レーシック手術レポート読みたいですか。
グロですよ。え?こういうのグロって言うんでしたっけ。
心臓の弱い方はご遠慮下さい。
とにかくツライ目に遭いました。
たぶんちょっとばかり人と違っているのでした。
小さいのでした…
しってるでーという突っ込みありがとう。
ワタシは人一倍小さいのを自覚しているつもりでした。
体が小さいと言うことは…
頭も小さければ目も小さいのでした。
とにかく目が小さいのが災いしました。
セカンドオピニオン。
というご指摘を頂いていたにもかかわらず実行しちゃったワタシも馬鹿でした。
美容整形系ではあらゆる事がさらりと流されます。
マニュアルを渡されて、スタッフがそれを注意や手術に関わることを読み上げます。
医師の診察は検査段階で一度、手術前に一度あります。
手術当日は、受付の後、確認の為にもう一度検査日と同じような検査をする。
そうして受付で支払いをカードで済ます。
スタッフに再度呼ばれた4人。
アラフォー世代男性、二十代前半の女性一人、三十代の女性一人、とワタシ。
受付奥の扉が開きエレベータに乗せられる。
しーんと静まった16階の部屋に到着する。
ドア前にはピンクのウエァの女性スタッフが丁寧に迎える。
ゴムで髪をくくり手術用の青い帽子をかぶる。
名前等が書かれたIDカードを首からぶら下げる。
一人一人名前が呼ばれ、確認と医師の診察。
ワタシの目をじっと見て…
「あまり目が開かないので、切らないといけないかもしれません。」
「ぎゃーーーーうそでしょ!」
「器具を装着できないと手術できませんので、それが嫌なら別の手術になります」
…
このごに及んでそんな事いうのかぁ~
ちゃんと調べなかったワタシが馬鹿だった。
なら、やめます帰ります。
と、言えなかったワタシも一層馬鹿だ。
またロビーに戻り、カルテの渡された、医師と一緒に一つ目の手術室へ向かう。
手術の医師はローテーションなのだ、一人の手術が終わると次の人を迎えに行くのだ。
ワタシの前を何人かの医師が先の人を迎えに来た。
…何人おるねん
後ろ手にスタッフのおねーさんも体育会系風に二人立ってる。
おねーさんに手を引かれて手術室へ歩いて入る。
前の3人が次々と入っていく間に、手術が終わった人が出てくる。
ロビーのいすに座って、ほっと一息つく人、そそくさと靴を履く人。
どの人も15分ほど前に手術が終わった人とはとても思えない。
目が腫れてる風でもないが、ただ表情がみんな少し固い感じがするだけだった。
きっと緊張するけど、厳しいものでは無いのだ。
出てくる人の表情がそう語っている。
…ように思えた。
いよいよワタシの番。
「山下です、よろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくお願いします」
青い手術着を来た医師が迎えに来た。
一つ目の部屋へ入る。
え~っと歯医者で、座ったことがある様な寝椅子。
それよりもうちょっと高級そうなどっしりしてる黒いいす。
ここでレーザーでめだまの表面を丸くカットしてふたを作る。
…が!
その処理をするための、目玉を固定する器具をまぶたの中に入れるように付ける。
ホームべーカーリー付属のスプーンに似てる。
透明プラスチックの小さな丸いヤツ。
が。はいらん。
目が小さすぎる。
2度ほどトライして「切りましょう」と医師が言う。
まさか…
うそっ、ホントに切るんですかっ!
