どーしてもVTRが気になって、試乗に行ってしまった。
前に乗ったときには、やたら膝をたたむポジションやギュワーンと鳴るエンジンに
違和感だけが残って、なんだこれ、と思った記憶があるけれど。マイナーチェンジで
低速がよくなったというし、なによりカッコいい。
試乗車は、ちょうど好きな白いVTR250F。
CBRと比較したかったけど、VTRと入れ替わりでなくなっていたので、同じEg.のCRFと。
先に乗ったCRFは、やはりあんまり好きになれない感じで、さっさと返す。
乗り換えたVTRは…。
お、楽しい!
エンジンの感じが、なんだかすごく楽しい。上まで回すと、ドキドキする。
軽いし、小さいし、信号待ちで聴くアイドリングの音は耳になじんだVツインだし。
VTは、オートバイって楽しいと思わせてくれるオートバイだ。
丸目ネイキッド版も、いい色。
特に、このフレームとタンクと、黒いエンジンのコントラストは最高にいい。
VTに浮かれたまま、近くでトラの試乗会があると聞いて、行ってみる。
モーターショーで見た青いストリートトリプルが気になってたのだ。
試乗車は、残念ながら黒。
デイトナ675以来の3気筒は、軽くてとっても乗りやすい。
回すと、いい音がする。
値段も安くなってていいんだけど、んー、これというパンチがないような。
正確にいうと、このオートバイじゃなきゃ、という気分にならなかった、かな。
これまで乗ったことがなかった、赤い悪魔にも乗ってみるぜ。
ハンドル切ると、外側の腕が伸びきるぜ。
パワー凄し。ABSもトラコンもあるけれど、すごい重量の鉄の塊が突進してる感がすごい。
そんなディアベルの横を通って出ていく1台のオートバイ。
ぜんぜん興味なかったけど、いい音してるなー。
好みの青いカラーとあいまって、俄然のってみたくなるも、すでに予約でいっぱい。
いいなー、あれ。気になるなぁ。
・・・
来ちゃった。BMW屋さん。
世の人はBMWをビーマーと呼ぶ。その昔、スーパーカーブーム華やかなりしころは、
ベンベーと呼ばれていたメーカーなので、ベンベアーと呼ぶはずではなかろうか。
どうでもいいけど。
水冷だからラジエーター装備だ。倒しちゃいけないんだよ。
このシリンダーへまっすぐ伸びてるインテークが好き。
派手派手の現代的なデザインの中に、こういう曲線があると、ぐっと弱い。
メーター小さい。速度計の50kmあたりに赤い目安線があるけど、下の方すぎて見えない。
というよりムルティのくせで液晶部分に目が行ってしまう。
インテークがダウンドラフトになったので、シリンダーの後ろはすっきり。
乗ってみてどうだったかというと、借りて、2個目の信号まではおっかなびっくり。
でも次の大きな通りに出るころには、よりパワーの出るモードに切り替えて、平然と走っていた。
試乗コース1周する間にこんなになじむというのもすごい。
以前、ムルティと違和感なく走れると思ったF800GS以上の馴染みっぷり。
200万円超の凄さを感じるかというと、むしろそれを感じさせずに走れるのが凄みなのかな、と思った。
いいねー。ちょっと、高いけど。
その後、ドゥカティ・コーナーを覗くと来週発売開始の水冷ハイパーモタードが置いてあった。
跨らせてもらって、やっぱり内腿にあたるシートの角を気にしていると、お店の人が何やら
別のシートを持ってきた。
来週のデビュー・フェアに合わせて、ドカ・ジャパンから本国仕様のクッションが厚いシートを
各ディーラーに配っているのだそうだ。
物は試しと付け替えてもらうと、
おお、
これだ。最初っからこうしておいてくれ、といういい心地。
足つきは若干悪くなるけど、乗っている時間の方が多いのだから、本国仕様シートの方がいい。
お値段、3万ほどらしい。むむむ。
ちなみにサイドスタンドにぽっちが無くて、しまう時も出す時も、ちょっと顔がひきつる。
早く試乗したいな、これも。
そんな感じで、浮気三昧の1日を終えて帰宅すると、うちのムルティくんが2万kmの誕生日を
迎えていた。初代は2万kmを目前にして倒れ(ていうか倒した、ごめん)、それ以前のオートバイ
では1万kmがせいぜいだったので、初の2万km越えとなる。
街乗りで達成しちゃってごめんね、ムルティくん。
お詫びとお祝いに、いいもんを奢ってやることにした。
WAKO’s Fuel1。
2万kmも走ると、ピストンヘッドやらあちこちに煤がたまりまくる。
試しにヤフオクとかで、ムルティ1000のピストンとか見てみると、真っ黒な煤が層を成している。
これは、それを取るお薬なのだ。
40L~50Lに1本ということなので、満タン20Lのムルティだと2~3回で1本を
使い切る計算。まじめに紙コップに目盛を描いてみた。油性ペンで。
もちろん、注いだら消えたよ。うん。
満タンのタンクに注いで、蓋をしてムルティごと揺さぶって、撹拌したとこ。
見た目にはあまり変化なし。20Lに希釈したら、色なんて見えないね。
1回入れて、1,000kmくらい走ると効果が出てくるらしい。
この燃料タンクの注入口も、いまだにGS入って、「あ、こっちです」とか
指差すのが楽しいし、マグネティ・マレリの名前が入ったメーターとか、
外車の匂いがぷんぷんしてたまらなかったし。
少し慣れたし、少し飽きたし、あちこち小さなダメージも蓄積されてるけど。
やっぱりこのムルティが新車でお店に並んでたら、他のオートバイなんて目じゃないくらい
輝いて見えるんだろうな、と、なぜか最新型を乗り継いだ1日の終わりに気が付いた。