いきなり!? ロードバイク

ママチャリにも乗らなかった40代働く主婦
何故かロードバイクに乗る羽目に…
今日はどちらへ?もちろんおもしろい方!

泉佐野600-ブルベとはこれか

2008-10-02 21:42:11 | ブルベ


那智勝浦でタイムマシーンさんと一緒に夕食を取った。
これが楽しかったサイクリング最後の晩餐。

苦しいブルベはここから始まる。

この時間帯が一番ブルベらしいかな。

こんな苦しい場所を苦しい時間帯に突入しなければいけないのか。
なんでそんなことをやろうとしているのか…すべて謎。
非日常の最たるもの。

お店の人からも興味津々に質問される。
泉佐野とか針とか言ってもピンと来ないらしい。
ワタシだってそうだよ…
「気を付けてがんばって下さいね!」と応援されて店を出る。
夜間走行に備えてゆっくり休憩したので、お店を出たのが7時半頃だろうか。


店先でウィンドブレーカーを着込む。
ちなみにこの日の服装は。
朝、出がけに思い直して、長袖のアンダーシャツを着込んできた。
冬用では無いけど、アームカバーよりかなり温かくて。
寒さに弱いワタシも意外と平気だった。
それに半袖ジャージと膝上のレーパンだった。

最終的にはこれにレッグカバーとウィンドブレーカーでそれほど寒くは無かった。

休憩後は体が重くなる、ゆっくり町中を流すように走る。
明かりがある町中は、車も少なくなりずいぶんと走りやすい。
アップダウンにそろそろ疲れてきて無口になる。

串本を出てから1.5時間走って夕食休憩、
そのあと2時間走って熊野の手前のコンビニで休憩。

ブリーフィングでは、そこから先には何もないので、補給するようにという事だった。

2時間前に夕食を取ったばかりなのに、既にお腹が空いている。
300km、400kmの時はなかなか食べ物がのどを通らなかったけど、
600kmでは何故か体がリラックスしているようで、いくらでも食べ物を受け付ける。
それってどやろ…後が恐い
でも、一番キモの夜間山道なのでまたしっかり食べる。
寒くなってきたので、レッグカバーも付ける。
ここでは何人か居て、もうそれほど遅れている訳ではないのかなぁ~と少し安心する。



ゆっくり休憩してまたスタート。
やはり休むと体が動かなくなっている。
時間にして21:30頃。
次のPC3で少し仮眠を取ることにしている。
そこまでの距離は50km無いだろうか。
普通に走れば24時前には着くだろうか。
「あと50km走ればゆっくり休める!」ただそれだけを支えに山へ入る。
山はもちろん真っ暗。
時折コーナーに街頭があるだけ。
休憩後のヒロさんの登りはやたら速い。
必死でついて行くが、体が重くてとてもついて行けない。
着いて行かなければ、やっとペースをあわせてくれる。

保険にお借りした頼りないと思っていたサイコンだけが頼り。
スピード表示をするとくじけそうなので、ただただ距離を見ながら走る。

真っ暗で何も見えないからだ。
新月だと思っていたら朝は薄い三日月が出ていた。
が、山道では月も星も無い。
そういえば夕方曇ってたもんな。
「しんどいね」「うん、しんどいな」ただそんな会話。

登りは苦手でまるで毛虫。

ただそれほど高い山を登っている訳では無い。
しばらく…と言っても暗闇では距離も時間もない。
ただ感じるのはタイヤの下の地形の変化だけ。
しばらく登ると明るいトンネルが表れてホッとする。
よっしゃ~!下りやぁ~!!

少しだけ下るとまた暗い登りが待っている。

それを繰り返すと、やっと少し町が見えた。

またコンビニで休憩する。
ずいぶん冷えてきた。
温かいスープとパン。
ここでもう誰かと会って何か少し話した記憶があるんだけど…
誰に会って何を話したのかあんまり覚えていない…
ただコンビニの壁にもたれてうとうとしている人もいた。


疲れた…
既に24時近くになっている。
PC3まで距離は15kmくらいだろうか。

PC3までの最後の登りに取りかかる。
相変わらず時間も距離も解らない。
ただ山道の時折表れる街灯にホッとして。
峠のピークとトンネルをひたすら待ちこがれる。

やったぁ~!トンネルやぁ~!
トンネルは必ず下りになるからだ。
しかしトンネルをすぎてしばらくするとまた同じような暗闇の登りが始まる。

暗闇の下りは恐ろしい。
ダウンヒルの女王とレースの時は某ブログで持ち上げられたが…
暗くてうまく下る事ができない。
第一スピードが解らない、道が見えない、視力がちと不安。
下りが苦手なヒロさんの方がよっぽど自信たっぷりに下っていく。
時々千切れると闇に取り囲まれるので、恐くなって追いすがる。

「やったぁ~!トンネルやぁ~!」
「これで最後のトンネルやぁ~!」
…と何度言っただろうか。

しかし、確実に距離はすすみ、とうとう最後のトンネルを抜ける。
目印のサークルKが見える。

暗くてPCの道の駅がなかなか見つからないが、路肩で手を振っている人が居た。スタッフだ

25時をかなりすぎた。

やっと、着いたぁ~PC3!



