三色オートバイ - Multi 1000 MHR -

RD/WH/GRのMulti 1000s F1仕様⇒MHR風との日々をつづる趣味のBlogです。

転倒する

2007年08月11日 | バイク
大きく傾いた車体の軸線から体が離れ、取り返しがつかない状態で想うことは、
小さな子供がおねしょしたときの想いに重なる。

ああ、自分はいまやってはいけないことをしているのだ…。

わかっていても、もうどうしようもないのだ…。

次の瞬間体は路面をすべっている。やや後ろに自分が乗っていたオートバイの気配を
感じ、後ろから潰されないかと滑りながら上半身を起こす。
右横にオレンジ色の火花を引きずりながら滑っていくオートバイを確かめ、200kgの
鉄塊に潰されないことに安堵する。水溜りのような路面でなかなか体は止まってくれず、
前に突き出した掌が水しぶきを上げているのが見える。
停まる。

車線上から路側帯へ出る。その足元からもうもうと立ち上る水蒸気とエンジンの唸り。
半ば路肩の土手に落ちたオートバイのキルスイッチを切ってエンジンを止める。
後ろにいた仲間の2台が相次いで止まり、転倒に巻き込まずに済んだことに安心する。
無事な2台のエンジン音。降り続く雨。








近くの民家のご主人が警察に、同行の仲間の一人がJAF、殿を務めるもう一人が
気づかずに先へ進んだ4台へ、ぼくは保険会社へそれぞれ連絡を入れる。
時刻は16時ごろ。場所は福島・栃木県境近くの山中。JAFのレッカー到着予想は
18時半以降とのこと。
40分後に警察が調書を取りに到着、同じころ先へ進んだ4台が戻ってきた。
4台は雨の中20km近くも戻ってきてくれた。
転倒開始場所におおよその目安をつけ、巻尺で地点確認。路肩に落ちたままで
車体の状態を確認し、その後6人がかりで路上へ押し上げる。
調書を取った警察が帰ると、関東南部の仲間は最寄の高速から家路をいそぐためここで解散。
道を把握している幹事さんと副幹事さんは暗くなっても大丈夫だから、とJAF到着まで
残ってくれることに。
お二人の悲痛な表情に、この人たちにこんな顔をさせてはいけないなと胸がいたむ。


18時半過ぎ、レッカー到着。
暗くなってお互い見分けがつかないため、路肩に立って幹事さんと手を振らなければ
通り過ぎるところだった。




四輪用ローダーの大きな荷台にオートバイを押し上げ、タイダウンで固定。
濁ったオレンジ色の夕暮れ空にそびえるローダーの荷台と点滅するウィンカー、
シルエットになって沈黙するドゥカティ。
ここから一番近い宇都宮のドゥカティストアまで約80km、購入店東京ウエストまでは
約200km。時間を考えると宇都宮までの搬送も難しいため(この日は集中豪雨の
事故が続出し、JAFは出動しっぱなしだった)困っていると、見かねてJAFの事務所で
預かってもいいとの提案が出た。後日取りに来ることを約束して、35km先のJAFまで
ローダーに同乗。
事務所でJAF入会とあわせて料金を支払い、最小限の手荷物をまとめてタクシーに
乗ったのが20時半。那須塩原駅から新幹線に乗ったのが21時過ぎ。


新幹線の真っ暗な窓外をながめながら、転倒の原因をぼんやりと思い起こす。

 寝不足:熱帯夜でこまぎれ睡眠になり、寝不足だった自覚がある。
 油断:  2年半、2万km近く乗ってリッターバイクに慣れたと慢心していた。
 雨:   転倒時は小止みになっていたが、直前までの雷雨で路面コンディションは
       回復していなかった。

後輪が左右に大きく振れる間、立て直そうというより、なんでこんな直線で尻が暴れるんだ?
と呆然としている間に振り落とされてしまった。上手下手以前の問題。
山深い国道とはいえ、同行者・歩行者・対向車のいずれも巻き込まなかったのは
不幸の底に残った一片の幸い。
よく滑る路面のおかげで擦り傷一つ負っていないのは皮肉だけど、けがをしていたら
こんなにのんびりと文章を書いてはいられないはずだ。
もちろん、帰宅してからお嫁様にたっぷり怒られました。直っても遠乗り禁止だって。

先週、8月5日の出来事。

えびやうな重、美味でぱりぱり

2007年08月11日 | バイク
ぼくは独りぼっちはいやだけど、一人になれないのもやだっというわがまま者なので
ソロツーとマスツーとをうまくバランスさせてオートバイライフを楽しんでいる。
マスツーに参加するのはDucati-netのツーリングだ。
決めているわけではないんだけど、日程やルートの嗜好がぴったりなのでたいていは
同じ幹事さんの企画に顔を出している。
面倒見がよいため人気があり、いつも20台前後の大所帯になるのだけど、たまには
気楽に役割フリーで出かけようとの誘いで会津若松へ行ってきた。

関越本庄児玉ICから市街地をがまん走りして赤城山方面へ北上。東側の草木ダムで
休憩。このダム前後のワィンディングは流してもペースを上げても楽しい。





草木ダムからは国道212号をどんどん北上し、日光・会津田島を経て会津若松へ。
ヘルメットの中が「ぐもぉ~っ」という擬音でいっぱいになるくらい暑かったけど、
雨や所用で1ヶ月ぶりのオートバイなのでなんだって嬉しい。

粋なおじちゃんの計らいで、会津若松中心街の一般無料駐車場(素晴らしか!)の
木陰にオートバイを駐車すると、その向かいが目当ての店「えびや」だ。



会津若松の名産がうなぎというわけでもないので駐車場のおじさんも首をかしげていたが、
この店のうなぎはうまいという評判。さらにD-netで

 裏メニューでうなぎの二段重ねが可能

と聞いているのでやらないわけにはいかない。のり弁でのり二段じゃないよ。鰻だよ。
この裏メニューはお店では”サンド”と言われている。豆知識だよーっ。

 どんどーーーん



見た目は普通のうな重ですが、ちゃーんと二段になってます。
うなぎは炭火で焼くため皮がぱりぱり、とても食べ応えがあります。
ご飯は普通の量なので、「…なんかご飯少ないよね?」と思ってしまいますが、
違います。うなぎが多いんです。

しーかーも、このうなぎは二段目に入っても全く食べあきません。
最後の一切れまで皮ぱりぱりのまま。
うまい。もぐもぐ、うまい。あまりのうまさにですます調になったまま
もくもくと食べる。
みんなも同じようにもくもくと感じ入っている。
おいしいものに集中しているこの状態を、カニ状態という。


 (もくもくともぐもぐ中)


 (食べ終わると、仰け反る。うー。)

お腹いっぱいです。遠くまできて、評判どおりのおいしさに満足感もいっぱいです。

しかーし。
この日の天候は晴れ→雨。すでに南方の山々は稜線が雨に煙っている。
雨はきらいだ。いままでトラブルというトラブルは全て雨が絡んでいる。
降られたくないなぁ。

そんな願いを無慈悲にふみにじり、雨雲は頭上へやってきた。
先頭を行く元ラリードライバーの判断で二度、三度と軒先へ入って雨宿り。
三度目の雨宿りで雷雨をやりすごした後、10数年ぶりの感覚を再度味わうことに
なりました。

長くなるので、次回へ。(つづく)