全くのんきにこの日をたいした予備知識も無いままに来てしまった。
ホントに切ることになるとは…。
「他の手術もありますけど、それなら切らないでもすみますよ」
ここへ来てその選択はできない。考えても見なかった。
「ここで他の手術なんて考えられませんよ
」
「麻酔してほんの一ミリ切るだけですからね、大丈夫です痛くありませんよ」
まだ若い童顔の先生が優しくおっしゃって下さる。
信じよう…
妹がレーシックの手術をする前に「注射されるでー」と、からかっていたのでした…まさか本当にされるとは…
目尻を少し開くらしい。その横の皮膚に麻酔の注射針を入れる。
「イターーーイ!」
「あ、ちょっとちくっとしましたね。」
麻酔の後、ちゃんと麻酔が効いているのつついて調べるが…
麻酔が効かないのです。
以前から歯科に掛かったときも麻酔が効きにくいのです、ワタシ
しばらく時間を掛けてつついて調べるが効かない。
「追加しましょう」といってもう一本麻酔の注射を打たれる…
「いたたたたたた…
」
やっと麻酔が効いて、するどい刃物が目の前を通過した。
ぴっと目尻が裂かれたらしい。
器具を着ける。
目玉にぐいぐい押しつけて、空気を吸い出してぴったり吸い付けるようだ。
それからぐるりとレーザーの機械が顔の上に降りてくる。
機械が目玉器具にぴったり吸い付いて、目の前が暗くなる。
ライトがついたり回ったりして。
30秒ほどで終わりだろうか。
次は…左目。
実は左目の方が小さい…
すぐに麻酔の注射…
「麻酔が効きにくいみたいなので、時間をおきましょう。」
何度も調べるがやっぱり効かない。
こんども2度の麻酔。
そして甘いような麻酔で目尻を少し切る。
ぐっふっ…完全には麻酔は効いてないやん
また器具を付ける…
が、今度は切っても入らない…
「もう少し切りましょう。」
「ぎゃあーまだ切るんですか!跡が残りませんか!」
「大丈夫ですよ、わかりませんよ…にっこり」
そしてまた切る。
「ぎゃああイターーーー!」
また目玉固定器具を押しつける。
ぐいっぐいっ…
骨にあたっとるやん。
「せんせー痛いですよーーー」
「あーこっちのほうちゃんとみててくださいよ~」
ぐいっ
「いたーーーーーい!」
ぐいっ
「いたーーーーーい!そこ骨骨っ!無理っ無理っ!」
透明プラスチックの器具が血の色に染まる。
痛くて足が飛び跳ねる。
部屋に他の医師が入ってくる。
なにやら相談したあと…
「15分ほど休憩しましょう」
よろよろと起きあがり、手を惹かれて別室へ…
安静室いうのか、風呂屋の仮眠室の様なリクライニングチェアが置いてあり、しばらく休む。
こわい。こわい。こわい。こわい。こわい。こわい。こわい。こわい。こわい。こわい。こわい。こわい。こわい。こわい。こわい。こわい。こわい。こわい…
もうだめだ。もうだめだ。もうだめだ。もうだめだ。もうだめだ。もうだめだ。もうだめだ。もうだめだ。もうだめだ。もうだめだ。もうだめだ。もうだめだ。もうだめだ。
かえりたい。かえりたい。かえりたい。かえりたい。かえりたい。かえりたい。かえりたい。かえりたい。かえりたい。かえりたい。かえりたい。かえりたい。かえりたい。
でも右目が最後まで処理が終わってない。
このまま中断できるのか。
あまりに馬鹿馬鹿しくって逃げ帰りたい。
あぁ神様助けて下さい。
カーテンの向こうの広い空間には、ゆったりしたいすが置かれてあり。
手術を終わった人が次々に戻ってくる。
途中で休憩しているの私ただ一人。
恐怖と痛みで固まる。
このまま手術を進める事の絶望感。
大勢の人の忠告があったのに簡単に考えすぎてた。
ホント馬鹿だった。後悔してもここに座っている以上どうすることもできない。
しばらく絶望感の中で一息つくがまた恐ろしい事が起こるのかと思うと
休んでいる気がしない。
じれったいような時間が過ぎた後、呼ばれる。
「さあ、もう一度頑張りましょう、にっこり」
なんだかむなしい。
先生が一生懸命力を掛けて、目玉固定器を装着しようとするが…
的を外し続けているのかうまく位置が定まらない。
何処がどうなっているのか目の前が真っ暗になるほど力が掛かる。
「ぎゃああ!!痛いですよ~!!