道の駅の駐車場の隅っこに東屋がある。
畳に直すとぉ。ん~わかんない。かなり広い。
真ん中にテーブルがあってお弁当を広げられるようなスペースがある。
テーブルの上にドロップバッグが置かれているが、ワタシのバッグがなかなか見つからない。探すのに結構時間がかかった。疲れているとそんなことにも時間がかかる。
スタッフに探して貰い…すいませんでした。

コンクリートの床の東屋にはいくらか段ボールが敷かれていて、もう7,8人はきらきらのレスキューシートにくるまって眠って居ただろうか。


おぉ~!
これが噂に聞く「ホイル焼き!」
顔と足を出して、体にきらきらのアルミホイルのようなレスキューシートにくるまって眠っているのだ。

うひゃぁ~!初めて本物みたぁ~!
これぞブルベやなぁ~

うんうん、みんなええ感じで焼けてるでー!

ぐっ…むふふふっ…うっひゃひゃひゃ~
疲れ切った真夜中の変なテンションでこみ上げてくる笑いが止まらない。

おもしろいので、写真に撮りたかったけど、やっとたどり着いて眠っている人の妨げになっては悪いので、フラッシュを向けるのははばかられた。


遅かったワタシたちはかろうじて東屋の柱の外側通路の庇の下にスペースを見つけた。それで寝袋を引っ張り出して潜り込む。

ここで既に速い人と遅い人で休憩の取れ方が変わってくる。
ワタシたちより遅い人は眠る場所があったのかしらん。
ワタシたちだけ寝袋でごめんよぉ…!
庇の下でせめてもの遠慮をする。
段ボールの敷物では眠ることが出来なかったが、幸い寝袋でたいした寒さも感じずに少しうとうとすることが出来た。

ここで予定時間に2時間ほど遅れていたので、3時間休憩するつもりだったけど、
1時間眠って30分準備に費やす。
3時頃に朝のスタートをしようと決める。

携帯を3時に設定して眠るが、5分前には目が覚めた。
眠れたのか眠れ無かったのかはよくわからない。
常に誰かの歩くクリートのこつこつした音と、到着と出発の話し声と、レスキューシートのぱりぱり音がずっと聞こえている。
が少しくらいは眠ったみたいだった。

東屋から少し離れたトイレで顔を洗う。
少しでも足を休めたいので、子供の授業参観に使っていた薄手の携帯シューズをドロップバッグにした。それを履いてトイレまで行き、顔を洗い、お化粧を直す。
眠る前にコンタクトを外すことを忘れていたので、コンタクトがなかなか外れない、その上入らないのでかなり時間を食ってしまった

さて、それから朝のスタート!

スタッフの方に「一番ブルベらしい所です。楽しんでください!」と見送られる。
「苦しんで下さい」の間違いやろっ…

おーよ!のぞむとろこや~!

「いってきま~すっ!」と見栄張って元気よく挨拶をしようと思ったら、疲れのせいか声が出なくなっていた。


すぐ近くのコンビニでサンドイッチと温かい紅茶で目を覚まそうとする。
それでも眠くってふらふらする。
そこへタイムマシーンさんが登場!
こんな時間なのに、やたらさわやかな笑顔でコンビニに来られた。
夜に強いんですねぇ…

そこを出るとすぐに登りが始まるらしい…。
何人かの方と一緒だったかな。抜いて行かれた。
AKIO!さんが交差点路肩で座っていらっしゃったのはこのあたりだったかしらん…。

もう最遅毛虫スピードで最悪のコンディションで登る。

またPC3に入る前と同じような登りとトンネルの連続だ。

登りの斜度が急になった気がする。
気のせいか…

体が起ききらずにむかむかする。
がまんがまん、そのうち目が覚めるだろう。

うっそうとした暗い暗い深い深い山道。
道は一層狭く暗くなった。

ガードレールの向こうはなんだろう。
突然真横のガードレールの向こう側でカサコソカサコソと木の葉の中を併走するような音が聞こえる。
なっ!なっ!なんや~っ道なんて無いのに!こわ~っ

道路の右側を走りたがるヒロさんの更に右を走る。
だんだん二人ともセンターラインを走ってる。
恐いけど何が恐いとか言わない。余計恐いモン。
トンネル出口の電話ボックスに青い服を着た人が見える。
近づくと居ない。
なにか不思議な鳴き声が聞こえる。なんだろう。
ヒロさんが「鹿や!」と叫ぶ。でも見えない。

…いったいどれが現実でどれが幻だろうか、
見えてはいけない人だったのかな。

もうそんなことはどうだっていいのだ。
ただ次のPCへとじりじりと確実に距離を詰めていく。



そして…
とうとう朝が来る!

あしたでゴールしたいなぁ…。