いきなり!? ロードバイク

ママチャリにも乗らなかった40代働く主婦
何故かロードバイクに乗る羽目に…
今日はどちらへ?もちろんおもしろい方!

沼津400km-日だまりのゴール

2009-05-02 23:26:47 | ブルベ
PC4でじっくり後半戦に備えて身支度を調える。
時間が深夜に掛かると一層気温が下がるはず。
サドルバッグに押し込んであったジャージとウィンドブレーカーを着込んで、
PC4を出ようとするとnoahponさんが飛び込んでくる。
パンクを何度もしたらしくって、空気を入れつつPCまで来られたそうだ。
PC4でじっくり修理するらしい。
あの寒さと雨の中の一度ならずのパンク!想像しただけでぞっとする。
先にいきますー!と言うのもかわいそうな気もするけど、もう時間がかなり迫ってる。「がんばってねー!」と声を掛けてPC5に向かう。

松本から塩尻峠まで道はじわじわと登る。
ついさっきまであんなに痛かった膝がうそのように治まってる。
登りになるとまた痛むかと思ったがそうでもなさそうだ。
うまく登れそうだ!ただしペースはゆっくり。
塩尻峠こんなに遠かったっけ…と思うぐらい長い登りを越えて…
さっきDNFを思った濡れた諏訪湖の町を通る。
雨はもう止んだが諏訪湖は見えない。
PC5に到着したのは日が変わって1時頃。
クローズが1時30分だからやっぱりぎりぎりだった。


ここから難しい時間帯。
ただしおもしろい事もいろいろと起こる。

午前2時から4時の魔の時間と戦うためにドーピングは、
お肌によいチョコラBBのドリンク剤。
こんなモンで持つのかどうかわからんが。

のんだどーーーー!
ゴールにむかうどーー
まだ元気な時でした。


雨が止んだので、大切に持ってきた靴下を履く。
ドライやど~うれし~
濡れた靴に、乾いた靴下を履のもアレなんで、靴下の上からビニール袋を履いてその上から靴を履く。
ちょっと滑るが背に腹はかえられないところ。

いろいろと身支度をしていると、みんな次々にスタートしてコンビニには二人になった。

パトカーが入ってきた。

「どこまでいかれるんですかー」
メタボなお巡りさん3人がにこやかに窓から顔を出して声を掛けてきた。

「沼津にむかってるんですよー」
「ブルベっていうサイクリングですよー、昨日の朝、沼津から松本へ行ってそこからまた戻ってるんですよー」
「えっ!」お巡りさん絶句。
「たぶん30人ぐらい走ってると思いますよー、たぶんみんな寝てないから途中でこけてる人居るかも知れませんから、拾ってやってくださいねー」
「はははっじゃあ暗いし気を付けていってくださいよー」

職質って訳ね…
人生初!職質いえ~い

お巡りさんにちょっと時間取られた。
さあスタート!と言うときにnoahponさんが飛び込んできた。

あ~!来た来た!間に合ったよかったね~!
クローズ10分前ぐらいでしたか~?
と声を掛けてみると5分前だったそうで…
さぞかし恐かったでしょうね


さて、また次のPCに向かってスタート。


膝がコワイのでのんびり。
富士見峠に向かう。


後ろからブルブル音を立てて横に並んだいかにもな暴走族。
車の名前はちょっと見たこと無い車だったので解らない。
「今なにやってんですかー」
という間抜けな問い
ここら辺では人に声を掛けるときにそういうのか…
見たらわかるやろーと意地悪な事は言わないでおこう。
深夜の道を我が物顔同士
ブルベではよく暴走族に声を掛けられる
「いま沼津に向かって走ってるとこやねん~」
ヒロさんとは100mほど遅れてしまってるので、
暴走族がちょっと恐くなって軽く牽制しとく。
「前後に全部で30人ぐらい走ってるわー見たやろ?」
「えっ」また絶句かよ。
「沼津は遠いですよ」
「知ってますがな、昨日の朝沼津から松本に向かって走って、松本からまた沼津に戻るとこや~」
「えっ!ずっと走ってきたんですか!」
そう!暴走族くんその驚きは素直でよろしい
「そやでー!!昨日の朝からず~っと寝んとはしってるんやーどやーすごいやろー」
「おーすごいです!頑張って下さい!」
「ありがとう~がんばるで~」

サポートカーみたいに窓枠につかまって走れるのか、暴走族君達に頼んでみようかとふと思ったが、危険かも知れないのでやめた。


長かった富士見峠をようやく越えて、PC6へ到着したのは朝4時過ぎ頃。

雨はたった今あがったばかりという感じで、時折思い出した様にぱらつく。
速い人たちはきっとまだ雨の中だろう。
こちらは雨雲を追いかけて走っている感じだ。

まだ濡れているので、外で座る事が出来ないのでみんな立っている。
そんな中で…
上の写真の一番奥に白い足が投げ出されいるのか解ります?
よく見ればヘルメットにライトが付いてる。そんな人が外の壁にもたれて眠ってるんですよー。
コンビニの中でも寝てる人がいらしたらしいです。
雨に濡れながら寝てるなんて、異常な世界ですわね。

