた賢妻の話しで、似たような話しに、「糟糠 (そうこう) の妻」があります。「糟糠の妻は堂より下さず (後漢書・宋行伝)」…「糟糠」とは「かす」や「ぬか」のことで、粗末な食べ物を意味します。 貧しい時代、苦労をともにしてきた妻は、後に偉くなり出世しても家から追い出すようなことをしてはならないという意味です。
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ゲオルグ・ショルティ Sir Georg Solti はハンガリー生まれ、元々の姓はシュテルン (Stern)。 38年 ブダペスト歌劇場にて「フィガロの結婚」で指揮者としてデビューするが、次の指揮の機会もないまま、職もなく行き場に困ることとなるこの年ヘディと結婚。 

戦後46年 バイエルン国立歌劇場の、次いで52年フランクフルト市立歌劇場の音楽監督に就任、 58年から始まったウィーン・フィルとの「ニーベルングの指輪」全曲録音 (Decca) で、指揮者としての評価を著しく高め、 61年英コヴェントガーデン王立歌劇場のに音楽監督に就任。 67年英 BBC の記者ヴァレリーと再婚。 69年シカゴ響の音楽監督に就任すると、やや停滞していたこのオーケストラを立て直し、その活躍はめざましいものとなる。 97年没 (Wikipedia)。

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さて、本題は最初の妻ヘディのことです。 年上だった彼女は社交や礼儀をショルティに教え、引き立て、音楽界で名誉ある地位に夫を持ち上げた妻でした。 充分な地位にあった彼はなぜヘディと離婚したのか?

それは、いつまでもヘディが彼を生徒と見なし、教師役を演じていたために、ショルティがうんざりしてしまったためでした。 離婚後 彼はインタビューに訪れてきた若い BBC の美人記者と再婚しました。

「糟糠の妻」とは意味が違うかもしれません。「糟糠の妻は捨てられる」というコラムも読んだことがありますが、逆説的に考えるとこちらが実際のケースとしては多いのかもしれません。 長年の苦労の末 成功して改めて見ると、やつれた中年の我が妻がいるのが見え、しかも若い時に贅沢できずにいた反動でデップリと太った妻が … もういくらでも若い美人と再婚できる境遇になれば …
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私が最初に買ったワーグナーのオペラは、コロのタイトルロール、ショルティ ウィーン・フィルによる「タンホイザー Tannhaeuser 」(‘72 Decca) でした。 この盤には主役に準ずるヴォルフラムの歌手に不満があります。

三幕の聞かせどころの「夕星の歌」で完全に崩れてしまっているからです。 他は申し分ないのに、これだけがタマにキズです。 なぜこんな録音を発売してしまったのか不思議です。 皆さんも聞いてみて下さい。 以後この歌手の録音は目にしませんね。

私の独断と偏見では、劇場のプロデューサーか録音する Decca から押しつけられたのではないかと想像します。 そういうことは結構とあるのではないでしょうか? 映画でも、なんでこんな魅力のない人が配役されているのかと疑問に思うことが時々あります。

あれもプロデューサーとか、監督の一存で決まっているのだと思いますよ。 カネを握っている人は発言力があるのは、どの世界でも共通ですからね。
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さらに 作曲家 ワーグナーに関しても、同じようなこと (=糟糠の妻) がいえます。 彼を取り巻く女性陣には3人います。 最初の妻ミンナ、マティルデ、そして第2の妻コジマです。

売れない作曲家時代 苦楽を共にしたのがミンナです。 後年 ワーグナーと同じくらい知性豊かなコジマと知り合い、ワーグナーを崇拝する指揮者ビューローの妻だったコジマを横取りしてますから、”糟糠の妻は捨てられる” にもぴったりとハマるかのようです。
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『トリスタンとイゾルデ』 (Tristan und Isolde ) __ 1857年から1859年にかけて作曲、1865年 ミュンヘンの宮廷歌劇場で初演された3幕の楽劇。 トリスタンはコーンウォール国王マルケの甥で、王妃となるイゾルデを迎えに行くが、その帰路 彼女の媚薬により2人は愛し合うようになり、最後は悲劇で終わる。

ヴェーゼンドンク夫人マティルデとの悲恋が投影されているといわれる。 音楽的には半音階和法を徹底し、前奏曲、第2幕の愛の二重唱、最終場面の「イゾルデの愛の死」がよく知られる。 また 本楽曲は音楽史を変え、調性崩壊の引き金になったトリスタン和音が使われている曲としても有名 (Wikipedia)。

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以上

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