先生骨に当たっていて痛いですよー」ねをあげる。
先生手をゆるめる。
「先生もう無理なんじゃないですか。もう止めましょう」とワタシ。
先生には笑顔も返事も無くなった。
失礼なことを言っちゃったのか怒ったか
もう一度黙ってトライ。
今度は何故かすんなり入る。
入った。
すぐにレザーの機械が目玉固定器に吸い付く。
目の前が黒くなりランプがいくつか点滅して。
包帯の手を看護師の若い女性がなだめるように静かに撫でていてくれる。
温かい人肌にやっとほっとする。
おわった…
やっと前半戦終了。
後半戦はもう楽だった。
また別の部屋に手を引かれて連れて行かれる。
同じ様な寝椅子に寝かされる。
医師がご挨拶する。
「よろしくお願いします」と一応こたえる。
が、恐怖と不信が消えない。
ささっと、まぶたがめくられて、目玉を残して顔にシートが掛けられる。
はっ…早い。
びびってる間も無いくらい手早い。
ワタシは暴れる危険な患者なのだろうか。
4人ほどで手や肩が押さえられる。
顔の前に立つ医師が器具で作業してるのがうすぼんやり見える目でわかる。
なにやら目に細い器具が差し込まれる。
とたんに目が曇りガラスのようになってほとんどみえなくなる。
点眼麻酔のために痛さは全くないが恐怖。
水の様な冷たい飛び散る感触があるので、洗っているのだろうか。
そのうちレーザーで目の前がだんだんややこしい景色になる。
次にまた洗浄が始まる。
ピンセットのようなもので目にきいろっぽいフタがされるとまた見えるようになる。
はいいっちょあがり!
と言う感じで左目も同じように1,2分ほどの処理をするようだ。
怖さで体が固まる。
動くと危険なのだろう、肩が押さえられている。
また温かい人肌の手が、包帯のワタシの手を撫でていてくれることに少し安心する。
「おわりましたよ!」
「お疲れ様でした~!」
と挨拶される。
やっと終わったのだ
先ほどカーテンで仕切られた向こうの広い椅子のスペースで休憩する。
先に一人だけ女性がいらっしゃる。
目がややこしくって薄目しか開けることができない。
なんどかスタッフの女性が目薬を差しにやってくる。
目薬を差すと染みていっそ目が開けられない。
目薬を数種類頂いて、説明を受ける。
時間が来ると、医師の診察を受ける。
「大丈夫ですね、はい帰っていいですよ」と声を頂いてやっとよろよろと立ち上がる。
ロビーにやっとたどり着く。
一緒の女性と二人。「痛いですよねー」と彼女が言う。
ワタシはね切ったのよーとか言いたいがそんな気力もない。
「痛いねー」とだけやっと言う。
ヒロさんが今日は一緒だから帰りは安心だったが。
30分で済む手術が、2時間経ってしまった。
心配してるだろうな…。
メールすると返事が来ない。
電話すると、「大丈夫?何かあったん??」相当心配してるようだ。
「うん」話す気力もない。
紅茶のペットボトルを買ってもらい、手を引かれて車に乗り込む。
ヒロさんも手が温かい。
麻酔が切れて痛みだす。
ずんずんずんずんずんずんずんずん…先に手術した右目が痛む。
見えない目で、数種類の目薬を片っ端から入れてみる。
どれも染みて余計に痛い。
家までの1時間ほどのドライブがヤケに長い。
変な汗をかく。
どんな道を通っているのかさっぱり解らない。
家に着いたらますます痛み出す。
痛みは手術後2時間後からだんだん引いていくらしいが…。
頭痛を引き起こすほど激しく痛む。
コンタクトの中に砂粒が入ったようなするどい痛みが続く。
涙をぽろぽろ流して耐える。
薬の説明をやっと読んで、痛み止めを使う。
点眼の麻酔らしい。
一日の限度が3回と書いてある。
一度使うと30分ほど効果がある。
わずかの時間ホッとして、着替えたりトイレに行ったり人間らしくくつろぐが。
時間が切れるとまたうなだれて激しい痛みに耐える。
家事の時間だが、さすがに家族が一致して家事が進んでいく。
ワタシはひとりこたつに座って涙を流して耐える。
ピザが配達されると、点眼麻酔をしてお笑い番組で笑いながらピザを食べる。
時間が切れるとまた涙を流してうなだれる。
あぁ…こんなに大変だったんだな。
手術から4時間は眠ってはいけないと注意があった。
なので夜10時まで、一時間に一度の点眼麻酔で耐えた。
首から下のシャワーが許されているが…
どうしてもお風呂に入って暖まりたかったので入ってやった。
ゆったり体を伸ばして温まると痛みが何故か消えていった。
痛みってなんなんやろ~ストレスと疲れの固まりだったのかな。
ゆるゆると痛みのピークは過ぎて行った。
やっと眠れる。
目に保護用のキャップを写真の様にテープで貼ってお布団に潜り込む。
大変な一日だった。
恐くて恐くて痛かった一日がやっと終わった。
明日は良い日でありますように。