まさしく魔の時間帯。
ここでも眠眠打破をドーピング。
朦朧となりながら次のPCへ向かう。

スタート直後走りながら瞬間に意識が切れたりする。
眠くてふらふらになる。
止まって少し眠れば良いとは思うけど、この寒さでは無理でしょー。

ここは二人で「寝るなー」と声を掛け合って乗り切る。

ペースが全くあがらず25km/hほどで巡航してたんじゃないかと思う。
ふらふらと走っていても空は白々と明け始める。
どんよりと明けた空は雲がはげしく動いて…
こんな景色になった。

山に囲まれた富士川を下る。

昨日も通ったはずなのに、全く違った景色に目を奪われる。
こんな綺麗な景色のところやったんやー
やっほー!
目が覚めたでー!
やっぱり日が昇ると目が覚める。
が、太陽はまだまだ見えない。



で、ヒロさんの魔の時間帯突入。
わるいっちょっと休憩する。
と路肩のベンチで寝てしまった…

お~いさっぶいねんけど~

なんでこんな寒いところで寝れんねん~
15分ほど、風の吹く公園で眠ってはりました。




休憩すると今度はワタシの忘れかけてた膝がまた冷えて辛くなる…。
休憩すると体が重くだるくなるので、なるべく休憩したくないのだが。

風と寒さにたまりかねて、
頼む寒くて凍死するからと、たたき起こして再びスタート。


どんどん下ってくると気温が上がっていく、
着ていた物を少しずつ脱ぐ。
途中で買ったレインパンツを脱いで捨てた。
ウィンドブレーカーのパンツも脱いだ。
この50kmで冬装備からどんどん服を脱いで、夏装備になる。

疲れた体が少しずつ軽くなっていく。

最後のPCまでは続くアップダウンが延々と続く。
ぎょっ!往路は5%だった坂が、復路なら9%に変わってる…
下りだけでゴールちゃうんか~!
アルプスラボのあほ~!
ぎゃ~!
また坂や~!
もう坂きらい~!
死ぬ~!
膝の使い方がまた忘れた~!
いた~!
しんど~!
鬼やで~!

それでもそれでも、やっと最後の峠を越えたー
よっしゃー!


昨日からの悪天候が嘘のように晴れ渡った空!
最後のPC!


昨日からずっとずっと待ちこがれた太陽が出た!
明るさと暖かさ。
こんなに太陽が嬉しかった事はたぶん無かったかなぁ~
コンビニでは沢山ブルベの参加者がいた。
みんな太陽を喜んでのびのびとひなたぼっこをしていた。
大の字になって太陽を浴びながら寝ている人もいた。
気持ち解るぅ~踊り出したいくらいうれしいぜ~っ
ワタシだってもう日焼けなんて気にならないくらい太陽に当たった。
ヒロさんも太陽に当たりながら眠っていた。
太陽が嬉しすぎて写真撮るのも忘れた。
嬉しくて色んな人ひなたぼっこしながらしゃべった。
嬉しくてたまらなかった最後のPC。

残すは35km!

なごり惜しいけどゴールへ向かった。



数キロ走らないうちに…
昨日からの雨で、チェーンがギコギコなり始めたので、
道の駅だとおもうけど、油を差すために駐車場に入った。

ふと。
視線を感じて振り向くと…



きゃーーーーーーー!!
きゃーーーーーーー!!
きゃーーーーーーー!!
きゃーーーーーーー!!

でたーーーーーーー

富士山や~~~~~ん!!



う~ん。

なんというのか…。
なんといおうか…。

あぁ…。

走ってきて本当に良かった。

ただそんな気持ちで、
目が釘付けにされた。

ワタシを見つめる富士山のきんとした眼差しとばっちり目があったとたん…
雨や寒さや痛さや、昨日からの苦しかったことが一気に溶け出してしまった。



富士山がね。

「よくがんばったね!」

ってさ。




最後は4人だったかな

わくわくとゴールへ向かう。

すばらしく幸せな強い追い風



…は、沼津に入ったとたん向かい風になる…

突風も吹く。
あと3kmやのに…

基本強い向かい風のなかを進むが時折突風が右から吹くか左から吹くか予想がつかない。

一瞬にして車道側にたたきつけられそうになったり、
ガードレールににじり寄ったり。
まったく予想が付かないので、ハンドルに必死でしがみつき固まったまま残り3km。
途中シングルギアの二人がさらりと風にぶれもせず追いこしていく。
近くに競輪学校があるんだそうですね…
初心者丸出しで、ハンドルにしがみついてる自分を思うと、
なんってかっちょいいっ

最後まで気が抜けなかった400kmもとうとうゴール!




ゴールではきゃー!micronさん????
時々コメント頂いていたmicronさんにお会いできた~
今年ブルベデビューでまだ200kmしか走ってないのに…
すごい人やでー!



この人もこの人もあの人もあの人も、
あの雨と寒さの峠を越えてきたんやなぁ
と思うととても初めて会った人とは思えない、日だまりのような温かさと懐かしさ。

雨と冷たさを越えて日だまりが待ってた!

ゴ~~~~~ル!!



沼津400kmレポート完!